飯山陽『イスラム2.0』読書メモと久々のアンチフェミ論議

最近Twitterで飛ばしまくりのイスラム思想研究者飯山陽さんの新著『イスラム2.0』を読んだ。なかなか面白かった。

イスラム2.0とは、インターネットにコーランやハディースなどの原典に容易にアクセスできるようになったため、イスラム教徒がラディカルになっている現象のことである。そのため世俗権力に阿って、原典を恣意的に解釈するイスラム法学者など宗教エリートが批判にさらされるようになっている。原典を忠実に解釈すれば、イスラム国がやっている滅茶苦茶なことも正当化されうるのである。

その他、ヨーロッパにイスラム教徒が大量に流入したためにテロ、性犯罪などの困ったちゃんなことが多々おこっていることなども紹介している。ヨーロッパではポリコレのためにイスラムの教義を表立って批判できないし、イスラム教徒の移民による犯罪も堂々と断罪できない。そのためにテロリストの培養器になってしまっており、中東諸国としても困ったことになっているのである。まあトルコのエルドアン大統領みたいにヨーロッパの移民に産めよ増やせのジハードをけしかけるものもいるのであるが。

エジプトでは世俗というか近代欧州の価値観となるべく背反しないように宗教改革を進めようとする国もあるが、教義を曲げることはイスラム2.0の世界では非難轟々で、権力者の皆さんも大変ですなあというところである。

こんな感じで面白おかしく読めるし、勉強にもなるのでわりとおすすめである。以下の有料エリアでは、面白ろおかしさをもう少し掘り下げてみたい。ちょっと怒られそうな内容なので、有料です。

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