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入らずの森の梟の王②
その入らずの森に、今一人の人間が入ってきました。その姿はボロボロで、まるで獣の様でもあります。
その者が獣に見えたのは何も身なりからではありません。よたよたと歩く姿が人間の歩行よりも猿かなにかが馴れない二足歩行をしているようにフラフラと歩き、時には四つん這いで這うように動いています。
しばらくしてその者が大きな木の幹に体を預けるように、太くてしっかりした木の根に寄り添うようにその場で
入らずの森の梟の王①
静かな森に響き渡る、王たる梟の声。
闇夜に隠れていても、金色の瞳で見つめてる。
我らの森に入り込むな、この森、汚されてなるものか。
ホー、ホー
森の主
ホー、ホー
闇の王
森に近づく者は、取って食おうか。
我が森に近づくな、命惜しければ。
森を穢すものは、引き裂いてしまおうか。
我が森に近づくな、命惜しければ。
これは遠い国のとある村に伝わる童歌(わらべうた)。 誰かが言い出