短歌五十音「さ」 笹井宏之『ひとさらい』
今回笹井宏之を取り上げようと決め、歌集を読み返したものの、評を書くのがとても難しい、と感じた。
私は歌集評を書く時に、歌集の中で気になった歌を一度全てWordに打ち込んで、その中でタイプ別に歌をカテゴライズする作業をする。
第一歌集『ひとさらい』も、気になる歌をリストにし並べてみたが、彼の歌たちをタイプ別にカテゴライズしていく作業が進まない。
どの歌も並列に並んでいるように見えるのだ。
連作の中で歌は違和感なく並んでいるが、一首一首の独立性が高い。
彼が連作を作るときどういう