チャパティのお話
今日は良いお話を聞きました。
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ある女性が家族のために*チャパティ(インドの全粒粉の薄焼きパン)を焼き、お腹を空かせた通行人のためにもう一枚余分に焼きました。
彼女は余分なチャパティを誰が持っていってもいいように窓枠の上に置きました。
すると、毎日、背の低い背中の曲がった老人がやってきて、チャパティを持っていくのでした。
彼は感謝の気持ちを表す代わりに、
次のようにつぶやいて去っていきました。
「あなたがした悪はあなたの中に残る。けれど、良いことをするとあなたに返ってくる。」
そして、毎日、この老人がやってきて、チャパティを手に取り、
「あなたがした悪はあなたの中に残る。けれど、良いことをするとあなたに返ってくる。」
と言って、帰って行きました。
「この人は感謝の言葉も言えないの?どうして毎日こんなことを口にするのかわからないわ。」と、女性はだんだん苛立ってきました。
そして、ある日、彼女はこの老人から解放されたいと強く思い、この状況を終わらせることを決心しました。
彼女が何をしようとしたかあなたにわかりますか?
彼女は彼のために用意したチャパティに毒を入れたのです!
それを窓枠の上に置いておこうとしたとき、彼女の手は震えました。
「私は一体何をやっているのだろう?」
と思った途端に、彼女はそのチャパティを火の中に投げ捨て、別のものを用意して窓辺に置いておきました。
そして、いつものように、老人がやってきて、チャパティを手に取り、こうつぶやいたのです。
「あなたがした悪はあなたの中に残る。けれど、良いことをするとあなたに返ってくる。」
老人は、女性の中で起こっていた考えに気づかないまま、いつもの道を帰って行きました。
その晩、ドアをノックする音がしました。
ドアを開けると、やせ細った息子が立っていたのです。
衣服はぼろぼろで、破れかかっていました。
彼は母を見るなり、
「お母さん、帰ってきたよ。僕がここに戻れたのは奇跡だよ。僕は途中で飢えで倒れてしまったんだ。その時、背の低い背中の曲がった老人が通りかかって、僕は彼に一口でもいいから何か食べたいと懇願すると、彼は親切にもチャパティを一枚丸ごとくれたんだ。これは自分が毎日食べているものだったけど、これからはあなたにあげようと言われて、もらっていたから助かって、家まで戻って来れたんだよ。」
と言いました。
それを聞いたと同時に、母親の顔は真っ青になり、朝作った毒入りのチャパティを思い出すと、倒れそうになりました。
実は、女性は毎日、窓辺にチャパティを置きながら、遠くへ大金をかせぎに行った息子のために祈りを捧げていたのです。
しかし、何ヶ月経っても息子の消息はつかめず、無事に帰ってくることだけを祈っていました。
もし、あの毒入りチャパティを火に投げ捨てなかったら、息子が食べてしまって、命を落として、永遠に帰ってくることはなかったのです。
彼女はやっとあの老人の言っていた言葉の意味を理解しました。
「あなたがした悪はあなたの中に残る。けれど、良いことをするとあなたに返ってくる。」」
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たとえその時に感謝されなくても、
良いことをするのを絶対にやめないでください。
ということです。