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note クラシック音楽の普遍化を達成する

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クラシック音楽の歴史や作曲家、作品について、哲学的な視点から分析し、その普遍性や深さを探求する和田大貴のnoteです。クラシック音楽について語り合えることを楽しみにしています。参…
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2024年12月の記事一覧

フルトヴェングラー博士とベルリンフィル、カイロ楽旅での「悲愴交響曲」

フルトヴェングラー博士とベルリンフィル、カイロ楽旅での「悲愴交響曲」

https://youtu.be/VF9NSrQprpk?si=G-1CcL_BEgDxywbd
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74 「悲愴」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 & BPO
独DG 33rpm 1951年4月19日  エジプト・カイロ放送による実況録音。

フルトヴェングラー博士の悲愴交響曲は、これに先立つ1938年10月の同じくBPOとのセッション録音を推す声も多

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バックハウス & クラウス VPO演奏の ベートーヴェン/皇帝

バックハウス & クラウス VPO演奏の ベートーヴェン/皇帝

https://youtu.be/tit4fqQF29k?si=GMSXOgeL0Nwvg34M

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73 “皇帝”

ヴィルヘルム・バックハウス(P)
クレメンス・クラウス指揮  ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
英Decca 33rpm 1953年5月1日?

 音が瑞瑞しく生々しい。ベートーヴェン→リスト直系の弟子といわれるバックハウスは、若き日か

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モーツァルトとメンデルスゾーンというふたり天才が子ども時代に作った曲たちをきいて-音楽から眺めてみる世界からⅡ④-

モーツァルトとメンデルスゾーンというふたり天才が子ども時代に作った曲たちをきいて-音楽から眺めてみる世界からⅡ④-

モーツァルトとメンデルスゾーンという2人の天才が子供時代に描いた曲のなかで、死など心配せず、将来に希望を抱ける年代の美しさそのものであると、私が感じる曲に(もはや戻ることもかなわないという憧憬とほろ苦さとともにではあるのだが......)、「ディヴェルトメントK.136」と「弦楽交響曲第5番」が在る。

モーツァルトは、円熟するというより、生まれてから死ぬまで、ずっと天才モーツァルトであった。

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ヤナーチェクの「トルストイの小説『クロイツェル・ソナタ』に霊感を受けて」をきいて-音楽から眺めてみる世界からⅡ⑤-

ヤナーチェクの「トルストイの小説『クロイツェル・ソナタ』に霊感を受けて」をきいて-音楽から眺めてみる世界からⅡ⑤-

トルストイは、小説『クロイツェル・ソナタ』のなかで

「音楽とは一体何なのか?

音楽は何をしているのか?

音楽は何のためにそのようなことをしているのか?

よく音楽は精神を高める作用をするなどと言われますが、あれはでたらめです、嘘ですよ!」

と述べ(させ)ている。

どうやら、人倫に反した愛というものは、犯罪を生み出しもするが、芸術作品も生み出すようである。

年老いたゲーテが、若い娘に本気

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「人生について」がテーマだった最後の交響曲-チャイコフスキーの「悲愴」をきいて-音楽から眺めてみる世界からⅡ⑥-

1893年、10月のある日、チャイコフスキーは、暗い気分でテーブルの上にある読みかけの詩集を手に取り、シェークスピアのソネットのなかの

「私は、自分の書いたもので恥をさらした。

つまらぬものを愛すると、君もそうなるだろう」

いう一節にを目に留めてしまい、さらに心を暗くしていた。

チャイコフスキーに何が起こっていたのだろうか。

今回は亡くなる一月前(1893年10月)のチャイコフスキーがお

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【世界遺産×音楽】名作オペラ『アイーダ』と世界遺産

【世界遺産×音楽】名作オペラ『アイーダ』と世界遺産

皆さん、こんばんは⭐️
あっという間に2024年も残り1日となりましたね。

本日は簡単にはなりますが、ジュゼッペ・フォルトゥニーノ・フランチェスコ・ヴェルディ(以下、ヴェルディ)の傑作とも言われている、オペラ『アイーダ』と、その舞台となった世界遺産について書きます☺️♪

オペラ『アイーダ』
オペラ『アイーダ』は、主にイタリアで活躍した音楽家、ヴェルディ(1813-1901)が作曲した作品です�

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メンデルスゾーンの室内楽

メンデルスゾーンの室内楽

フェリックス・メンデルスゾーンの室内楽をピアニスト・藤井一興を中心としたデュオ&トリオで演奏したシリーズ第2弾。第1弾ではピアノ三重奏曲第1番とチェロ・ソナタ第2番が収録されていたようだが、当盤では加藤知子を迎えてのヴァイオリン・ソナタをはじめ、土田英順とのチェロ・ソナタ第1番、最後にピアノ三重奏曲第2番が演奏されている。1992年録音。ジャケットの絵はメンデルスゾーンが描いた水彩画。「天は二物を

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アーノンクール/RCOによるドヴォルザーク/交響詩集

アーノンクール/RCOによるドヴォルザーク/交響詩集

昨日12月6日が誕生日だったニコラウス・アーノンクールがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮してテルデック・レーベルに録音してきた一連のドヴォルザーク・アルバムより「交響詩」だけをまとめた2枚組ディスク。1997~2001年録音 (一部ライヴ) 。Opp.107~110までの4曲が収められている。

それぞれの交響詩は交響曲第7~9番やピアノ協奏曲のアルバムにカップリングされていた。当CDはテ

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【感謝】🎹2024年を振り返り🌏✈︎

【感謝】🎹2024年を振り返り🌏✈︎

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ピアニストの吉村直美です♪

◆御礼

今年2024年は、たくさんの貴重な経験を積ませていただきました🎹

新たな出逢い、嬉しい再会もありました。

応援くださる素敵な皆さまの温かい思い、共鳴くださる感性に支えられ、感謝の気持ちでいっぱいです。

音楽を楽しんでいただくことをモットーに、マイペースながらも、可能な限り走り続けて参りました🎹🏃‍♀️💨

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膨大な展示に感激‼️🇩🇪ベルリン楽器博物館へ行ってきました

膨大な展示に感激‼️🇩🇪ベルリン楽器博物館へ行ってきました

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ピアニストの吉村直美です♪

1年前のちょうど同じ日、ドイツ🇩🇪ボンでの演奏出演に兼ねて、🇩🇪ベルリンにあるベルリン楽器博物館へ行ってきました。

コンサート出演に関する記事は、こちらから、ご覧いただけます🎹

◆アクセス

ベルリンの音楽聖地の一つともいえるベルリンフィルハーモニーのホールのすぐ隣に位置しています。

最寄り駅Potsdamer P

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フランク・リーダーさんのアトリエ@ベルリン🇩🇪へ行ってきました。

フランク・リーダーさんのアトリエ@ベルリン🇩🇪へ行ってきました。

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ピアニストの吉村直美です♪

ちょうど1年前の12月27日、ドイツ🇩🇪ボンでのコンサート出演に兼ねて、ベルリンにいました🌏

コンサート出演についての記事は、こちらからご覧いただけます🎹

その日、夫の念願だった世界で活躍するドイツ人ファッション・デザイナー、フランク・リーダー(Frank Leder)さんのアトリエに一緒に行ってきました。

ベルリン

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【出演のお知らせ】JGCC新年会2025コンサート🎻🎹@日立目白クラブ

【出演のお知らせ】JGCC新年会2025コンサート🎻🎹@日立目白クラブ

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ピアニストの吉村直美です♪

NPO法人日独文化コミュニティー(JGCC)主催による新年会2025コンサートに出演します🎹

今回は、JGCCから推薦を受け、ドイツ🇩🇪ハンブルクと同団体に縁りのあるヴァイオリストの高木早紀さんとの共演とピアノソロでお届けします🎻🎹

会場は、先月NHKで放映された「#ブラタモリ 東京・目白~目白ブランドの正体とは?~

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🎹 Merry Christmas, Mr. Lawrence / 戦場のメリークリスマス🎹

🎹 Merry Christmas, Mr. Lawrence / 戦場のメリークリスマス🎹

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ピアニストの吉村直美です♪

クリスマスに向けて🎄坂本龍一作曲【戦場のメリークリスマス】を演奏した動画お届けします。🎹大島渚監督による映画『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲です。

原作は南アフリカ共和国の作家、ローレンス・ヴァン・デル・ポストに基づいていて、戦時中の作者自身の体験が描かれた作品です。

私自身が、この作品を初めて知ったのは10代後半でし

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【御礼】音楽と旅#10 リサイタル 〜 ザルツブルクとウィーンの音🎹公演を終えて

【御礼】音楽と旅#10 リサイタル 〜 ザルツブルクとウィーンの音🎹公演を終えて

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ピアニストの吉村直美です♪

先日、開催されました『音楽と旅#10 吉村直美ピアノリサイタル 〜 ザルツブルクとウィーンの音】

お陰さまで、満員御礼にて、無事に終了いたしました🎹

◆ 満員御礼

年の瀬のお忙しいなかお越しいただき、最後まで温かくお聴きくださった皆さまへ、心より感謝申し上げます。

『音楽と旅』リサイタルシリーズ、いただいたご好評のお陰に

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