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本日の読書

「ナオミとカナコ」奥田英朗(著)
再読。

傑作、いや大傑作。
まだ読んでない人に「何か面白い本ありませんか?」と
聞かれたらいの一番に薦めたい小説。

夫のDVに苦しめられているカナコ。
大学時代からの親友ナオミは、それは見かねて「殺す」ことを
もちかける。
色んな条件が重なり、完全犯罪を達成したかに思えたのだが......

とにかくリアルです。
破綻がないというか(突っ込もうと思えば突っ込めるが)
会話ひとつとっても、小説的というより、日常だと
こうだよねと思わされる内容で、必然、感情移入させられる。

2部の「カナコ」の部では、完全犯罪が崩壊してゆくのだが
お見事としかいえない展開。
ハラハラドキドキ、頁をめくる手が止まらない。
再読で、結果は知ってるはずなのに、どれでもドキドキする。

奥田英朗作品の中では、「最悪」「邪魔」の系譜で、
こういう作品をもっともっと書いて欲しいと痛切に願っています。

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