赤楚宏幸

整和館代表。近い将来、私たちは自らを商品化・手段化する働き方から離れ、自然と調和した人…

赤楚宏幸

整和館代表。近い将来、私たちは自らを商品化・手段化する働き方から離れ、自然と調和した人間らしい生き方を選択するようになる。カウンセリングと身体コンディショニングを通じ、働く人が自然との和、自己との和を整え、幸せに一歩一歩近づく支援をしている。国連職員、企業の人事役員等を経て独立。

最近の記事

【本】人間らしさとは何か

スケールが壮大で、視野を広げてくれる1冊。 これまで人間らしさを考えるとき、私の尺度はせいぜい現代人(ホモ・サピエンス)の範疇(30万年前くらいに誕生)だったが、本書では700万年前まで遡って人間らしさを探究している。700万年前というのは、人間がチンパンジーとの共通祖先から枝分かれしたときだ。 枝分かれのあと、人間の祖先もチンパンジーの祖先もそれぞれ独自の進化を遂げてきた。何度も枝分かれして、その都度、私たちの祖先は現在の私たちの人間らしさにつながる特徴を獲得してきた。

    • 感情を観る

      私たちの感情は刻々と変化しています。 ある瞬間はやる気に満ち、次の瞬間には不安に襲われます。 私自身は、澄んだ青空を見てテンションが上がったかと思えば、そのすぐあとに将来の不安で気分が沈むなんてしょっちゅうです。 とある集まりで先日、2022年を漢字一文字で表すと、というお題があり、「焦」という漢字を書きました。 私たちは、幸せを求め、得られると、しがみつこうとします。 でも、それは長続きすることはなく、なくなればがっかりします。 不安は避けたい、感じても、抵抗しようと

      • 時間術と達成感

        現代人の宿命というべきか、多くの人は毎日やることに追われています。 かくいう私も毎日やること、やりたいことがたくさんありすぎて、回送列車がホームを通過するかのように、時間が自分の目の前を猛スピードで過ぎ去っていくような感覚があります。 そんな中、日々の達成感はどうやって得られるのでしょうか。 限られた時間で多くを成し遂げようと私がやっているのが、「タイムボクシング」という手法です。これはボクシングのように時間と闘うという意味ではなく、ボックスの進行形のボクシング、つまり箱

        • 幸せは生活の中に

          新しい年が明けたと思っていたら、1月も半分が過ぎようとしています。 新聞各紙による年末年始の企画はなかなか面白いものがありました。 朝日新聞 ・わたしのよりどころ(推し、宗教、異郷にて、寄り合う、隠れ家、AI、選択肢の7テーマ) 読売新聞 ・幸せをつくる。 日本経済新聞(やさしい経済学) ・幸せに生きるために New York Times ・7-Day Happiness Chellenge (幸せの最大要因は人間関係だとするハーバード大学の研究から、より良い人間関係に関す

        【本】人間らしさとは何か

          2022年のふり返り

          私にとって2022年は大きな変化の年でした。 7月に独立開業し、組織に所属する働き方から、プロジェクトベースで仕事をするようになりました。 みなさんにとって今年1年で得た学びは何だったでしょうか? Havard Business Reviewの読者投稿で多かったのは「レジリエンス」だったそうです。 私はというと「自己一致」かなと思います。 自己一致とはカール・ロジャーズが提唱したカウンセラーに求められる基本的態度のひとつです。誤解されやすいですが、これは理想と現実の自

          2022年のふり返り

          変化に必要なもの

          人はなぜ新しいことを始めるのだろう。 私が独立開業したのは2022年7月4日。 ちょうどアメリカの独立記念日でいいや、と勢いで税務署に開業届を出しました。 でも、このnoteやホームページで情報を発信し始めたのは、その約5ヶ月後の11月末でした。 独立したときからやろうとやろうと考えていたことですが、重い腰を上げたのがこのタイミングでした。 何がきっかけになったのか。 きっかけを広辞苑で調べると、「①気勢。意地。②ものごとを始めるはずみとなる機会や手がかり。(後略)」

          変化に必要なもの

          暮らし方

          今日ジェイフィールさんの「人間に戻ろう 人間らしさを取り戻そう」というウェビナーを聴講しました。 東京の西にある八王子、藤野、上野原にそれぞれ暮らす3名の方が登壇され、そこでの暮らしについてお話されました。 いずれの方も、自然に近い環境で、人と人とがつながる暮らしを楽しんでおられます。うらやましい。 東京西部の山々は、私がよくトレランする場所であり、奇遇に感じました。 先月13日には藤野の「陣馬山トレイルレース」を走り、コロナ前までは上野原の「八重山トレイルレース」に出場

          【本】聞く技術、聞いてもらう技術

          東畑開人さんは臨床心理士で、私が読んだ本はこれが3冊目。 これまでの本と同様に、これも素晴らしい内容でした。 普段、私たちは人の話をふつうに聞くことができます。 でも、自分が追い詰められたり、脅かされたりすると、相手の話を聞くことが途端に難しくなります。 どうすればいいか。 「聞いてもらう、からはじめよう。」と東畑さんはいいます。 最近、私はあることから人にたくさん話を聞いてもらっています。 すると不思議なことに、自分の中で何かが変わってきた感覚があり、私自身が「聞いても

          【本】聞く技術、聞いてもらう技術

          自然

          私が代表を務める整和館では、近い将来「自然と調和した人間らしい生き方を選択する時代」がくると考え、それに向けた支援を行っています。 では、この「自然」とはなにか? いろいろありそうですが、今日は3つのことを書いてみます。 木々、土、風 自然で私がまず思い浮かべるのは、木々、土、風です。 海よりは陸、特に山が自然のイメージとしてしっくりきます。 この自然の中を走るとき、私はもっとも自然を感じます。 自然を感じるとは、幸せを感じるということでもあります。 私たち人間は進化の

          手段化しないランニング

          2008年に本格的にランニングを始めてずっと続けているが、「健康のためですか?」と尋ねられることも多い。 日経新聞には「ランナーのホンネ」という記事が不定期で掲載される。 書いているのは吉田誠一さんという元記者のランナーだ。 2022年11月29日の記事 吉田さんは大学入学直後に「「もう、◯◯のために△△をするのはやめよう」と決めた」とある。 ランニングをやる理由もよく聞かれるが、答えに窮するそうだ。 「人はどういうわけか、目的を探し、理由探しをしたがっている。目的、理由の

          手段化しないランニング

          マインドの壁

          29年前、シアトルにあるワシントン大学3年生のとき、友人のフランス人から「日本はサッカーワールドカップでフランスには100年かかっても勝てないね」と、言われた。 「絶対なんて言えないだろ」とかムキになって言い返した記憶が残っている。はっきりと覚えているのはそれだけ根に持っているからだろう。 2022年11月、ワールドカップ一次リーグで、日本代表がドイツに2-1で勝利した。サッカーに詳しくない私だが、終了後の選手のインタビューに聞き入った。 ひとつは、前日にサウジアラビアが

          マインドの壁