凄い!梅干しパワー
今回は、梅干しを食べ続けたときの健康効果について、
科学的根拠に基づいて説明していきます。
食が多様化している現代では、梅が選ばれづらくなっているらしく、
総務省の調査によると、1世帯あたり梅干しの年間消費量は、
2002年に1キロ以上あったのが、2021年は658グラムで、
およそ4割減少しているようです。
食の欧米化や減塩志向の影響で、素朴な食べ物はどんどん敬遠されて
いるのかもしれませんが、梅干しは昔から日本人が食べてきた
食品だけあって、科学的検証をすると驚くべき効果が
次々と確認されています。
今回の内容を通して、改めて梅干しのすごさを知って
いただきたいと思います。
味は確かに良いとは言えませんが、値段が安くてこれほどの健康効果が
あるのなら、30代以上は食べないと損です。
驚異の抗がん作用!
まず紹介したいのは、癌(がん)予防効果です。
梅干しは古くから日本の食卓に並び、健康維持や食欲増進に
役立つ食品として知られている一方で、実は最近では
癌予防効果についても注目されています。
梅干しには抗がん作用があるとされる多くの成分が含まれていて、
その中でも特に注目されているのが
・ポリフェノール
・バニリン
・クエン酸
・梅肉エキス です。
こういった成分が、活性酸素の発生を抑えて細胞の酸化ダメージを
減らすということが分かっています。
細胞の酸化というのは癌の発生に深く関わっている原因の一つなので、
これを防ぐことによって癌予防に繋がるとされています。
毎日1個の梅干しを長期に渡って食べ続けることで、癌のリスクを減らす
可能性があるという研究結果があるので紹介します。
2013年に行われた研究では、梅干しに含まれるポリフェノールが
大腸がん細胞の増殖を抑制することが確認されています。
この研究では、ポリフェノールが癌細胞のアポトーシス(自滅)を促進する
働きがあるということが確認されたので、梅干しの摂取によって
大腸がんのリスクを低減する可能性が示唆されたのです。
また、梅干しに含まれているもう一つの重要な成分が
バニリンと呼ばれるものです。
バニリンは梅干しの独特な香り成分であり、脂肪燃焼を促進する効果が
知られているのですが、癌細胞の成長を抑制する効果もあることが
確認されています。
2016年の研究では、バニリンが癌細胞に対して強力な抑制効果を持ち、
癌細胞の分裂を妨げるということも分かりました。
この結果、梅干しを日常的に摂取することで癌のリスクを
減らせることが期待されています。
また、梅干しには強力な酸味成分であるクエン酸も含まれています。
クエン酸はエネルギー代謝を活性化させて、体内の酸化ストレスを
減らしてくれる効果があります。
酸化ストレスは細胞の老化や癌の発生に大きく関与していますから、
これを抑えることはガン予防の重要な要素の一つです。
さらに、クエン酸は体内のクエン酸回路を活性化させて、老廃物の排出を
促進するだけではなく、アルカリ化作用によって
体内のphバランスを整えてくれます。
癌細胞というのは酸性の環境を好みますから、クエン酸を摂取して
体内をアルカリ性に保つことで、癌細胞が生存しにくい環境を
作ることができます。
そして、梅肉エキスはピロリ菌を抑制する効果を持つため、
胃がん予防に効果的だということが分かっています。
ピロリ菌は、胃の粘膜に感染して慢性炎症を引き起こすことで
胃がんのリスクを高めてしまいます。
日本を含む多くの国でピロリ菌感染が広がっていて、
その予防や治療が重要視されていますが、梅干しを食べることで
胃がん予防ができるというのは素晴らしいことです。
2011年に行われた研究では、梅肉エキスがピロリ菌の増殖を抑えて
胃の粘膜を保護する効果が確認されています。
このように、梅干しには癌に対抗するための栄養素が
一粒にたくさん詰め込まれているのです。
老化スピードがダウンする!
梅干しには老化防止効果があるということも分かっています。
老化防止効果がある食材は様々ありますが、その中でも梅干しには
素晴らしいアンチエイジング効果があります。
梅干しに含まれている梅リグナンは、非常に強力な抗酸化物質として
知られていて、老化の原因となる活性酸素を速やかに除去して
くれる効果があります。
これによって肌のハリや弾力を保ちながら、老化によるダメージを
最小限に抑えることができます。
実際にいくつかの研究では、梅リグナンなどのポリフェノールの摂取が
肌のしわを減少させて、弾力を回復させる効果が
あることを確認しています。
また、活性酸素は動脈硬化や心筋梗塞の引き金になってしまうなど、
見た目の老化だけではなく、体内の老化や病気とも
深く関係しています。
梅リグナンを摂取して活性酸素を定期的に除去すれば、見た目の若々しさや
体内の健康も保つことができるので、健康寿命が延びる効果も
期待できるのです。
ストレスというのは老化や病気を促進する大きな要因の
一つですが、梅干しにはストレスを軽減する効果もあるので、
老化予防になります。
日常生活の中でストレスが積み重なっていくと、体内でコルチゾールという
ストレスホルモンが分泌されて、細胞の老化を加速させてしまいます。
特に、慢性的にストレスを感じている人は要注意で、慢性的に高いレベルの
コルチゾールが分泌されていると、細胞の老化がどんどん促進されて
しまいますから、ストレスによって細胞レベルで老化してしまうことが
実際に分かっています。
2010年に発表された研究では、慢性的なストレスに晒された場合は
テロメアが短縮されてしまうことが確認されました。
テロメアというのは染色体の末端に存在していて、細胞分裂の時には
重要な役割を果たすものですが、これが短くなると
細胞の老化が加速すると知られています。
ストレスと早期老化に関する研究では、心理的ストレスが心血管疾患や
認知機能の低下など、老化に関連する健康問題を引き起こすと
いうことが明らかにされています。
たとえば、慢性的な心理ストレスが心血管系の老化を促進して、
動脈硬化や高血圧のリスクを高めるという結果が報告されているので、
「老化したくない」とか、「病気になりたくない」と思うのであれば、
ストレスを溜めない生活を心がけることが重要です。
梅干しの強い酸味によって唾液が大量に分泌されますが、唾液には
リラックス効果をもたらす成分が含まれています。
特に梅干しを日常的に摂取することは、心と体の健康が保たれて
アンチエイジングにも繋がると考えられているのです。
血糖値の上昇を抑えてくれる!
アンチエイジングという観点から言うと、梅干しは血糖値の上昇を
抑える効果を持っています。
血糖値の急上昇は全身の血管に負担をかけていて、動脈硬化や血栓の形成を
促進するとともに、信じられないスピードで私たちを老化させ、
余分な糖分は中性脂肪へと変わっていきますから
ブクブクと太ってしまいます。
ですが、2010年に行われた日本の研究では、梅干しに含まれるクエン酸に
血糖値の上昇を抑える効果が確認されています。
クエン酸は食後の炭水化物の消化吸収を緩やかにして、血糖値の急上昇を
防ぐ効果があると確認されました。
これによって、食後のインスリン分泌を過度に刺激することなく、
血糖値の安定を図ることができます。
血糖値の乱高下を引き起こすのは、砂糖とか白米などの
精製された(白くなった)炭水化物ですから、ご飯のお供に梅干しを
一緒に食べれば血糖値の急上昇を防いでくれます。
また、梅干しに含まれるオレアノール酸というポリフェノールも、
小腸において糖の吸収を抑える効果があり、血糖値の上昇を
緩やかにしてくれる栄養素です。
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