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#江戸時代

べらぼうに夢を追った蔦屋重三郎、そのゆかりの地を歩く ─吉原周辺─

べらぼうに夢を追った蔦屋重三郎、そのゆかりの地を歩く ─吉原周辺─

大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の舞台である吉原を訪ね、蔦屋重三郎ゆかりのスポットをめぐりました。

▼関連書籍

江戸新吉原耕書堂はじめに訪れたのは、蔦屋重三郎が開いた耕書堂を模した観光拠点施設「江戸新吉原耕書堂」。1月18日に開業したばかりのこの施設は、東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅から南東に向かって13分ほど歩いたところにあります。蔦屋重三郎の版元印を染め抜いた藍色の暖簾が目印です。

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「江戸時代は『性におおらか』な時代だった」とかいうデマ、および映画『春画先生』に対する1万字超の怒り

突然ですが!

これから「江戸時代までの日本は『性におおらかな社会』だったが、西洋的/キリスト教的価値観の輸入がそれを潰した」とかいうなぜか世間にはびこる謎幻想、およびその手の害毒史観のもとで作られた『春画先生』という映画の問題点についてキッチリ語らせていただきます。
……つーかとっくに上映終了している映画について今さらウダウダ指摘するのもなんだと思ったけど、やっぱ今年のムカつきは今年のうちに全部

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引っ越し大名(2019)

引っ越し大名(2019)

大名たちの壮大な引っ越しを描く
ほのぼのとした味わいのある時代劇

江戸時代、幕府が大名に領地の移し替えを命じる、“国替え”と呼ばれる制度がありました。命令の下った大名は、藩の家臣とその家族すべてを引き連れ、新しい領地へ移るのですが、時には1万人にも上る規模の藩を丸ごと移動させるとなれば、物理的にも経済的にも、その苦労は容易にうかがい知れます。

本作は、そんな“武士のお引っ越し”をめぐる、てんや

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第1回 江戸っ子に人気の花の名は・・

第1回 江戸っ子に人気の花の名は・・

江戸のまちでは、子どもから大人まで、武士から町人まで、さまざまな人が草花を育て愛でる趣味を持っていました。時には特定の花が人気を集め、大ブームに発展することも。そんな江戸園芸文化の一端をイラストと手書き解説でご紹介します。

江戸時代を通して流行した花には、椿・菊・牡丹などがありました。
朝顔のブームは2回訪れており、いずれも江戸時代後期、庶民の生活も安定して文化が成熟した頃のことです。幕末には、

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江戸時代の歩き方の再現(1)

江戸時代の歩き方の再現(1)

足運びについて

さて、文献から推定した江戸時代の歩き方をおさらいします。

江戸時代の日本人の歩き方(推定)

・膝を曲げて、引きずるような高さで足を前に持っていき
 爪先から地面におろしている。
  足を前に振りだすことは無く、
  かかとはほとんど地面につけない。
・前傾姿勢
・大股ではなく小股で歩く
・手はほとんど振らない(身体をねじらない)

では、これだけの情報で、歩けますか?となるわ

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江戸時代の歩き方の再現(3)

江戸時代の歩き方の再現(3)

腕の動かし方

江戸時代の歩き方を再現しようとすると

腕はどうしているのか?

この疑問にぶつかります。

歩いている人の浮世絵

浮世絵では、現代の歩き方の様に手を前後に振っている人はいません。
特に女性は着物の裾を押さえて歩く人が多いですし、
男性でも荷物を持っている絵が多く、手ぶらの時の動きは、なかなか読み取れません。

また、江戸末期の外国人の記録にも、歩いているときの手の動きに注目した

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