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覚書

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わたしが消えたくなった夜のための
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#最近の学び

ヘイトを叫べ

ヘイトを叫べ

 なにかに感動したり、ときめいたりすることがめっきり減った。

 以前はどんなものにも心の底から共感したり、自分自身に備わっていないものであれば解ろうと近づいたり、音叉のように心を震わせたり、そうやって好奇心の赴くまま、ひとの心や、それらから生まれたものたちに触れたりしていたのに。

 今はもうなにかを見たり聞いたりしてもへえーすごいねという感じだ。もしかして、ちょっとは五感が肥えたせいかもしれな

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好きとかもうやめてほしい

好きとかもうやめてほしい

 わたしは今まで、本当は心底好きだとおもってるものたちを「気に入ったから自分の側に置いておいてるもの」だと脳内解釈していたらしい!

 たぶんいつも、自分の選択で側に置いてる、って主導権を握っていたいから認めたくなかったんだ。いやだー!好きなものが忽然と姿を消したり変えたりでもしたらわたしはきっと発狂する、なにかに心を掻き乱されること、そんなのみっともないって何処かで思ってるから、わたしが自分で選

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たからもの

たからもの

 なにかの拍子に自分の幼少期を思い出すと、訳もわからず鼻先がつんとして涙目になる。自分の手が映る主観の記憶もあるけど、大体浮かぶのは、外から見たちいさいわたしの姿だ。想像が生んだ景色かもしれないし、親が撮ってくれたビデオを繰り返し観ていたおかげで染み付いた景色かもしれない。当時のわたしは人と遊ぶとき、楽しんでいた記憶があまりなくて、いつも泣かないように我慢していた気がする。だいじょうぶだよ、と言っ

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夏、或る質問への答え

夏、或る質問への答え

 逆説的ですが、わたしの解釈としては、つくることは壊すことだと考えております。
それは、今まで信じて疑うことのなかったことを問い改めて、自分の中で固まっていた価値観や考えを崩す姿勢だったり、あるいは自分を形成していると思うもの、周囲が自分に抱いているであろうイメージや自分が自分に抱いてる期待やプライド、それらを壊すことだったり、途中までつくったものに対して何か違和感を感じたときに、ズレを抱えたまま

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強者な兵

強者な兵

 たくさんの、傷つきやすくて繊細な人々が、「こんなことで動じないくらい強くなりたい」と言うのを見てきた。だいたいの出来事は、その人がわるいのではない、事故、ただの事故、だけどあまりにも多い、蔓延している負の感情を、ぶつけられては、ぐっとたくさん溜め込んで、自分から連鎖が続かないようにと必死に必死に、静かに浄化しようとしている。排気ガスを酸素に換える、道端の植物みたい。

 かく言うわたしもそのよう

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