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わすれない

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#エッセイ

トラウマと向き合う精神科医

トラウマと向き合う精神科医

『樹をみつめて』中井英夫

『樹をみつめて』は精神科医が書いたエッセイで読みやすいのだが、ただエッセイとするには専門用語やその世界では有名な精神科医が出てくるので、わかりにくいところはある。最近の話題で「トラウマ」ということを取り上げているので興味が持てる。

「樹をみつめて」は樹木についてあれこれと。樹木は動けないし痛みを受けても何も言わないのでなすがままという感じだが(トラウマになる人の状態に

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panpanyaしたくなる

panpanyaしたくなる

panpanyaが面白すぎるよー。

やっと一つ大仕事が終わりまして、今日は小休憩を午前中だけとって、panpanyaやスーパースターを唄ってやそら頭はでかいです、世界がすこんと入りますを読みながら喫茶店でモーニングを食べて、午後からはせこせこ頑張っておりました。
一日通して、虚脱の雨、童謡の虚無虚無プリンを受け流す。そんな時間でございました。

大仕事は卒業のための論文でして、自然科学分野として

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共同性を薄めるための距離

共同性を薄めるための距離

忙しいアピールをしたくないものの最近忙しすぎるため、あまり考えずにとりあえず書いてみる。

4年ほど前くらいから学校の心理士のカウンセリングにお世話になっていて、次の面談が最終回みたい。
何を話すのがいいのだろうと思いながら前回の面談で話したことを思い出してみるとーーそれはたくさんあるのだけれどーー自分は自分のことがそれなりに好きであるし、自分視点で自分が会った中で一番自分が賢く、その賢さはベスト

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人知れずおそらく早く止まってしまう予感のする夜に

人知れずおそらく早く止まってしまう予感のする夜に

羊文学と燃やしたい幽霊燃やせない幽霊みたいなこととを突き合わせてみて視力検査的な文章を書いてみるつもりだった夜に襲われた耳鳴りには心覚えがあった。

人が夜の散歩でしか外に出れなかった時期に、初めて買ったメーカーズマーク(それはまた後日Enterボタンを押すためだけに使われる運命にある)を飲みすぎてしまって、楽しみにしてたとろろ昆布ラーメンを友達だけに食べさせてしまったこと、今はもうない喫茶店に漂

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かしょぶんじかん

かしょぶんじかん

さめざめすきなもの、
苔、飴、粗目、調べ、折り目、
サイゼハンバーグ、単品、
てんぽらりーもだんな並、
イオンの椅子、臭い、
杖無い、眼鏡無い、声無い、
ぱんぱんのビニール袋、臭い、
高架下、煮付け、自転車、パクチー、
覚えられない犬種、
空間、遠い、共生感、
最後のコーンたべてとろとろ、入らず、
溶解の街、高架下、猫戻って、
叫べなんて、あおきどり、しろ崩れて、
弱ないで、さぎ、やめた、辞めて、

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当たり前に壊れていて、当たり前だから壊れていない

当たり前に壊れていて、当たり前だから壊れていない

私は楽しい感覚を持っている。
私は楽しい感覚を持っていた。

私はたぶん日常的感覚を持っている。
私はたぶん日常的感覚を持っていた。

私はきつねうどんとたぬきうどんを区別できない。
私はきつねうどんとたぬきうどんを区別できなかった。

私はタバコを吸っている。
私はタバコを吸っていた。

私はXXXをしている。
私はXXXをしていた。

私がXXXな性癖を持っていると書いたとして、
本当にXXX

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【エッセイ】『新潮新人賞の最終候補になると何が起こるか日記』

【エッセイ】『新潮新人賞の最終候補になると何が起こるか日記』

栗山真太朗です。今日もこつこつ小説を書いてます。こつこつ。
ありがたいことに2024年5月に開催しました「文学フリマ東京38」で初売りとなりました初のエッセイ『新潮新人賞の最終候補になると何が起こるか日記』が同年8月現在も好評をいただいています。想像以上の売れ行きで嬉しい悲鳴です。
拙作ですが、文芸出版関係者や公募勢のみならず、何かをがんばっている人、がんばろうとしている人にも面白い読み物になった

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父と母

父と母

さきほど家族旅行が終わった。
家族から解放されたことで、離れられたことからの安堵感とともに寂しさが少しだけ身体に残っている。
そのままビールを口に含み、枝豆をつまみながらこの文章を書く。

いつもと違い普通の日記というものをただの日々の振り返りと呼べるようなものを書きたくなった。これまでの自分の文章はそのような普通の文章がなかったように思う。
それは自分の嗜好ゆえにポップなもの、つまり、なんとなく

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不思議な顔

不思議な顔

さいきんいそがしくかんじるような日々をすごしています。それだからか体がなんだかままならないばかりで右手をつかおうとすると左手はぴくりともうごかないみたいなふうですし、昨日は頭がいたいし呼吸が少しあさくってなんかもうだめだなって家にかえって、それから12時間もねていたのに、今日もおなじようなかんじでぼーっとしながら電車にゆられています。しゃーー、きゅーーいんっみたいなのが耳をつうかしていきます。いつ

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