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星と鳥と風たち

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#ノンフィクション

星と鳥と風~星野の挨拶

【星と鳥と風】
を見て下さっている、すべての皆様に
まずは感謝します。
自分でもこんなに書けるとは思っていなかった、短編小説(これを小説として良いのか謎)だが、私なりに、起こった出来事や、感じ取った日々を、恥ずかしながらも赤裸々に、リアルに表現させていただいてます。

そんな【星と鳥と風】も
17話目に突入しました。
ここら辺は【ビンギ】とのお話になっているかと思いますが、実話とはいえ、書いている

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星と鳥と風17~星とビンギ


もう少し
あともう少しだけ時間を下さい
あの人に、まだ伝えたい事がある


プルルル【iPhoneの着信音】
「もしもし、どうした?」

「今大丈夫?」

「今、休憩中だよ。どうしたの?」

「そっか..あのね」
「今、ビンギが召されたわ」

「...」

「穏やかな最後だった」

「…」

「でもやっとビンギが苦しまなくて済む」
「今日のこの日まで待っててくれたのかな...」
(この日は彼

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星と鳥と風16~鳥とビンギ

信じるという事は生きるということか
目に見えない事実に時が重なり
紡ぎ出す光なのか
どちらにせよ
私は
【ビンギ】
という存在を信じ
今この瞬間
灯火を灯している
真っ暗闇の海の上で
大事な人が
道に迷わないように
そのまたとない
命を燃やして
道を示す
不器用な男の
不器用なりの愛と
小さくとも大きなその夢に
風が応えて
時空を超える

2003年、5月頃、彼女は友人達と、
【とあるお祭り】

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 星と鳥と風15~星と鳥2

誰が仕組んだ人生なのか?
 これが自分が望んだ未来なのか?
カルマか?
ドラマか?
どっちだっていい
神様がいるのなら
少しばかりの間
応えて欲しい
そして僕らの
生きる様を
ほんのもう少し
見守っていてほしい

私の住んでいる九州は、先日、梅雨入りをした。
これを書いている間も、外では、滝のような雨と、怒り狂った雷が、けたたましく鳴っている。こんな日は、私は、彼女と出会ったあの日を思い出す。

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星と鳥と風~14 釣り先生

私はじいちゃんの車の助手席で、 
これから待っている
【初めての山女魚釣り】
に興奮していた。
車窓から見える山々は紅葉していて
初めて見る渓谷は光を反射してキラキラと
美しく、また、悠々と流れていた。
車は途中林道脇を走りながら
更に山深くへと進む
林道は車が一台やっと通れるほどの幅で
舗装もされておらず、隣は断崖絶壁の渓谷。
土砂崩れや、野生動物、クラックの入った道
更には、ガードレールすらも

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星と鳥と風13~釣り名人

熱い夏が来る前に
せっせと
畑や田んぼを耕して
大地よ今年もどうぞよろしくと
種を撒き
命が命の輪を紡ぐ
恵みの秋となるか否かは
いつも自然の氣のむくままで
雲のように自由に変化する
だからこそ日々を丁寧に
数えられる恵にも感謝して
できた分をありがたくいただく
多くても少なくても
皆んなで分け合って
暮らしを分かち合っていた。

そんな農家の一家の【普通】の営み
だけども何をもって【普通】と呼ぶ

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星と鳥と風12~雨ニモマケズ

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人

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星と鳥と風11~鳥と私 1

【そういえば、これは私の愛の物語でもあった】

あの日は記録的な大雨で
おまけに雷がけたたましく山に響いていた。
(絶対近くに2、3発、雷が落ちてたと思う)
当時住んでいた家は山間部で
家の裏はすぐ山で
雷が鳴るたびに
うっそうとした森がハッキリと映し出された。
そんな日に、彼女

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星と鳥と風10~ウルトラマン

現在私は引っ越し作業中で
いらなくなった物を、リサイクルショップで買い取りしてもらっている。
これで2回目なのだが、レコードが一番の荷物で、今回は200枚程を手放した。
前回は500枚程を手放したので
合わせて700枚程を売った事になるが
これでもまだ三分の一程だと考えると
自分に(どんだけ音楽好きなんだよ!)
と突っ込みたくなる。
(レコードはとにかく重いのだ)
200枚を査定するのに2時間ほど

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星と鳥と風9~ナイトナース

前回
小学校卒業までのざっくりすぎる流れを書いたのだけれど、【おまけ】でもう少し
小学校時代を回想しようと思う。

あれは激しく暑い夏の日だった。
僕は朝から隼人と一緒に僕の実家にいて
庭でサッカーをして遊んでいた。

家には休みの親父が【トド】のように寝そべって、TVを見ていたのだが
急に親父のポケベルが、けたたましく鳴り響いた。
それと同時に飛び起きた親父は
僕らに

「おい!クソガキ共!海に

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星と鳥と風8~卒業発表会

【ジャーーーーーン】

落雷のようなヒロトのギターが教室に鳴り響いた。
たった一音で「おぉ」と周りを惹きつけた。
その音は決して、耳障りとかの類の音ではなかった。
ただただ、ヒロトの溢れんばかりの才能が
たったの一音で溢れ出た。
ただそれだけだった。
僕もベースとマイクがちゃんと自分に聴こえるようにボリュームを合わせた。

ドタドタドタ!
(何かが押し寄せてくる音)

さっきの一音で
気がついたら

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星と鳥と風~7 神様からのプレゼント

音楽を奏でる事は最高な気分にさせてくれる。
小さな僕にとって
【音楽】
は神様からのプレゼント
だと信じて疑わなかった。

小学校6年生の僕らは無我夢中で練習をした。

その少し前に僕は
3年程続けたサッカークラブを脱退していた。

【理由は隼人だ】

隼人は頭も良かったが
運動神経も抜群に良かった。
そして何よりサッカーセンスがずば抜けていて
毎年県の選抜にも選ばれていた。

僕はというと
足は

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星と鳥と風~6 スーパーキッズ

ある日僕は父が運転する車の助手席に座っていた。
父は当時黒塗の
(グロリアY30)という
いかにもな車に乗っていて
頭もリーゼントをポマードでかっちりロックして18金のゴツいネックレスが、虎柄のシャツの中からちらちら見え隠れするような
【The 昭和のや◯ざ】
な出立ちだったにも関わらず
意外にも車の中でかかっているカセットテープはメロウで男女がテーマな邦楽POPs が多かった。

【なんなんだそ

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星と鳥と風5~アレ

アレ とか ソレ とか
僕がたまに出していたワードについて触れていこうと思う。

初めて アレ を見たのは小学校3年生くらいだったと思う。
近所に地区の人達が集う体育館があった。

毎日学校の登下校でその体育館を横切るんだけど
ある日の帰り道
その場所が突然池になっていた。
緑色のバクテリア全開な水色の池。
池から湯気らしきモノも出ていた。

その中に得体の知れない アレ がいた。

いつもの見慣

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