ぺれぐりん

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最近の記事

【学ぶ#1-1】西田哲学:概要

日本の哲学者、西田幾多郎の哲学について自分なりに学んだ事を書いていきます。 1. はじめに西田哲学はその時期によって大きく三つに分かれます。 前期:キーワード「純粋経験」 経験の直接的なあり方は主客未分であり、これを根源として考えた。 中期:キーワード「場所」 あらゆる事物は何らかの場所において存在する、これを根源として考えた。 最も広い場所は意識の及ばない「絶対無の場所」。 後期:キーワード「歴史的世界」「絶対矛盾的自己同一」 「場」という抽象的な概念から、

    • 【読書ノート#8】「怒らないこと」

      年初に古典を読むぞ!と思ったものの今週も読めていない私。。しかしnoteで晒しておくとプレッシャーは感じますね。次こそ読もう。 今週は会社でかなり凹むことがあって重めの本を読む気分にはなれませんでした。こんな状況にぴったりの本を積読していたことを思い出し(やはり積読推奨)、表題の本を手に取りました。本の帯を見るとアメトーークでも紹介されたみたい。 著者はスリランカ上座仏教の長老です。日本の大乗仏教でなく南伝の上座部仏教ですね。実はこの著者の本は好きで何冊も読んでます。仏教

      • 【読書ノート#7】「生き物の死にざま」

        ひさびさに動物園行った帰り、動物についてつらつらと思いながら、ふらっと寄った書店で見つけた一冊です。こういう偶然の出会いはリアル書店ならではの醍醐味で大事にしたいところ。以前の記事で書いたように、自分がその本を受け入れる状態(構え)になっているかが読書の大事なポイントだと思うので。 本の簡単な紹介29種類の生き物(昆虫、哺乳類など)について、一種につき数ページで紹介されておりさくっと読めます。他の人に言いたくなる生き物の豆知識も書かれています(シロアリは古い昆虫で、アリは比

        • 【好きろぐ#1】映画「名付けようのない踊り」

          本以外のことでも日々自分の琴線に触れたことを紹介していこうかと思います。 第一回は公開中の映画「名付けようのない踊り」。まさに「名付けようのない」踊りをしているダンサー田中泯のドキュメンタリー映画です。個人的にファンというわけでもない(というかちゃんと彼の踊りを見たのは映画が初めて)のですが、映画の一場面に第一回noteの著者である松岡正剛が登場するとこのことだったので見てみました。 とても素晴らしい映画(踊り)でした。 まず何といっても田中泯という人物そのものが魅力的で

          【読書ノート#6】「人生の短さについて」(後)

          前編に引き続き、セネカの本から心に残った言葉とその感想を書いていきます。 今回は岩波文庫と「ローマの哲人セネカの言葉」から引用します。岩波文庫の「生の短さについて」にはテキストが3編収録されており、うち1編「幸福な生について」が光文社版と異なるのでこれを引用します。 「ローマの哲人セネカの言葉」(以下、中野本)は、著者の中野孝次さんがセネカのテキストの中から心に響いたものを引用しつつ自分の考えも書いてる本です。私が読んだテキスト以外からの引用もありここから引用します。個人

          【読書ノート#6】「人生の短さについて」(後)

          【読書ノート#5】「人生の短さについて」(前)

          今回は(自分的)読みたい古典リストより一冊紹介します。 著者のセネカは、紀元前1年に生まれ1世紀を生きたローマ時代の政治家です。キリストが生きた時代の人ですね。セネカの生涯はまさに波瀾万丈で、権謀術数うずまく政治に翻弄されながら、かの悪名高いネロの教育係となり、晩年には政治家として最高位の執政官を務めるまでになります。しかしそこでハッピーエンドとはならず、かつての教え子である皇帝ネロに自殺を命じられ、自ら命を断ち生涯を終えました。 すごい生涯ですね。。詳しく知りたい人はぜひ

          【読書ノート#5】「人生の短さについて」(前)

          【随想#2】「(自分的)読みたい古典リスト」

          【随想#1】「読書について」の続きです。 ←に書きましたが、本には種類があると思っており、自分は「友として」の読書に時間を割きたいと思う今日この頃です。 特に「自分の生き方」について、もう一度しっかり考えるべきだなぁと最近思っており、東洋的思想が自分的にはしっくりきてます。自我という妄想が自分を苦しめるのだ、と。このあたり気が向いたらまた書くとして、しかし出家して山の中で修行するならともかく、社会生活を行う上で完全に無我になるのは自分のような人間には難しい。 「無我を前提

          【随想#2】「(自分的)読みたい古典リスト」

          【随想#1】「読書について」

          前回の投稿から随分と時間が空きました。ちゃんと書こうとすると、時間がかかるので会社が忙しくなるとなかなか、、もう少し肩の力を抜いて気軽に投稿できるようにしたいなぁ。 と言うわけで、今回は読書について、思うところをつらつらと書いていきます。結論とか特にないです! 1. 本には種類がある本は手段であり、当然色々なタイプがありますね。メディアはメッセージであり、本特有の特徴あるでしょうが、いずれにせよ「本」として一括りでは語るのはさすがに雑かと。 最近、自分なりに考えている本の

          【随想#1】「読書について」

          【読書ノート#4】「東洋的な見方」

          禅学者、鈴木大拙(1870~1966)の晩年の論説集です。東洋と西洋の価値観・見方について、その違い・長所や短所を語っています。90歳ごろに書かれています。驚愕。60年前に書かれたものですが、彼の憂慮していた西洋一辺倒主義は現代においてグローバル化という名の下にさらに加速しているように見えます。大拙は「東洋的な見方」にこそ人間の真の自由があり、西洋的手法の良い部分と組み合わせることでよりよい世界にしようと主張します。 以下では、東洋的な見方と西洋的な見方についてかいつまんで

          【読書ノート#4】「東洋的な見方」

          【読書ノート#3】「いきの構造」

          わかってるようで真面目には考えたことはない「いき」。江戸っ子の「粋だねぇ」の「いき」ですね。その「いき」の理解に真面目に取り組んだのが本書です。著者は京大教授の九鬼周造。元となる論文が書かれたは1926年。本書の論旨は少し込み入っておりすっとは理解できなかったです汗。たとえの話が多かったり、同じ主張をを何度も繰り返したりしていて、しかもその部分ががわかりづらかったりします。いったんそれぞれの主張の結論だけ拾うとわかりやすいかも。 本書の主張で自分なりに大事だと思った点をまと

          【読書ノート#3】「いきの構造」

          【読書ノート#2】 風姿花伝

          日本文化の核心を読んで、能についても少し知りたいなぁと思い、有名な「風姿花伝」(花伝書)を読んでみました。室町時代は能楽師の世阿弥が書いたもので、「初心忘るべからず」「離見のの見」などの元ネタとしても有名。有名すぎて少し曲解された部分などもあるようで。このnoteでは「なるほど、そういう意味だったんか」といった部分を中心に書いていきます。 書籍でもWeb上にも解説はいくらでも転がってますが、結局は原文にあたるのが一番ですね。今回は「NHK100分de名著の風姿花伝の解説本」

          【読書ノート#2】 風姿花伝

          【読書ノート#1】 日本文化の核心

          昨今の自粛モードのなか、引きこもり生活に磨きがかかっているので、気になってる本とかテーマを学ぼうかと思い立ち、日本文化について最近興味があったので「日本文化の核心」というそのものズバリなタイトルの本書を手にとってみました。著者は松岡正剛さん。千夜千冊で有名な編集者で、日本文化にも精通していて多数の著書があります。 新書だけど内容はめちゃめちゃ濃いです。イザナミから世阿弥はたまた椎名林檎まで、時間も文化領域も超えた著者の縦横無尽な視点。薄っぺらな「日本文化」で日本を語るなとい

          【読書ノート#1】 日本文化の核心