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詩のような、小さな物語のような

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詩のような、小さな物語のようなもの
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#アート

【詩】冷たい朝に

【詩】冷たい朝に

窓から青白い光が差し込む
今日のはじまり

ドアを開けると
まだ眠っている街が広がる

グラデーションの空と
影絵みたいな木々

絵画のような
うつくしさ

冷たいけれど
新鮮な空気

心がじんわりと
あたたかくなる

いのちの温度

生きている、生きている

大丈夫、大丈夫

おはよう、世界

おはよう、今日のわたし

【詩】立ち直る

【詩】立ち直る

大切にし合うことができないなら
もう要らないって思えたこと

「ばかみたい」って泣いたけれど
スッキリと晴れやかな気持ちになれたこと

自分を大切にしようと思えたこと

そこから溢れ出たものを
誰かにあげたいと思えたこと

そうやって
立ち直ってきた

何度転んだって
立ち直ってきた

【詩】冬の香り

【詩】冬の香り

ひんやりとした世界で
温もりを探している

冷えた鼻先に
白い息
かじかむ指先

しんとした空気
冬の香りが
季節を知らせる

終わりと始まりが
つながっていく

生き抜く強さを
感じながら
足早に過ぎてゆく

【詩】いちばん近くで

【詩】いちばん近くで

どこにいても
どんなときも
自分のいちばん近くにいるのは
自分だから

いじめたり
否定したりせずに
生きていこう

たまに見失いそうになったり
遠くに感じられたりすることも
あるけれど

やっぱり自分は自分だから
いつでも居心地のよい自分でいたい

もう戻れない過去に
手を振って
未来に思いを馳せて
不安になりすぎずに

邪魔してくるものを
振り払う勇気を持って
今を歩こう

強く生きるというこ

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【詩】角砂糖みたいに

【詩】角砂糖みたいに

同じ色で
同じ温度で
馴染めますように

ゆっくりと落ちていく
溶けていく

角砂糖みたいに

じんわりと
甘く甘く
広がっていく

底に残って
動けなくならないように

【詩】夜のスキマ

【詩】夜のスキマ

夜のスキマに
吸い込まれそうになる

冷たくて
暗くて
寂しくて
憂うつな

今ここにある全てがなくなる
楽園のような
そんな世界を
望んでしまう

投げ出してしまいたくなる
何もかもを
大事に抱えている

まだ終わらせられない
守りたい
続けたい

夜のスキマに
吸い込まれぬように
力強く
今を確かめる

【詩】秋の空気

【詩】秋の空気

秋の気配に包まれた
この道を
ゆっくりと
歩んでいく

胸いっぱいに
秋の空気を吸い込んで
ひんやりと
研ぎ澄まされる

確かにここに在る
命を感じながら

心細さに負けぬようにと
青くて高い
あの空を見上げていく

【詩】うたう

【詩】うたう

呼吸に音を乗せたら
自由自在の世界

どこまでも伸びていく

狭い世界を突き抜けて

どうか
いつの日か
届きますようにと
願いながら

【詩】片隅にある恋

【詩】片隅にある恋

動かない恋を見つめて
片隅に置いてみた

真ん中には置きたくない

そんな気持ち

失くしたら嫌だけど
どうしたらいいかも分からないから
答えが出るまでは
そこに置いておこう

前を向いていたいから
振り回されたくないの

【詩】頭を空っぽにする

【詩】頭を空っぽにする

頭を空っぽにしたくなるときがある

考え事が頭の中をぐるぐると
駆け巡ると
なんだか熱くなって
疲れてしまう

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【詩】いい時も悪い時も、まあまあな時も

【詩】いい時も悪い時も、まあまあな時も

いい時も悪いも時も、まあまあな時も
私は私の味方でいてあげたい

自分のことを信じていたい

目の前のことに向き合っていきたい

その時々を楽しんでいきたい

うまくいかないときや
調子が悪いときもあるけれど
どんなときでも
そのときに最適のペースで

私のいちばん近くにいるのは
いつだって私だから

【詩】夜雨

【詩】夜雨

静まり返った部屋の外で
ぽつぽつと
雨が降り始めた音がする

クレッシェンドの記号が
記されたかのように
次第に高まっていく

ベッドに沈んでいく身体が
濡れない雨音に包まれる

目を閉じて
夜雨に耳を澄ます

渇いた心が
潤っていくような
そんな心地よさ

デクレッシェンドの記号で
まどろみの中
眠りに向かう

【詩】夢うつつ

【詩】夢うつつ

起きていたいのに
瞼が重くなって
自然に閉じていく

まだ眠っていたいのに
アラームの音で
薄っすらと
一日の始まりを認識する

窓から柔らかな光が
差し込んでいる

フェードアウトと
フェードインを
繰り返す毎日

夢うつつ

まどろみの中で
心地よさと
生まれたての思考が交差する

時々みる夢のことを
覚えていたり
覚えていなかったり
あるいは
断片的に思い出されたりする

眠りにつく前の

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