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Poetry night

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詩と朗読と映像と。
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記事一覧

新薬中止のこと。

新薬中止のこと。

年明けから新しい薬を服用し、短期間で副作用が出て中止。薬が身体から抜けるのを待って、同じ働きを持つ別の薬を試したが、やはり副作用が出て中止。

精神的にも身体的にも、とても張りつめていた一ヶ月ちょっと。期待していた薬だったので、ダメになってがっかりだ。しかし身体にキツい薬を飲まなくてよくなり、正直なところホッとしてもいる。主治医もこれ以上、私に無理をさせようとはしなかった。

生きづらいと言うより

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i-nori/詩と朗読 poetry night 第105夜

i-nori/詩と朗読 poetry night 第105夜

比売(ヒメ)たちよ
比古(ヒコ)たちよ
耳を澄ませ 見通せ
闇の向こうを

🌿詩と言葉の美しさをお届けするラジオ番組「詩と朗読 poetry night」 
第105夜はコロナ禍の真っ只中に書いた詩「i-nori」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。

「i-nori」

新聞を開く
テレビをつける
毎日マイニチ同じ話題だ
ディープな未知の生命体が
世界を席巻し
各国政府は
緊急事態宣言を

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一言主(ひとことぬし)/詩と朗読 poetry night 第104夜

一言主(ひとことぬし)/詩と朗読 poetry night 第104夜

森羅万象のエネルギーが
私を通り抜け
言の葉として
この世に生まれ出でる

🌿詩と言葉の美しさをお届けするラジオ番組「詩と朗読 poetry night」 、
第104夜は「一言主(ひとことぬし)」。 スキマ時間に聴いていただければ幸いです。

「一言主 」

ことばの意志には逆らえない
このように書かれたがっている
こんな声で読まれたがっている
配置も
イントネーションも
あなたの言いなり

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呪いを解く魔法/詩と朗読 poetry night 第103夜

呪いを解く魔法/詩と朗読 poetry night 第103夜

🌿詩と言葉の美しさをお届けするラジオ番組「詩と朗読 poetry night」。
第103夜は「呪いを解く魔法」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

*****
「私なんか、美しかったことなんか一度もないわ!」
雨でビショビショになりながら、大声で泣くソフィー。そっと傘を差しかけるカブ。

人なんかどうでもいい。
濡れそぼってあられもなく泣きわめきたい。
人は誰しもそんなつらい想いを

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誰そ彼色/詩と朗読 poetry night 第103夜

誰そ彼色/詩と朗読 poetry night 第103夜

「誰そ彼色」

夕焼けに伸びた長い影の中で
猫が言った
きこえなかったけどわかる
「それ いいね」
ふり向いたら金色の瞳を閉じた

ねえ明日は
逢いたいひとに逢えるかな
群青色に暮れていく
今日の日
サヨナラ

誰そ彼 たそがれ 君は誰

🌿詩と朗読 poetry night 第103夜は「誰そ彼色」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。
今年もどうぞよろしくおつきあいください。

祈る、わたしのすべてのさいはひをかけて。

祈る、わたしのすべてのさいはひをかけて。

昨年末からずっと祈りながら過ごしていた。

今度の正月には何も起きませんように、って。新しい年を、皆が笑って呑気に迎えられますように、って。

私が怖がりなのかな。今でもね、7月6日近くになって夜に大雨が降ると、怖くてドキドキして、被害がありませんようにと祈るんだよ。西日本豪雨の記憶がそうさせるんだ。他の地域でもそういう人、少なくないのでは。

平凡な幸せは、一瞬にして奪われることがあると、私たち

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エッセイ「不規則で不確実、だけど私独自のサイクルについて」/詩と朗読 poetry night 第 101夜

エッセイ「不規則で不確実、だけど私独自のサイクルについて」/詩と朗読 poetry night 第 101夜

朗読会や朗読劇などをすると、そのあとしばらくグッタリしてフラフラになり、回復に一週間ばかりかかる。
上演当日はドーパミンだのアドレナリンだののお蔭か、たいていの場合、滑舌も声の通りも良くなる。
しかし発声する身体が40kgちょっとしかないので、体重に対する消費エネルギー比率が高くなってしまう。終える頃には全エネルギーが底をつき、蓄えのない身は動けなくなるのである。
また、もともと持っている体力が人

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超ミニ個人誌「吉備野日和。」vol.24発行しました

超ミニ個人誌「吉備野日和。」vol.24発行しました

超ミニ個人誌「吉備野日和。」vol.24 ができました。今回の背景は、裏表とも写真。冊子を観音開きにしながら詩を読んだあとは、一枚に広げて表も裏もご覧くださいね。一部100円。ご希望の方はご連絡ください。

詩と朗読 poetry night 第99夜/配信100回記念〜立原道造スペシャル〜

詩と朗読 poetry night 第99夜/配信100回記念〜立原道造スペシャル〜

僕は室内にゐて、栗の木でつくつた凭れ(もたれ)の高い椅子に座つて
うつらうつらと睡つてゐる。
夕ぐれが来るまで、夜が来るまで、
一日、なにもしないで。
僕は、窓が欲しい。たつたひとつ。……
(草稿「鉛筆・ネクタイ・窓」から)

詩と朗読 poetry night 第99夜は、「配信100回記念〜立原道造スペシャル〜」です。立原道造とヒアシンスハウスについて、アツく語っています。スキマ時間に聴いてい

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追悼詩/谷川俊太郎さん

追悼詩/谷川俊太郎さん

寒風吹きすさぶ地上で
相変わらず
ネリリし
キルルし
ハララしているわたしたち

万有引力は
ひき合う孤独の力である

といったひとは
二十億光年の宇宙の向こうで
今ごろ
くしゃみをしているか
あったかく しているか

「詩と朗読 poetry night」第96夜/林芙美子「秋のこゝろ」と秋の朗読イベント報告!

「詩と朗読 poetry night」第96夜/林芙美子「秋のこゝろ」と秋の朗読イベント報告!

女のやうにうるんだ夜空は
たまらなくいゝな
朝の空も
夜の空も
秋はいゝな。
(林芙美子「秋のこゝろ」より)

🌿「詩と朗読 poetry night」 第96夜は
林芙美子の詩「秋のこゝろ」と秋の朗読イベント報告!
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

*****
「秋のこゝろ」林芙美子

秋の空や
樹や空気や水は
山の肌のやうに冷く清らかだ。

女のやうにうるんだ夜空は
たまらなくい

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詩と朗読 poetry night 第95夜/エッセイ「会議のウラカタ」

詩と朗読 poetry night 第95夜/エッセイ「会議のウラカタ」

「言ってくれればやりますよ」
「自分は◯◯をするだけで良かったですよね」。
なにかしら手がけていると、こういう発言によく出会う。一見、気が利いて働き者の発言ように聞こえる。が、それではただのお手伝いかボランティアだ。あなたに「言ってくれ」る前の段階まで段取りをつけるのが大変なんだよ。そして、あなたがただ「するだけ」の◯◯が、これからどんな流れで進んでいくかが大切なんだよね。

また、動いてほしいと

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