プルンパーゴ
悩み事だらけの私は、映画で描かれる人々の生き方を観て、励まされ、救われ、生きる術を学んできました。そして、わずか2時間前後のストーリーに凝縮されたキャラクターたちの人生から、本当に大きな影響を受けました。 そんな私の経験から、単なる映画の良し悪しだけでなく、それぞれの映画が伝えたいことを汲み取りながら、映画の魅力を紹介していければと思い、【映画の中の人生】と名付けました。ぜひ読んで頂けましたら、うれしいです! 映画を通して、誰もが実り豊かな人生になることを願っています。 どうぞ末永くよろしくお願いいたします!
【映画の中の人生】より、心を癒し、感動の涙で潤すヒューマンドラマを集めました。困難な人生にもめげずに立ち上がる人々の姿を通して、自分らしく生きるヒントを見つけましょう!
今回は映画紹介ではありません。私の映画レビューのタイトルを、【映画の中の人生】とすることにしました。 悩み事だらけの私は、映画で描かれる人々の生き方を観て、励まされ、救われ、生きる術を学んできました。そして、わずか2時間前後のストーリーに凝縮されたキャラクターたちの人生から、本当に大きな影響を受けました。 そんな私の経験から、単なる映画の良し悪しだけでなく、それぞれの映画が伝えたいことを汲み取りながら、映画の魅力を紹介していければと思い、【映画の中の人生】と名付けました。
昭和のトップアイドル、キョンキョンの輝きは必見 時代を経たからこその楽しみ方ができる 1982年のデビューの翌年、それまでのガーリーな聖子ちゃんカットをバッサリ切って、ボーイッシュなショートカットで現れた小泉今日子は一躍大ブレイク。キョンキョンというポップな愛称で親しまれ、元気でキュートな女の子像を確立しました。 さらに、遊び心いっぱいの楽曲『なんてったってアイドル』を堂々と歌い切る度胸と潔さを備えたキョンキョンは自分らしさ全開で、80年代のトップアイドルとして登り詰めて
名女優カトリーヌ・ドヌーヴが優しく見つめる フランス流の激しくも、愛すべき家族の物語 母親の70歳の誕生日を祝うために、離れて暮らす子どもたちが家族とともに帰ってきます。 陽光まぶしい、緑に囲まれたテラスで家族が食卓を囲む穏やかな場面写真が印象的な本作品。さぞかし微笑ましい、ハッピーな物語が展開すると思いきや、そこは現実的で辛口なフランス流。一筋縄ではいかない家族の絆がひねりを効かせて描かれます。 クレールが家族間にあった遺産問題を独断で解決しようとしたことから、家族
実在の人気脚本家チャーリー・カウフマンが 四苦八苦しながら書き上げた脚本は超一級の奇抜さ 実在の俳優ジョン・マルコヴィッチの脳内に入り込んでしまうという奇想天外なコメディ『マルコヴィッチの穴』(’99年)の脚本を手がけ、一躍脚光を浴びた脚本家チャーリー・カウフマン。 彼の『マルコヴィッチの穴』の次作として注目された本作は、そんな周囲の過度な期待を逆手にとったストーリーです。 原作は女性ライター、スーザン・オーリアンが珍種の幽霊蘭の採取に情熱を燃やす蘭コレクター、ラロシュ
のどかな野球場が見せてくれる夢 穏やかでファンタジックな野球映画 野球界の最高峰アメリカ・メジャーリーグをめざし、日本の多くのプロ野球選手たちが海を渡りました。心身ともに屈強な外国人選手たちの中で切磋琢磨する日本人選手たちの姿は胸に響くものがあります。 中でも、けた外れの成功を成し遂げた大谷翔平選手は、自分を信じて好きなことにとことん打ち込み、たゆまぬ努力を続けることの素晴らしさに改めて気づかせてくれました。 野球はアメリカンドリームの象徴の一つと言えるでしょう。アメリ
22年間笑いと感動をありがとう! 平成の国民的喜劇シリーズがついに完結 1988年公開の第1作から足かけ22年で特別編を含めると全22作。2009年、釣り仲間の凸凹コンビ、ハマちゃんとスーさんの活躍を描く国民的喜劇シリーズがついに完結の時を迎えました。 毎作、導入部となる会社シーンは、世知辛い世相を反映しつつもユーモアたっぷり。経営者の鑑のようなスーさんの行動が波紋を呼ぶ本作も、風刺的で大いに笑えます。 会長賞の褒美に「釣り休暇」を希望したハマちゃんは、久々にスーさん
田舎町の町長選がなぜか大統領選の様相に アメリカ政治の舞台裏を皮肉る痛快コメディ 2024年11月5日のアメリカ大統領選挙投票日まで約3週間となりました。各陣営はどのような動きをしているのでしょうか。。。 アメリカの大統領選で勝つには、いかに多くの州の支持を取り付けるかが重要です。なかでも、「激戦州(スイング・ステート)」と呼ばれる、民主党と共和党の支持率が拮抗し、選挙の度に勝利政党が変動する州を制する候補者が勝利へ大きく近づきます。 2016年、ドナルド・トランプ候補
リドリー・スコット監督が描く 歪んだ愛と戦禍に生きたナポレオン 名匠リドリー・スコットが〈英雄〉ナポレオンの実像に迫った歴史スペクタクル超大作です。 『ジョーカー』(’18年)の鬼気迫る演技でオスカー俳優となったホアキン・フェニックスがナポレオンを演じ、『グラディエーター』(’00年)以来、23年ぶりにリドリー・スコット監督とタッグを組んでいます。 ナポレオンの台頭から失脚までの歴史が、1人目の妻ジョゼフィーヌとの愛憎入り混じった関係を絡めて描かれます。ナポレオンのドラ
トランプ大統領誕生がアメリカをどう変えるか? 稀代のドキュメンタリー映画監督、マイケル・ムーア渾身の一作 2024年秋、日本で新しいリーダーが誕生する中、アメリカのリーダーを決める大統領選が勝負の1ヶ月を迎えます。 今から4年前、2020年のアメリカ大統領選は、アメリカ国内外を問わず待ち望んでいた人が多かったのではないでしょうか? 2020年のアメリカ大統領選は当時の大統領ドナルド・トランプがアメリカ国民からの審判を迎える日でもありました。大胆な変革を掲げたトランプ大統
ティム・バートンが惚れた麻布人形たちの活躍を描く 愛らしくも切ないダーク・ファンタジー 1988年に製作されたホラーコメディ『ビートルジュース』で注目を集めたティム・バートン監督は1989年『バットマン』の監督に抜擢され、1990年には名作『シザーハンズ』を発表しました。 『シザーハンズ』は手がハサミの人造人間エドワードという奇想天外な主人公のため、私はドタバタB級コメディかと思って観始めたのですが、あっと驚くストーリー展開で、エドワードの哀しみのドラマに涙が止まりません
新たなトランスフォーマーたちが大活躍 パワーアップしたアクションシーンが楽しい! さまざまなテクノロジー機器にトランスフォーム(変形)できるロボット生命体“トランスフォーマー”の戦いを描く、大人気アクションエンターテイメント映画シリーズ7作目。 それまでの作品では、車にトランスフォームするロボット戦士“オートボット”の活躍が描かれていましたが、本作では、ロボットからゴリラやチーターなどの動物にトランスフォームする“ビースト”が登場します。 南米・ジャングルを舞台に、オー
ジョディ・フォスターがアメリカの闇に迫る 9.11事件が招いた、壮絶な運命の物語 2015年にイギリスで衝撃的な〈手記〉が出版されました。それは、アメリカ政府の検閲により、多くが黒塗りにされていました。 その手記を書いたのは、9.11事件の首謀者の1人として、キューバのグアンタナモ収容所に収監されていた、アフリカ・モーリタニア出身の男性モハメドゥ・スラヒ。モーリタニアで家族と穏やかに暮らしていたスラヒが突如、9.11事件の容疑者となってしまいます。 そんな壮絶な経験を『
自然体の実力派女優、河合優実の主演作 悲しい現実から学ぶべき重厚な社会派ドラマ 今年1~3月まで放送され、生きづらい現代を生きる人々に笑いと希望を与え、大反響を呼んだテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(’24年)で、尖ってるけど純情な昭和のヤンキー女子高生・純子を演じて、大ブレイクを果たした河合優実。 2019年のデビュー以来、『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』(ともに’21年)で数々の映画賞の新人賞を受賞した後、2022年には『PLAN75』を始め、8本の映
なぜ人は喜んだり、悲しんだりするのか? 感情の謎に迫る名作ピクサーアニメ オモチャ、魚、車、ロボットなど、さまざまなものが生きる世界を描いてきたピクサーアニメ。本作では、人間に宿る感情をキャラクターにしてしまう発想力に本当に驚きました。 喜びや悲しみ、怒り、ムカつき、恐れなど、何かを経験するたびに沸き起こる感情は、実は頭の中で、感情たちがコントロールしているのです――。そんな楽しい想像をベースに、理屈では割り切れない感情の大切な意味について示したストーリーがとても素晴らし
日本と台湾のキャストとスタッフが創り上げた 狂気とエロスが交錯する眩惑の映像世界 小川洋子が禁断のエロスを描写した同名小説を映画化。 謎めいた中年男と、心に闇を抱えた若い女性との、妖しくも、幻想的な愛の行方が描かれています。 2人きりの空間で行われるエロティックな営みが本作の見どころ。本作で映画デビューを飾った台湾出身の陸夏(ルシア)が暴力的な翻訳家の過激な要求に応えるマリを熱演しています。ミステリアスな翻訳家を演じるのは、世界を舞台に活躍する永瀬正敏。静かな狂気をま
人形を愛した孤独な青年が起こす愛のマジック 心優しいキャラクターたちに癒される 孤独な過去に傷つき、心を閉ざした青年ラースと、彼を見つめる人々との不思議な交流を描いたファンタジックなヒューマンドラマ。 2007年に製作され、第80回米アカデミー賞の脚本賞にノミネートされました。日本ではあまり注目されませんでしたが、とても良い映画です。 明らかに人形と分かる“彼女”をビアンカと呼び、恋人として扱うラースや、彼の奇怪な言動に驚き、呆れながらもラースを動揺させまいと話を合わせ