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短編小説ハムちゃん先生

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ハンニャのおともだち【大徳寺・今宮神社編】

ハンニャのおともだち【大徳寺・今宮神社編】

ハムちゃん先生には最近不可解なことがある。

夜のお散歩をしていると、同じ場所で何者かに話しかけられるのだ。

お散歩コースは決まって大徳寺周辺。

その声は大徳寺の土塀に沿って歩く時に聞こえる。「はにゃ?」という疑問系のイントネーションで問いかけてくるのだ。

恐らく最近人間の間で流行り出した言葉なんだろうとハムちゃんは思っていた。

いつもは暗くてその姿がわからない。

そこで今日は正体を突き

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🦆カモクシーで行こう

🦆カモクシーで行こう

ハムちゃん先生は京都の街を移動する機会が増えたので、交通手段を考えていた。
人間と同じように京都市バスや地下鉄に乗ってもよいのだが、迷子のハムスターと間違われて捕獲される恐れがある。
なるべく人間に目をつけられないように移動したい。さて、どうしたものか。考えてみた。

1.ルンバを改良して乗ってみた

ルンバに乗って移動すれば、京都の街がお掃除されてピカピカ。一石二鳥だと思っていた。
しかし哲学の

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天使突抜オコジョ

天使突抜オコジョ

迷って進めない方
背中押します。

そう書かれた張り紙が街の掲示板に貼り付けられていた。

ここは天使突抜二丁目。

京都には風変わりな名前の土地が多く存在する。その中でもとりわけ目立ってロマンスなのがこの場所だ。

ハムちゃん先生はこの日、西洞院通りを南に向かって歩いていた。

四条通りを過ぎて、もうすぐ五条通りに着きそうな時だった。ものすごいスピードで白い何かが背後から走り去った。

あやしい

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ホテル ソンジョソコラノ

ホテル ソンジョソコラノ

夜中の0時を過ぎると灯りのともる建物が京大の敷地内にある。

ここはハムちゃん先生が気まぐれで経営するホテル ソンジョソコラノだ。

いつも研究をしている附属図書館のすぐ裏側にあって、普段、人間が使うことは滅多にない。

もちろんこの施設も人間の研究のために開いた。

一般的なホテルと異なる点は、宿泊料金を支払う必要のないこと。

宿泊した客は、引き換えに自分のみた夢を提供することになっている。

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ハムちゃん先生の音楽心理

ハムちゃん先生の音楽心理

毎朝、早朝の5時になると
図書館の書庫からピアノの音が聞こえてくる

ハムちゃん先生の朝の日課だ

起きたらまずピアノに向かう
そして必ず決まった曲を弾く

曲はJ.S バッハの平均律クラヴィーア曲集
第1巻第1番のプレリュードだ

曲名を知らない人でも
どこかで出会ったことのある
有名なプレリュード 

毎朝同じ曲を弾くことによって
自分の体調を知る
手がかりにしているのだという

まずは演奏を

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時計台のてっぺんに

時計台のてっぺんに

京大の名物、時計台。

この時計台のてっぺんには何があるのでしょう。

ここには、ハムちゃん先生行きつけの居酒屋がある。京都の景色を全方位楽しめるルーフトップバーだ。

開店は夕暮れ時。

緊急事態宣言で
京都はどこも20時閉店だが
動物には関係ないのだ。
真夜中まであいている。

店主はカラス。その名もカラスミ。

にんげんから忌み嫌われる鳥でもあるが
京大のどうぶつさん達からは人気がある。

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あなたの癖取り除きます

あなたの癖取り除きます

◇◇◇◇◇【実験参加者募集】◇◇◇◇◇◇◇

あなたについた変な癖、取り除きます

どんな癖でもOKです。

お問い合わせください。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇そう書かれた貼り紙が図書館の地下へと向かう入り口に貼られていた。

ここはハムスタラボ。

京都に隠れた名医がいると噂になっている。

何をしてもやめられなかった癖がここに来れば簡単に治ってしまうというのだ。

といっても、ハムち

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スパイをやめた日【中編】

スパイをやめた日【中編】

「カモさん、流れに逆らって泳ぐのは大変でしょう。」

ハムタコスキーは申し訳なさそうに尋ねた。

この疏水は琵琶湖の水を京都市へと流す目的でつくられたものだから、これから琵琶湖へ向かうとなると逆行しなければならない。

「いや、そんなことあらへんわ。むしろな、流されて生き続けたら、鴨川のカモはどうなると思う?」

「あのまま鴨川の下流に流され、それから行き着く先は大阪の淀川でしたかな」

「そうや

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スパイをやめた日【後編】

スパイをやめた日【後編】

「これからどうしていくんか知らんけど
困った時は鴨川デルタに来たらええわ。日中はいつもあの辺でランチしてるからな。」

カモは京都で最初の心強い知り合いとなった。

「こりゃまたご親切に本当にありがとうございました。あなたのお陰で見たことのない自由が手に入りそうです。」

御礼を告げたハムとカモは
近江舞子の浜辺で別れることにした。

( 鴨鍋になるなよ。また会おう。)

比叡山を目掛けて飛んでい

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スパイをやめた日【前編】

スパイをやめた日【前編】

一匹のハムスターが
鴨川に向かってボソッと言った。

「こんな仕事やってられるかっ」

そうつぶやいて、GPS機能付きの社用首輪を鴨川に投げ捨てた。

これは、ロシア政府から日本に送り込まれた秘密兵器、ハムスターのスパイの物語である。

ハムタコスキーはGPSを首につけられ、日々監視されている。潜入中の企業から技術や情報を盗み取り、報告するだけの生活に嫌気がさしていた。

「ハムスターはよく回し車

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ハムスタラボ

ハムスタラボ

人間には計り知れない世界。

それは案外、身近な場所に存在する。

たとえば、京大附属図書館の書庫地下3階。
ここに小さなちいさな研究室がある。

これまでに、誰からも探されることのなかった本。それだけが集められた本棚。

読まれずに眠っている本と本の隙間に、
一匹のハムスターがいて、
ひっそりと人間の研究をしている。

彼はアンビエント国が日本へ送り込んだスパイ動物。

アンビエント国は、ハムス

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