石川 総子/Fusako Ishikawa

ありふれているけれど愛おしい、家族との日常を綴っています/牧師をしている夫と、3歳の娘、0歳の息子との4人暮らし/神奈川県茅ヶ崎市在住

石川 総子/Fusako Ishikawa

ありふれているけれど愛おしい、家族との日常を綴っています/牧師をしている夫と、3歳の娘、0歳の息子との4人暮らし/神奈川県茅ヶ崎市在住

マガジン

  • ちいさいひとのこと

    「お母さん」と呼んでくれる日を楽しみに、今日も在宅で仕事をしながら子どもと過ごしています。子どもの観察、育児関連、子供の遊びなどもまとめていきたいです。

  • 暮らしの記録

  • わたしたちの天路歴程

    イエス・キリストが大好きな夫と、とりあえず新学校で学んでみた妻と、ちいさな子どもたちの、信仰にまつわるお話

  • 会いに行くキリスト教会

    夫の石川有生はキリスト教会の牧師。 どこにでも、誰にでも会いに行く「会いに行くキリスト教会」という活動をしています。そんな夫を近くから、また遠くから見守りながら綴った記録です。

  • 出会った人々のこと

    日々の暮らしの中で、あるいは活動の中でさまざまな人々と出会います。その人々の生き方や想い、そして私自身の想いなどを文章にしました。

最近の記事

夫が娘に本気で怒った夜。理性や意志の力で子育ては変えられるのか。

感情や気分に流されず、理性や意志の力によって生きていけたらどれほどいいだろう、と思う。 特に子どもたちと接していると。 自分のことは自分でできるようになって欲しい。だから食事のときはひとりで食べるように促す。 でもひとりで食べかけたと思ったら「あーんして」と言って膝の上によじ登ってくる。 「ひとりでやってごらん」と言うものの、時間がなくて急いでいるときには焦るように娘の口にスプーンをつっこんでいる。 怒鳴ってはいけない。いくつかの育児本を読んでそう決意するものの、公園で約

    • 移動販売車を待ちわびて。美味しい豆腐との出会い。

      遠くから音がする。 移動販売車の音だ。遠くからでも聞けばすぐにわかるのは「およげ!たいやきくん」で、かの曲が聞こえてくると条件反射で財布を掴んで外に飛び出していきたくなる。 現在住んでいる地域では、「およげ!たいやきくん」を聞いたことがない。 その代わり、石焼き芋の移動販売車を見たことがある。不思議なもので石焼き芋はたい焼きのように、すぐに財布を掴んで、とはいかない。石焼き芋を食べるとお腹が膨れてしまい、つい食事の前に食べてしまうと次が入らない、ということになりかねない。

      • 秋の訪れと日の目を見たソファーカバー

        我が家に緑色のソファーがある。 結婚を前に身ひとつで京都から神奈川にやってきた当日に、夫と量販店で買った。 確か、3000円くらいだったと思う。いや、3000円は言い過ぎで、5000円くらいだったかもしれない。 緑と言っても、新緑のような鮮やかな緑ではなく、夏が終わり秋に差し掛かる、丁度今のような季節の木葉のような、茶色がかった緑色だ。 2人がけとは言え、大人2人が座れば少し狭いこのソファーを4年以上使っている。 決して快適というわけではない。それでも夫は毎日のようにその

        • 私の「隣人」とは、私の子どもたちのことだった

          聖書の中に、「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい」という言葉がある。 キリスト教会では何度も耳にした「隣人」という言葉。 りんじん。 なんて不思議な距離感を持った言葉だろう。 あなたの夫とか、あなたの妻とか、あなたの両親とかはっきりと言ってくれればすぐにわかるのに、どうしてそんな、奥歯に物が挟まったような言い方をするのだろう。 隣人と聞くと、すぐに思い浮かぶのは「お隣さん」である。 私が住んでいる賃貸アパートには、ベランダがついている。横並びの二部屋分の長さがあるの

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        記事

          手紙、という趣味

          手紙を書くのが好きだ。 お世話になった人へのお礼の手紙。 誕生日を迎える人へのお祝いの手紙。 なんてことのない日に「最近どう?」という感じでふらっと送る手紙。 手紙というのは、それなりの集中力がないと書けない。 だから家族が外出しているときか、深夜か明け方、皆が寝静まっているときに、あれかこれかと便箋を選び、ペンを走らせる。書いているとどんどん目が冴えてくる。楽しい。 ところで、手紙という伝達手段はどのように始まったのだろうか。 手紙は、メソポタミア文明や古代エジプト

          結婚記念日に、互いに本を贈り合う

          一冊の本との出会いには、どのようなエピソードがあるのだろう。 我が家の夫の仕事部屋には、壁を埋めるように4つの本棚が置かれている。 その本棚に所狭しと並べられている本を眺めていると、その本を買うに至った経緯や、そのときの心情などが思い出されることがある。 子育てが辛くてたまらないとき、藁にもすがる思いで注文した育児書。 映画が大好きで、小説にも手を出したけれど一度は挫折し、大人になってから読み通した指輪物語。 神という存在を信じよう、その決断のきっかけになったドストエフス

          結婚記念日に、互いに本を贈り合う

          わが子に、イエス・キリストについて伝えたい

          自分の子どもたちにも、イエス・キリストのことを伝えたい。 ぼんやりと、そう考え始めた。 今年の初めの頃だ。 私も夫もクリスチャン。2人とも大学生の頃にイエス・キリストについて聞き、信じてクリスチャンとなった。 自分にとって大切な存在は?と聞かれたら、家族と答えるだろう。それから友人、出会った人々…。 でも、自分を救ってくれた存在、自分の生き方の指針となってくれた存在は?と考えると、答えは自ずとイエス・キリストに行き着く。 そう考えると、イエス・キリストというのは私にとって

          わが子に、イエス・キリストについて伝えたい

          ゆとりをもった休日の過ごし方をしてみたけれど

          休日には、たくさんの予定を詰め込んでしまう。 平日には幼稚園に行っている娘と、休みが不規則な夫。 家族でどこかに出かけるなら、夫の仕事が休みの休日に限る。 「明日は幼稚園休み?」 そう毎日のように聞いてくる娘の期待に応えたく、せっかくの休みには家族で素敵な時間を過ごしたい。 乗り物が好きな娘のために江ノ電に乗りに行こうか。 そして夫の為にカフェ時間も用意して。 もちろん自分が行きたいお店もピックアップして…。 家族それぞれを満足させるようなプランを立てていると、ついつい

          ゆとりをもった休日の過ごし方をしてみたけれど

          好きなことを好きであり続けるための努力をしたい

          好きなことだから続けられる、というのは、なるほど、その通りと言いたいところだけれど、実はそんなに簡単なことじゃないのかもしれない。 好きなこと、つまり趣味とも言い換えられることで、自分がどれだけのことを続けているのだろうか。 好きなことで、今も続けていることをひとつ、ふたつと数えてみると、片手で数えられるくらいしかない。 好きなことはもっとあったはずなのに、と今は触れていなくても好きなことを思い出してみると、やっぱりちゃんと好きなことはある。 映画を観ること。音楽を聴

          好きなことを好きであり続けるための努力をしたい

          「一緒に楽しめる人」になりたい

          夫の長所は?ともし聞かれたら、「美味しそうにごはんを食べること」と答えたら彼に失礼だろうか。 テーブルに食事の準備がされるや否や、いち早く椅子に座り、他の家族も座るように急かす。そして、いただきますが終わると「おいしい、おいしい」と言いながら誰よりも早く、そして誰よりもたくさん食べるのだ。 それなのに、喋る口も決して止まることなく、家族に話題と笑いを提供してくれるのも大抵夫なのだった。 そんな夫が共に食事の席にいるときは、3歳になる娘もよくごはんを食べる。 普段はどちらか

          「一緒に楽しめる人」になりたい

          よごれた服

          我が子は可愛い。 しかし、口でどんなに可愛いと言い、心で思っていたとしても、ふとした瞬間に「子どもよりも、結局自分が可愛いのだ」と悟って恥入る時がある。 分厚い雲の広がる午後のことだった。 数日前から雨が降ったり止んだりを繰り返し、その日も午前中は雨が降っていた。 公園で遊びたい娘はひっきりなしに窓ガラス越しに空を眺め、午後になってようやく雨が止んだことを知るやいなや、「公園に行こう!」と叫んだ。 予報は、その日の午後は雨が降らないと告げている。 娘に靴を履かせ、共に家

          犬が苦手な私の心配をよそに、娘は犬を追いかけていた

          友人宅に柴犬がいた。 来客を見てさかんに飛び跳ねているが、犬が苦手な私に気を遣ってか室内に入る扉はぴたりと閉じられている。 普段はベランダと室内を自由に行き来しているようである。 中に入れてもらえないと知ると、くるんと巻いたしっぽがどんどん下がっていった。 悪いと思いながらも、内心はほっとしている。 いつから犬が苦手だったかと記憶をさかのぼると、小学生の頃である。 私が通っていた小学校では登校班というものがあり、近隣の子どもたちと互いに待ち合わせて一緒に学校へ向かう。

          犬が苦手な私の心配をよそに、娘は犬を追いかけていた

          毎朝の掃除が習慣になって、家への愛着が深まった

          全く定着しなかった習慣もあれば、長く続けられた習慣もある。 定着しなかった習慣は、数え上げるとキリがないが、最近これは続いていると言えるものがひとつだけある。 それは朝の掃き掃除と雑巾がけだ。 なんだ掃除か。当たり前のことじゃないかと思われるかもしれない。そう、当たり前のことなのだけれど、想像したよりもこれが良かった。 それまでは、汚れが気になった時にその都度床に掃除機をかけていた。 数年前に人からいただいたコードレスの掃除機が驚くほど便利で、コードを引っ張りまた引っ

          毎朝の掃除が習慣になって、家への愛着が深まった

          夫婦関係は美しいダンスのような関係を築くこと

          レストランや喫茶店で近くに若い男女が座っていると、不躾ながらついそっと観察して、彼らの交際歴を想像してしまう。 丁寧な言葉遣いと仕草。互いに意識していることがヒシヒシと伝わってくる交際前。 互いのことしか見えていない付き合いたて。 どこかリラックスしつつも、楽しそうな交際歴数年といったカップル。 的外れかもしれない彼らの交際歴を考えては一人で勝手に楽しんでいる。 ところで付き合いたてのカップルというのは、誰が見てもそうとわかるような雰囲気を醸し出しているものだ。 2人だ

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          低温殺菌牛乳を飲んで、驚いた

          低温殺菌牛乳をご存知でしょうか? それはひときわ値段が高いがゆえにか、なかなか手を伸ばしづらく、たいていのスーパーでは陳列棚の片隅に追いやられている牛乳のこと。 話は変わり、とある友人が我が家に遊びに来てくれたときのことだ。 食事も終わり、何かデザートをというときになって、夫がびわの実を取り出した。 だいだい色をしていて、ピンポンボールよりもやや小さい丸い形をしている、あのびわの実だ。 友人は「びわの実なんて食べたことがない」と目を丸くした。 決してスーパーでは並ばない

          低温殺菌牛乳を飲んで、驚いた

          人は「苦しみ」に複雑な理由をつけようとするけれど

          現在生後4ヶ月になった息子は、生まれたときから母乳をよく飲んだ。 2人目とあって乳腺の開通がよいお陰もあるかもしれないが、毎度授乳の度に「もうお腹いっぱい。これ以上飲めねえや」という感じになるまで飲んでいる。 生まれたときには2500gそこそこしかなかったのに、1ヶ月を過ぎた頃には2倍の5キロを超えていた。大人も同じように体重が増えたら…と考えると恐ろしい成長スピードである。 そんな健康優良児の息子に試練が訪れたことがある。 ある夜、泣いているのでいつものように授乳を

          人は「苦しみ」に複雑な理由をつけようとするけれど