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暮らしの記録

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#エッセイ

移動販売車を待ちわびて。美味しい豆腐との出会い。

移動販売車を待ちわびて。美味しい豆腐との出会い。

遠くから音がする。

移動販売車の音だ。遠くからでも聞けばすぐにわかるのは「およげ!たいやきくん」で、かの曲が聞こえてくると条件反射で財布を掴んで外に飛び出していきたくなる。
現在住んでいる地域では、「およげ!たいやきくん」を聞いたことがない。

その代わり、石焼き芋の移動販売車を見たことがある。不思議なもので石焼き芋はたい焼きのように、すぐに財布を掴んで、とはいかない。石焼き芋を食べるとお腹が膨

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手紙、という趣味

手紙、という趣味

手紙を書くのが好きだ。

お世話になった人へのお礼の手紙。
誕生日を迎える人へのお祝いの手紙。
なんてことのない日に「最近どう?」という感じでふらっと送る手紙。

手紙というのは、それなりの集中力がないと書けない。
だから家族が外出しているときか、深夜か明け方、皆が寝静まっているときに、あれかこれかと便箋を選び、ペンを走らせる。書いているとどんどん目が冴えてくる。楽しい。

ところで、手紙という伝

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ゆとりをもった休日の過ごし方をしてみたけれど

ゆとりをもった休日の過ごし方をしてみたけれど

休日には、たくさんの予定を詰め込んでしまう。

平日には幼稚園に行っている娘と、休みが不規則な夫。
家族でどこかに出かけるなら、夫の仕事が休みの休日に限る。

「明日は幼稚園休み?」
そう毎日のように聞いてくる娘の期待に応えたく、せっかくの休みには家族で素敵な時間を過ごしたい。

乗り物が好きな娘のために江ノ電に乗りに行こうか。
そして夫の為にカフェ時間も用意して。
もちろん自分が行きたいお店もピ

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好きなことを好きであり続けるための努力をしたい

好きなことを好きであり続けるための努力をしたい

好きなことだから続けられる、というのは、なるほど、その通りと言いたいところだけれど、実はそんなに簡単なことじゃないのかもしれない。

好きなこと、つまり趣味とも言い換えられることで、自分がどれだけのことを続けているのだろうか。

好きなことで、今も続けていることをひとつ、ふたつと数えてみると、片手で数えられるくらいしかない。

好きなことはもっとあったはずなのに、と今は触れていなくても好きなことを

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犬が苦手な私の心配をよそに、娘は犬を追いかけていた

犬が苦手な私の心配をよそに、娘は犬を追いかけていた

友人宅に柴犬がいた。

来客を見てさかんに飛び跳ねているが、犬が苦手な私に気を遣ってか室内に入る扉はぴたりと閉じられている。
普段はベランダと室内を自由に行き来しているようである。

中に入れてもらえないと知ると、くるんと巻いたしっぽがどんどん下がっていった。
悪いと思いながらも、内心はほっとしている。

いつから犬が苦手だったかと記憶をさかのぼると、小学生の頃である。
私が通っていた小学校では登

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夫婦関係は美しいダンスのような関係を築くこと

夫婦関係は美しいダンスのような関係を築くこと

レストランや喫茶店で近くに若い男女が座っていると、不躾ながらついそっと観察して、彼らの交際歴を想像してしまう。

丁寧な言葉遣いと仕草。互いに意識していることがヒシヒシと伝わってくる交際前。
互いのことしか見えていない付き合いたて。
どこかリラックスしつつも、楽しそうな交際歴数年といったカップル。

的外れかもしれない彼らの交際歴を考えては一人で勝手に楽しんでいる。

ところで付き合いたてのカップ

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涙を乗り越えたバレンタインデー

涙を乗り越えたバレンタインデー

バレンタインデーは我が家で最も期待されていないイベントのひとつかもしれない。

「今年のバレンタインは欲しいものある?」と夫に聞くと
「何かくれるの?」と意外そうな声が返ってきた。

そういえば去年はチョコをあげただろうか?
なにもしないことはなかっただろうけれど、記憶には残っていない(だいたい私は物覚えが悪いのだ)。

一昨年は、有名ブランドのチョコを、チョコ好きの姉に教えてもらい、ネットで取り

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2泊3日の入院生活を終えて、SNSを手放した

2泊3日の入院生活を終えて、SNSを手放した

「明日から入院しましょう」
助産師さんにそう言われたのは、出産まであといくばくもないという日のことだった。

「入院」
突然の宣告に驚いて、おうむ返しになってしまう。

「入院と言っても、3日間だけですよ」
こういう事態は日常茶飯事なのだろう。こともなげに助産師さんは告げた。

なぜ急遽入院することになったかというと、血液検査の結果、血糖値が高かったためだ。
いわゆる、妊娠糖尿病である。

妊娠糖

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我が家で毎日食卓にのぼるもの

我が家で毎日食卓にのぼるもの

結婚してから初めて食べたものがある。
ひきわり納豆だ。

いや、初めてというのは嘘だ。納豆巻きを食べたときにそれと意識することなく口にしていたはずだから。
ともかく、これがひきわり納豆なのだとはっきりと自覚して食べたのは、結婚後のことだった。

結婚する前は納豆を好んで食べてはいなかった、と思う。
出されれば食べるけれど、自ら積極的に納豆を手に取ったりはしない。

ちなみに、納豆に対して中間的な立

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産後のウレシイこと

産後のウレシイこと

昨年10月末に2人目の子どもを出産した。

産後1ヶ月間は実家でゆっくりと過ごし、いざ12月に始まった家族4人での生活。

「子どもがいる生活って大変だよ」と1人目の出産のときはあちこちで耳にしたし、実際大変なことも多かった。
2人になったらいよいよ大変さも増すだろうと戦々恐々としていたのだけれど、蓋を開けてみると「意外にも楽」。そう感じることが多い。

そもそも子育てにおける大変さなんて主観によ

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こだわりを捨てたら、家族と過ごすのが楽しくなった

こだわりを捨てたら、家族と過ごすのが楽しくなった

 良かれと思ってやっていることが、実は家族には負担になっているんじゃないか。

 そう気付いたきっかけは、娘への「ちょっと待ってね」という言葉。
「遊ぼうよ」とまとわりつく娘に対して、台所で野菜を刻みながら「ちょっと待ってね」。娘と積み木で遊んでいるときでも、洗濯の終了を知らせる音が聞こえると「ちょっと待ってね」。
 今は子どもと遊ぶ時間!と決意しても、頭の中は次にやるべきことがぐるぐる回っていて

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富弘美術館/弱さをもって人の慰めとする生き方

富弘美術館/弱さをもって人の慰めとする生き方

富弘美術館を目指して、群馬県の美しい山間のなかを車で進んでいた。道すがらぽつぽつと見える民家の様子にどこか懐かしさを感じつつも、実際にここで暮らすとなればどれほど大変だろう。気を抜けば飲み込まれそうな自然のなかで懸命に暮らす人々のたくましい姿を想像した。
車はいよいよ曲がりくねった険しい山道を進んだ。こんなところに美術館があるのだろうかと心配になってきたところで、不意に視界が開けて真っ白な建物が見

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6本の木

6本の木

ゆるやかな勾配が続く砂利道を、ゆっくりと降りていくと見慣れた人影があった。
大家さんだ。
わたしの住んでいるアパートは、公道から脇道に入って少し歩き、同じような形のアパートをいくつか通り過ぎたら、一番どんつきの山を背に立っている建物だ。
周囲のアパートの住人とは、同じ村に住む住人のような感覚で、顔を合わせれば互いに会釈する。しょっちゅう顔を合わせる人もいれば、同じ建物に住んでいたとしても生活リズム

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新しい挑戦よりも、泥臭く努力したいと願う新年

新しい挑戦よりも、泥臭く努力したいと願う新年

神奈川県茅ヶ崎に引っ越してきて、早数年。一番茅ヶ崎らしさを感じる季節はいつだと問われ、冬と答えると意外に思われるかもしれない。それでも、長く過ごしていた関西の底冷えする冬を経験した者にとっては、真冬の季節であるにも関わらず、外を歩けばまるで春を感じさせる暖かな日差しを見ると、これが湘南なのだと一人納得している。

それでも、1月に入ると朝晩は冷えて、思わずエアコンに手が伸びるようになった。
新年に

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