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2019年12月の記事一覧
公務員が好きじゃなかったころの話
私は20代の頃はネオリベ野郎で公務員が好きではなかった。嫌いだったと言ってもいいだろう。しかし30代半ばには、ネオリベラリズムを棄教して、反緊縮財政を支持するようになった。その過程で、本邦は公務員の数が少ないことを知るようになり、彼らへの嫌悪感はいつの間にかなくなっていた。公務員の数についてを詳しく知りたい方は前田健太郎氏の著作を読まれるとよいだろう。
年末になると公務員が嫌いだったころにおこっ
飯山陽『イスラム2.0』読書メモと久々のアンチフェミ論議
最近Twitterで飛ばしまくりのイスラム思想研究者飯山陽さんの新著『イスラム2.0』を読んだ。なかなか面白かった。
イスラム2.0とは、インターネットにコーランやハディースなどの原典に容易にアクセスできるようになったため、イスラム教徒がラディカルになっている現象のことである。そのため世俗権力に阿って、原典を恣意的に解釈するイスラム法学者など宗教エリートが批判にさらされるようになっている。原典を
井上智洋『純粋機械化経済』読書ノート
井上智洋氏は経済学者であるが、エンジニアの経験もありITについても積極的に言及することで有名である。本書でもそこが遺憾なく発揮されており、AIやIOTが社会のどのような変化をもたらすかについて広い視野で概説している。
第1章は現在進行中の第3次産業革命とまもなくやってくる第4次産業革命についての解説である。そして第4次産業革命は一部の人間の頭脳が生産性を規定するような頭脳資本主義をもたらし、やが