正覚寺 裕然(うらにわ丹波守)

奥三河の城や歴史を調べています。古宮城の整備活動や各地の史跡整備ボランティア活動もしています。

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最近の記事

中世東海道の風景って、どんな感じだったのか?

 古本とカフェ、というオサレな店に行った際、歴史関連の本が充実していて歓喜する。その時、ふと目に入ったのが榎原雅治氏の『中世の東海道をゆく 京から鎌倉へ、旅路の風景』(中公新書)です。帯に「鎌倉時代中頃、旅人の目の前にはこんな景色が広がっていた」と、ありました。城だ戦だ暗殺だなんだと歴史のことが気になりますが、風景ってあまり気にしたことないですが大事。こんなところに城?と、今見ても、当時は海が近くまで来ていた、となれば意味が異なってくる。風景を具体的に考える助けになるなら、と

    • 「謎の大王 継体天皇」を読んでみる。

       一度読んでしまいっぱなしの本を改めて発掘して読む自分キャンペーンを実施中。論文はちょっと休憩中。今回は、水谷千秋氏の『謎の大王 継体天皇』(文春新書)です。そもそも継体天皇って誰?という方も多いでしょう。音だけ聞くと「ケータイ天皇?」と、古代の髪型した人が携帯で話してるシュールな絵面が頭に浮かんで離れません。 謎多き継体天皇 この方は古代史です。応神天皇五世孫で越前三国(福井県)に住んでいた男大迹王。後継のいない天皇家に急遽迎え入れられ、即位して継体天皇となったものの、し

      • 文殊山城と塞ノ神城を縦走する。その②塞ノ神城

        塞ノ神城 塞ノ神城は、来歴不明な城だとか。作手領主奥平氏がやってくる前の米福長者時代の城だとか、あるいは、武田氏の傘下に入った際に築かれたとか、さまざまな言い伝えはあるようですが、はっきりしたことはわからない、ということだそうです。(by現地案内看板)  文殊山城を降りて尾根筋を歩いて行くと塞ノ神城へ繋がっています。この時点で12時30分頃。古宮城整備活動ご参加の顔馴染みの方から着到状況の連絡が入るやも、と、思いスマホを見ると、なんと「圏外」。電話もLINEも繋がらない。

        • 文殊山城と塞ノ神城を縦走する。〜まずは文殊山城〜

           10月19日(土)の午前と午後で新城市作手の亀山城と古宮城の整備活動を行ったのですが、途中で昼食を取っても時間があまる。1時間くらい。さて、どうしたものか…。その時、ふと頭に閃く。  「そうだ、城行こう。」  この付近には城が集中してます。文殊山城と塞ノ神城の2城が古宮城の西にある山の尾根の両端にあり、両城の中間地点の麓に領主の屋敷があったようです。昔は詰めの城として機能していたのでしょう。どちらも技巧に富んだ造りで見応えがあります。1時間で山に登って尾根を縦走できるの

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        • 論文読んでみた
          24本
        • 東三河の城
          27本
        • 古宮城(愛知県)の整備活動
          12本
        • 長篠・設楽原の戦い
          13本
        • 体力歴史街道
          9本
        • 極寒の水鉄砲合戦in設楽城
          5本

        記事

          フロイスの見た戦国日本てどんな日本?

           以前、戦国時代の日本を訪れた中国人について書かれた本をご紹介しました。  今回は、西洋人フロイスが見た戦国日本についてご紹介です。著者はフロイスの『日本史』の完訳を書いた川崎桃太氏。フロイスの『日本史』のダイジェスト版として書かれたのが本書です。 フロイスの日本史とは イエズス会の宣教師フロイスは、1563年(永禄6年)に31歳で九州に上陸し、1597年(慶長2年)に長崎で65歳でなくなる間、日本に関する報告書を残しました。詳細かつ具体的な描写で有名です。例えばにおいに

          フロイスの見た戦国日本てどんな日本?

          石田城で整備ボランティア始まったって!

           長篠の戦いの場所となった愛知県新城市(しんしろし)。新しく城を作って新城(しんじょう)と呼んでいたら、更に新しい城ができて新城(しんしろ)と呼び、現在の市の名前になってます。亀山城、古宮城だけでなく、野田城や大野田城などでも整備活動が行われる中、とうとう石田城でも2024年10月20日(日)に整備活動ボランティアが始まりました!  石田城?  という人の方が圧倒的に多いと思います。石田城は戦国時代後期、徳川家康が関東へ国替になった後、池田輝政が東三河に配置された際、家老の

          石田城で整備ボランティア始まったって!

          2024年古宮城の整備活動を行いました!

           2024年10月19日(土)午後1時30分から、毎年恒例となっております愛知県新城市作手地区にある続100名城「古宮城」の整備ボランティア活動が開催されました!今年で13年目12回目(一回コロナで休止)。  晴れ間すら見えた午前の亀山城整備とは打って変わり、雨が降り始める…。そんな中、続々と集まる参加者。なんと今年は埼玉県から新たな参加者Kさん始め、4名も新顔さんが。遠くは越後上越、伊勢桑名、遠州袋井、尾張名古屋、美濃恵那などから常連さんも駆けつけてくださり、総勢21名で

          2024年古宮城の整備活動を行いました!

          亀山城の整備ボランティアに参加してきた

           2024年10月19日(土)に行われた新城市作手地区にある亀山城の整備ボランティアに参加してきました!  と、言いましても、地区外なのと残業続きだったことで集合時刻の9時には到着できず、9時45分くらいに到着したところ、  「もう終わるよ〜。」 とのこと。そもそも、9時より早く作業はスタートしていた様子ですし、今日より前に結構草刈りなどしてあって、そんなにガシガシやらなくても良い状況になっていたそうです。  「疲れた顔して座っとりゃ、良いに。」 と、いう温かいお言葉を頂き

          亀山城の整備ボランティアに参加してきた

          雨天時の古宮城整備活動について

          2024年10月19日(土)の13時30分から15時00分までの間、今年も古宮城の整備活動を行います! よほどの大雨でない限り中止にはなりません。(木立に覆われているので多少の雨は降り込まず作業できます。) なお、中止になる場合、19日(土)の6時半頃に、このnote に中止連絡を掲載します。 当日は、虫や笹などから身を守るため、長袖長ズボン、作業しやすい運動靴、頭を保護する帽子、軍手等手袋の着用を推奨しています。 また、熊手や草刈機等をお持ちの方は持参していただければ幸

          雨天時の古宮城整備活動について

          戦国日本を見た中国人の話を読む

           本の積読が多くて勿体無いので本買うのを控えていたのですが、待ち時間を潰すため久々に本屋へ行く。当てもなくぶらぶらと背表紙を眺めていると目に入ったのがこの本。上田信氏の『戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む』です。  戦国日本の状況といえば西欧の宣教師の報告が中心ですが、中国人の目から見た日本の報告もあるよ、という内容に惹かれ、何か面白いこと書いてないかと購入してみました。 日本一鑑とは? 1550年代、中国沿岸を荒らしまわった倭寇。明では日本人のステレオタイプ

          戦国日本を見た中国人の話を読む

          吉田城の堀さげ隊に参加してきました。

           2024年10月5日(土)の午前10時から、「吉田城の堀さげ隊」に参加してきました。愛知県豊橋市にある続100名城吉田城の堀内の清掃活動です。前日から大雨が降っており開催が心配されましたが、主催の方々の日頃の行いが良いことが証明され、開催時間は晴れ間が除く天気に。  主催のまーちゃんさんから注意事項の説明があり、その後、東三河の旗頭酒井忠次様から清掃活動出陣に向けた鬨の声と法螺貝が鳴り響く。いよいよ堀の中に入っていきます。  堀の中は濡れた落ち葉と折れた木の枝がいっぱい

          吉田城の堀さげ隊に参加してきました。

          朝倉宗滴の自負と卑屈

           母親の死去に伴い実家の片付けなどしすると、物が多くて大変。自分も整理しなければ、と、古い服や過去の資料などを廃棄。返す刀で大量に蓄積した本を売る。ただ、積読の本をそのまま放出するのは勿体無いので、通勤時間に読んでたのが石井進氏の『中世武士団』(講談社学術文庫)です。 鎌倉殿の十三人の功績 この本、曾我物語からスタートします。しかし、鎌倉時代は、さまざまなゲームや漫画になってる戦国時代より馴染みが薄く読んでもイメージが湧かなかったので積読になっておりました。  これを打破し

          ボランティア×ツーリズムについて整理する

           新城市作手地区にある古宮城が好きすぎて、地元の方たちと共に史跡の草刈をしているうちに名古屋から奥三河に移住してしまった私。最近では全国各地で同様の史跡整備活動が盛んになり、貴重な地元の話が聞けたり、参加した歴史好きが繋がったりと素晴らしい経験ができるようになりました。で、ふと思う。  こういうことを研究してる論文てあるのか?  ということで手始めにボランティアツーリズムでGoogle scalarを検索して、一番最初に出てきた論文が今回ご紹介する依田真美氏の「ボランティアツ

          ボランティア×ツーリズムについて整理する

          講談社学術文庫「本願寺」を読む

           久々に趣味の歴史本を読もうと積読になってた本を引っ張り出す。井上鋭夫氏の「本願寺」(講談社学術文庫)です。  真宗が誕生から宗教集団として封建的な制度を構築し、権威主義的になっていく過程を追っています。鎌倉から明治までをわずか300ページ弱で概観する脅威の本。1966年のものだけあって、思想的に権威主義、封建主義に批判的な視点を持っているようにも感じられ興味深い一冊です。 読書の動機 戦国時代の歴史では、本願寺があちこち顔を出す。石山本願寺と信長、百姓の持ちたる国加賀一向

          講談社学術文庫「本願寺」を読む

          今年も武田の騎馬隊を迎え撃つ準備してきた

          今年も2度目の陣触れが来た。 前回は体調不良で参戦できなかったので、今回は、と、覚悟を決めていたところノロノロ台風10号のせいで中止に。。。と、翌週9月7日(土)に再度陣触れが。 と、いうことで今年も参加してきました。 暑さがまだまだ厳しいため、体調に十分気をつけて事故怪我のないようにしましょう、との訓示。いずれもベテラン勢のため、阿吽の呼吸で動き出す。日程がズレたこともあってか、地域外参加者は私一人でした。 雨と暑さで草も結構伸びてます。馬防柵の最下段の横木のあたりまで生

          今年も武田の騎馬隊を迎え撃つ準備してきた

          長距離通勤が苦痛なことを調べた論文はあるのか?

          長距離通勤は苦痛なのか? 何故自分が論文読んで感想書いてるかと言えば長距離通勤者だから。この4月から片道2時間を超えてます。往復4時間半くらい。この時間が勿体無いので始めた習慣が論文読んで書く、です。都会の勤務が嫌で大好きな城のある田舎に引っ越したのですが、再び名古屋勤務になり、辞めるほどの能力もないので我慢してます。  たまには毛色の変わった論文を読んでみようと思い、長距離通勤がテーマの論文てあるのか?と、Google scalarで検索したら、あった…。なんでも研究になる

          長距離通勤が苦痛なことを調べた論文はあるのか?