マガジンのカバー画像

人と人のアイダ

43
人と人のアイダにある境界線について、あれこれ考えて書いた記事たち
運営しているクリエイター

記事一覧

あなたのために生きられない

あなたのために生きられない

大人になる過程で、自分と他者は全く違うものであり、その間には大きな隔たり(境界線)があり、自分の決断に誰も責任をとることはできないし、誰かの選択について自分が責任をとれることもないと感じるようになりました。

そんな私が強く違和感があるのが「あなたのために生きるよ」「私のために生きてね」という、誰かのために生きるという感覚。

以前、すごく有名なアーティストのドキュメンタリーで、彼女が自分の母親に

もっとみる
対話しているのは、相手じゃないかもしれない

対話しているのは、相手じゃないかもしれない

最近、死者たちと対話している私です。(わぁ、言葉にしてみると、ちょっとおっかないかしら)

ふと考え事をしている時に、「あの人だったらなんて言うだろう」と思う時があります。

そんな時に、その人がとなりにいて、「私はこう思うよ」「こうしたらいいと思うよ」など言ってくれる想像をするのです。

それ以外にも、「こんな時、あの人だったら反対するだろうな〜」とか「こんなところをあの人に見られたら怒られちゃ

もっとみる
私たちはちゃんと関係をつくれる

私たちはちゃんと関係をつくれる

前回、人間関係には正義や悪はなく、そこにあるのは価値観の違いだけだと書きました。

これは友人と話していたまとまってきた話。頭の中ではわかっていたけど、言葉にすると明確になりますね。

人間関係に正解・不正解はないよね。そこにあるのはお互いの価値観だけだよね。価値観の違いを、「お前は間違っている〜!!」と責めることはできないよね。

という話でした。

では、私たちは恋人が「お前は間違ってる〜!!

もっとみる
人間関係において、正義や真実はあるのか問題

人間関係において、正義や真実はあるのか問題

人間関係を誰かと築いていく上で、私が大切にしていることがあります。

人間関係に正義や真実はないこと。そこにあるのは、お互いの価値観や理想でしかないことです。

例えば恋人同士の2人が関係を築く時に、お互いの理想が噛み合わなくてぶつかることがあるかと思います。

極端な例で言えば、恋人には私以外にも5人も愛人(?)がいたとします。そうすると、私の価値観では「5股なんて悪」だし、「純粋に1人を愛して

もっとみる
本当の自分を伝えるべきか問題

本当の自分を伝えるべきか問題

夏休み、ドラマを見て過ごしております。暑すぎて外に出られないので、家でじっと涼しくなるのを待っています。

ドラマの中の話ですが、本当に愛する人に出会った時、「本当の自分を見せよう」と勇気を振り絞る場面がありますよね。隠していたことを打ち明けたり、自分の素の姿を見せたり。

きっとこの人なら受け入れてくれるとか、この人に嘘をつき続けてはダメだとか、全てをさらけ出す必要がある…とか。二人の誠実な関係

もっとみる
許せない気持ち

許せない気持ち

SNSでは今日も誰かが怒っている。

世の中に、許せないことってたくさん存在する。許せないの方向はいつもバラバラで、10人いたら10通りの許せないが、それぞれの価値観に基づいてつくられていく。

許せないの足元には価値観の違いがある。価値観の違いは言動に現れるから、相手に対して「こんなことするなんて許せない」、「あの考え方は許せない」と私たちは憤る。

私たちは許せないを少しの間味わって、心が落ち

もっとみる
人と人のアイダにある何か

人と人のアイダにある何か

先日、我々には、自分の話をする場所が必要だという記事を書きました。

私が「誰にも邪魔されずに自分の考えていることをぶちまけたい」という欲求について書いた、やや自己中心的な記事です。(自己中心的であることは定期的に必要だと思っています。意識しないと、すぐ他人中心的になる私だから)

そこで書いたように、授業というのは教員が一方的に話せる時間が長く、しかもアレンジもしやすいということでありがたい時間

もっとみる
この世界は私のいるべき場所なのか

この世界は私のいるべき場所なのか

「私は哲学者になろうと思う」と友人に話していた時のこと。(彼女は私が変なことを言っても特に何もつっこまないのがいい)

友人は「あなたはこの世界と、自分の関係がどうあるべきかで悩んでいるんだね」と言った。

私はそうなの、と言った。

友人は「私はね、この世界は、私のいるべき場所じゃないんじゃないか?と考えることが多いの。だからこの世界と自分の関係については、あまり関心事ではないんだ」と言った。

もっとみる
言葉を人質にとられたら

言葉を人質にとられたら

私は桜林直子さんとジェーン・スーさんのラジオが好きでよく聞いています。桜林さんは言語化がすごく上手で、いつもいろんな言葉をいただきます。先日また、「おおぅ」となる言葉をいただきました。

ずばり、「言葉を人質にとられる」。

かんたんに言うと、「だってあなたがそう言ったんじゃない」と責任をとらされること。

これ、言われたらすごく苦しいやつ。自分が選んだものや決めたことが原因で誰かに責められる。ま

もっとみる
相手の感情について責任をとらない

相手の感情について責任をとらない

空気を読むことが素晴らしく上手な私たちへ。

私たちは、誰かが怒ったり機嫌が悪くなることを避けるために、とても注意を払って生きているように思います。

どうか、今日は同僚の機嫌がいい日でありますように。怒った恋人が明日にはいつもどおり振る舞ってくれるかな。私はAを選びたいけど、それを選んだらお母さんが嫌がるかな…。

もし怒っていたら。嫌がっていたら。機嫌が悪かったら。機嫌を直してもらうために美味

もっとみる
一緒にいると辛くなる人がいるあなたへ

一緒にいると辛くなる人がいるあなたへ

「あなたのその健全さが辛い」と言われたことがあります。

大事な友人の一人でした。相手も私のことを大事に思っていたからこそ、話してくれたのだと思います。

あなた(私)は何も悪くないのだけど、そのひたむきに努力できちゃう感じとか、未来は明るいって根拠なく信じられてしまう感じとか、人の良いところばかり見ることができちゃう感じとか、全て辛いと。

私はその人が、辛い気持ちでいるだろうなということもなん

もっとみる
ほしい言葉は相手に伝えてみるといい

ほしい言葉は相手に伝えてみるといい

たまに、仕事が忙しいことに対する文句を言います。

友人は言います。

ええそうです。そのとおりです。

たしかに私が選んだ仕事たちです。別に誰かに強制されて仕事しているわけじゃないし、やめたいと思ってる訳でもない。私にとってすんごい大事な仕事たちです。

でも、重なって忙しいな〜みたいな、文句言いたい時あるじゃないですか。雨が降って「ちぇ!!」と同じようなものですよ。ただ「大変だねぇ」と言ってほ

もっとみる
愚痴る時はマナーが大事

愚痴る時はマナーが大事

ただ愚痴りたい時ってある。

でも愚痴るという行為には、ある程度マナーが必要だと思っている。だって、愚痴を聞くって大変だ。共感を表したり、同情したり、相手はいつだってたくさん考えて聞いてくれている。それを理解してこの行為を行わなくてはいけないと思っている。

というわけで(どういうわけで)、突然だけど愚痴る時のマイルールを紹介しよう!

相手を楽しませる愚痴を

まず、ただ愚痴るんじゃなくて起承転

もっとみる
「嘘つく人はどう?」と問われた時は・・・

「嘘つく人はどう?」と問われた時は・・・

先日、「嘘つく人ってどう思いますか?」と聞かれました。

ソーシャルワークの仕事はおもしろい。いろんな人から、いろんな問いかけをされる。

「嘘つく人かぁ。そうですねぇ。そうねぇ。」なんて、言いながら、コーヒーを飲んだり、おしぼりを触ったりして考えました。

嘘をつく人について考える時は、自分も嘘をつくということを一回棚に上げて考えないとうまく考えられない気がします。私も人生でいろいろと嘘をついて

もっとみる