今回、自作の作品を置いておく場所としてnoteを使い始めました。 基本的に朗読配信などで個人的に使いたいものを書いて置いておくつもりです。 正直、誰かの目に留まるかは分かりませんが、気が向いた時に書いて、作品を増やしていこうと思ってます。 一応、作品としてはフリーですが、ご利用頂くなら以下の事を守って欲しいです。 お願い ・@SPOONet3303のTwitterアカウントまで報告して頂きたいです。 ・作:タニーさんと分かるように明示して欲しい。 ・作品のページか、タニーの
寝かしつけ 「おじいさん、私ね。」と彼女は少女のように目を輝かせて話す。 大好きな男性がいる事。春に花見をした事。夏に浴衣で祭りに行った事。秋には紅葉を見に行った事。冬には雪の中で手を繋いだ事。いつも神社で2人の幸せを願った事。 そんな事を毎日、彼女は幸せそうに僕に話す。 「いつまでもあの人と一緒に居たい。でも、今日は会えなくて寂しい。」と呟く。 彼女を寝かしつける。明日も同じ話を聞くだろう。 もう何十年と続いている。 ご利用の際のお願い ----------
はじめに投稿するの忘れてたついでに加筆修正してみた。 後半に元バージョンや企画にも出てたのでその時のバージョンも載せておきます。 みんな帰ったら ピロン、と通知がなる。彼女からのメール。 学生の頃はスマホなんかなく、ガラケーだった。だからSNSが普及したにもかかわらず、もっぱら彼女とのやり取りはメール。 その彼女のメールには「今度そっちに行くから遊ぼう」と記されてあった。 彼女は学生時代に憧れていた女性で、クラスのみんなから好かれていた。クラスのマドンナ、というの
初めに配信アプリのSPOON内企画 「200文字文庫Just」にてボツにした作品です。 朗読用のフリー台本となっております。 ご利用の際はこちらをご一読お願いします。 隠し事 「女の子から隠し事を取ったら何も残らないわ。」と言ったのはアニメのセリフだ。 なるほど、確かにな。 今目の前にいる女は隠し事をして、そして綺麗になっていった。新しい服、新しい香水、化粧の仕方も新しくなり、どんどん見た目が変わっていく。 その秘密が一つ一つめくれて行くごとに女は新しい恋人、社会的
2023年SPOONのCAST企画。 声で彩るストーリー4にて書き下ろした短編のなぁぜなぁぜ?です。
はじめにSPOONで行われた白在ハクアさんの「令和夢十夜」に書き下ろした作品になります。 フリー台本となりますので読んで頂けると嬉しいです。 クレジットに「作タニーさん」もしくは「作タニー」を入れて頂くようお願いします。 また、利用報告頂けると喜びます! 「雪の中」 こんな夢を見た。 自分は雪の降る中を歩いている。ザッザッと歩く度に雪を踏みしめる音が、しんとした中に聞こえてくる。夜の闇の中を背中に弟をおぶって自分は歩いていた。 弟は風邪だと思うがかなりの熱を出していた
初めにこちらは配信アプリSPOONの自主朗読企画「サヨカラ物語」用に書いた作品になります。 フリー台本となってますので、ご利用の際には作者クレジット「タニーさん」をつけて頂きますようお願いします。 「小判鮫」 小判鮫。 それがいつしか私に付いたあだ名。 いつも私はアキちゃんの後ろをついて走っていた。アキちゃんは小さい時からのお友達。 男の子に負けないくらいお転婆で、元気が良くて、私には眩しくて仕方なかった。 いつも向日葵みたいな笑顔で、走るのが大好きで、す
ビタ恋の雰囲気伝えたくて書いた作品。 575調に書いてます。 ---------------------------------------------------------------- こちらは朗読用に書いたフリー台本です。 ご利用の際には以下のページを一読お願いします。 本文
最初に 配信アプリ「SPOON」にて行われた自主企画。 「ビターな大人の恋物語」用に書き下ろした作品になります。 サムネ:photoACよりshellisan様の作品 ---------------------------------------------------------------- こちらは朗読用に書いたフリー台本です。 ご利用の際には以下のページを一読お願いします。 「ギフト」 鏡の前に立つ。ほうれい線や目尻の小じわが目立つようになってきた。そんな
ハロウィンの夜に 今夜は月が綺麗だ。 人間たちは何やら浮かれてはしゃいでいるな。 街はかぼちゃで彩られている。 でっかいやつもいれば小さいヤツもいる。 なぁ、ジャック。 お前は人気もんだなぁ。 おい、無視か? お前はいつもおしゃべりだったじゃぁないか? あぁ、お前はジャックじゃないのか。 なぁ、ジャック。 今年もお前に似たかぼちゃ達が所狭しと並べられてるぜ。 いいなぁ、お前は。人間たちに好かれてさ。 そういや、ちいせぇ人間どもが
ハロウィンの夜には トリックオアトリート!と元気で可愛らしい声がする。 玄関を開けると、魔女に狼男にお化けなどなど、子供たちがそれぞれ思い思いの格好をしている。 「イタズラされちゃ堪らんからな、これで勘弁しておくれ」と私は用意していたキャンディーを子供たちの前に出す。 子供たちは満面の笑みでキャンディーを掴んで帰る。 私にもあんな頃があったな、と思うとともに思い出すことがある。 それは私がまだ小さい、それこそ先程の子供たちのような年頃の話だ。 アレは隣
香ばしい。これが匂う…いや、似合うのは色々あるけどお店ならやっぱこれだ。 お好み焼き屋。 ソースが鉄板に熱せられた時の香り。あれがもうたまらない。ほら、換気扇から漏れてくる匂い。こっち来い! こっち来い! って誘ってくる。ふらりふらりとつられて入ってしまった。 店内には香ばしいソースの焦げる匂いが充満していた。食欲がそそられる!メニューに期待が高まる。 パッと目を通していく。豚玉イカ玉にモダン焼き。ホルモンにキムチが入ったスタミナ玉とか魚介が入ったシー
その入らずの森に、今一人の人間が入ってきました。その姿はボロボロで、まるで獣の様でもあります。 その者が獣に見えたのは何も身なりからではありません。よたよたと歩く姿が人間の歩行よりも猿かなにかが馴れない二足歩行をしているようにフラフラと歩き、時には四つん這いで這うように動いています。 しばらくしてその者が大きな木の幹に体を預けるように、太くてしっかりした木の根に寄り添うようにその場で動かなくなってしまいました。 それを見ていたのは森の生き物たち。とりわけ、厳し
静かな森に響き渡る、王たる梟の声。 闇夜に隠れていても、金色の瞳で見つめてる。 我らの森に入り込むな、この森、汚されてなるものか。 ホー、ホー 森の主 ホー、ホー 闇の王 森に近づく者は、取って食おうか。 我が森に近づくな、命惜しければ。 森を穢すものは、引き裂いてしまおうか。 我が森に近づくな、命惜しければ。 これは遠い国のとある村に伝わる童歌(わらべうた)。 誰かが言い出したのか、あの森には魔物がいるぞ。梟の王がいるぞ、と。 梟の王は人を食った。それ
初めに こちらはSPOON内にて行われた独自企画 匙怪談朗読の夜という創作怪談の朗読企画にて書き下ろした作品になります。 フリー台本ですが利用についてのお願いを1番下にリンクを貼ってますので御一読お願いします。 本編 その人はいつの頃かそこに立っていた。 ずっと濡れて、寂しそうに佇み、街の往来を気にする事はなく、そこに立っていた。 その人はいつも夕暮れに立っていた。 夕立が降ろうとも、アスファルトからの熱気を受けようとも、陽炎のように存在が危うかった。 その人
初めに配信アプリSPOON内にて行われた独自企画。 匙怪談朗読の夜用に書いた怪談になります。 フリー台本ですがこちらの作品の後に利用についてのお願いのページを貼ってますので御一読お願いします。 本編 これは入院中の話なんです。 私は検査入院することになり、一晩だけ病院で過ごすことになりました。 私ね、病院のベッドで寝てたんですよ。病院の消灯時間を過ぎると特にする事もないし、日頃の疲れもあったのかその日はすぅっと眠れたんですよね。 そしたら