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脱力

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ーああ、そういえばさっき飲んだ牛乳、賞味期限切れてたわ だいたいそんな感じ。
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#脱力

深い海の底へ落ちていくような酩酊感を味わいたい。
しかし思考を重ねて深く落ちたところで酔えやしない。
快楽なんてものは頭で考えるものじゃない、って誰かが言ってたなぁ。

子供の頃、すごろくで「一回休み」がでると凹んだけど。
大人になってからの「一回休み」ってこんなにワクワクするもんなんだなぁ。

綱渡りでもしているような。そんな気持ちが続いた日。
自分が発する一言一言に神経を行き渡らせるような。そんな日はできれば送りたくなかった。

なんてことはない、春の夢を見た。
暖かい日差しに目を細めて天を仰ぐ、ただそれだけの夢。

冬の間、そっとしまいこんでいた安らぎを感じる。ただそれだけの夢。

暖かくなってくると人の出入りが多くなり
自然と人の声がよく耳に届くようになる。

春には人格はないけれど、声はあるんだなぁ。

電車の中でおばあさんと小さな子供を見かけた。
おばあちゃんっ子だろうか。しきりにじゃんけんをせがんでいる。
はいはい、と付き合うおばあさん。
どことなく思い出す。在りし日の自分の面影を見る。

昔、僕の地元では夜9時ごろになると
防災無線から音楽が聞こえてきた。

エレピの音色が心地よく、眠りへといざなってくれたのを
今でも良く覚えている。

夏の寝苦しい夜も、
凍えそうな冬の夜も、

どんな日でもあの音が聞こえると
ああ、今日も良い一日だった、と
そう思えた。

人の記憶に残る音って
音そのものではなく
その音の背景にある出来事だったりするから不思議だ。

バックグラウンドミュージック

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ギターを叩きつけたくなるときもある。
2本のうち、安いほうのギターで。
案外こっちのギターのほうが好みだな、なんて皮肉。
人生てのは、こんな小さなことですらままならないらしい。

ふと思い立って自分の人生を棚卸しした。
思いのほか、自分に対して善意をもって接してくれていた人が沢山いたことに気づく。
ああ、立ち止まってよく考えなきゃ気がつけないなんて。
たまになら、立ち止まってもいいんだなあ。

孤独ってのも悪いもんじゃない
独りじゃなきゃ癒えないものだってある
それこそ独りだと癒えないものと同じくらい

「海全てが祖母の墓」
そう思うことにした。そう思うと、骨や灰が海のそこへ深く沈んでいく光景が浮かんだ。
※祖母に関する詳細は脱力その6~11をみてね

リズムよれまくってるけど気にしない脱力な感じでおなしゃす

脱力その11 祖母と食事

昨晩、また祖母の夢を見た。

祖母の生まれ故郷近くの、ビルの高い所の個室おでん屋みたいなお店。
富士山の見える景色の良い、明るい個室に居る。

オレと祖母と、もう一人見覚えがあるような、やっぱないような?おじいさんの3人。
どことなく親近感を抱く方なので祖母の血縁関係の人なんだろう。

景色に見とれていると祖母がおでんを取り分けてくれた。
食べやすいように、箸で厚揚げを半分に切って渡してくれる。

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