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カセットboyの読書記録

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2020年6月の記事一覧

本日の読書

本日の読書

「陸王」池井戸潤(著)

言わずとしれた大ベストセラー。
単行本出版時に読もうと思ったけど、著者の作品に
少し飽きていたこともあり先延ばししていた。
今回、他に読む本がなくて購入したけど、相変わらずの池井戸節、
勧善懲悪、大団円で、700頁近い長編だけど、読みやすく
面白くもあり、あっという間に読んだが、結局それだけの印象。

中小企業対大企業、銀行の悪どさ、「お仕事」の大変さなどが
テーマだけど

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本日の読書

「男振」池波正太郎(著)

傑作。
再読だが、今回も楽しめた。
10代の少年期に禿頭になってしまった武士の子。
それをバカにされ、大きな失態をやらかしてしまう。
普通なら死罪になるところだが何故か救済の手が伸びる。
そこには大きな秘密が隠されていた.......

お家騒動、恋愛、親子の情愛、武士の気高さ、
ロードノベル的要素と盛りだくさんだが、とにかく読みやすい。
これは池波作品の長所でもある。

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本日の読書

「秘密」池波正太郎(著)

先日の「男振」についで再読。
家にあるものを探せなかったので再度購入した。

ある行き違いによって人を殺めてしまった武士。
仇討ちのため、追われる身となった。
身を隠し、医者として日々の生活を送る。
人に救われ支えられ、新しい恋もし、出生の秘密も明らかになり
いないと思っていた肉親の存在をも知り、懊悩し
また追われる立場そのものから「逃げる」ことをやめ
処々のことに立ち

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本日の読書

「ナオミとカナコ」奥田英朗(著)
再読。

傑作、いや大傑作。
まだ読んでない人に「何か面白い本ありませんか?」と
聞かれたらいの一番に薦めたい小説。

夫のDVに苦しめられているカナコ。
大学時代からの親友ナオミは、それは見かねて「殺す」ことを
もちかける。
色んな条件が重なり、完全犯罪を達成したかに思えたのだが......

とにかくリアルです。
破綻がないというか(突っ込もうと思えば突っ込め

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「煉獄の丘」ウィリアム・K. クルーガー (著)

コークシリーズの3作目。
絶版になっているのでBookOffにて購入。
同著者の「ありふれた祈り」が大大大傑作だったので
他の作品も読み進めているが、もういいかな^^;

とにかく長い......
アメリカ先住民族の問題とか、銃社会のこととか、大企業の悪辣さとか
テーマが広すぎて、アメリカ人ではない僕には分かりづらい点も
多々あるし、第一、主人公

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本日の読書

本日の読書

「邪魔」奥田英朗(著)

先日再読した「ナオミとカナコ」に誘発され、本棚から
引っ張り出してきた。
これは再再読、3度目の読書です。

いやぁ.......面白かった!
てか、2回も読んでおいて、その内容を忘れている
自分自身にまず驚くのだけど(笑)

何気ない日常に潜んでいる「綻び」
(※夫の犯罪は“日常に潜んで”ないけど)
それが、運命のいたずらによって、どんどん広がってゆき
取り返しのつかな

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「告解」薬丸岳(著)

交通事故加害者と被害者一家の物語。
双方にとって、意図しなかった文字通り「事故」であるから
普通の「犯罪」とは、いろんな点で違いがある。
しかし、後悔や罪悪感は当然ある訳で、それによって
いつまでも苦しみが続く。
いっぽう、戦争で犯した「罪」というのも出てくる。
ネタバレになるので詳細は書かないけれど、これも
自分で望んでやった「罪」ではないに関わらず
いつまでも苦しみは続

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本日の読書

本日の読書

「サウスバウンド」「最悪」奥田英朗(著)

サウスバウンドは2度目、最悪は3度目の読書。
やはりいずれも傑作。
サウスバウンドの方は、少年の成長譚であり、
その父母の究極の恋愛小説ともいえる。
内容は割愛し、星は☆☆☆☆。

最悪の方は、650頁あって、前記したように再再読なので
内容はほぼ覚えているんだけど、それでも頁をめくる手が止まらない。
本当に面白い。
もう笑うしかないくらいに、「悪いこと

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