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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】大根は冬の強い味方!?

暦の上では大雪に入り本格的に冬が到来し、暖房や北風で、乾燥・イガイガ・咳・痰など、喉の症状が気になる季節になりました。
鍼灸治療では、症状の改善に役立てる、日常的な養生の方法のひとつとして、食生活上で気を付けることをお話することがあります。
今回は、そんな食養生の中から、冬の味覚『大根』をとりあげ、そのヒミツ、大根パワーのすごさをご紹介していきます。
『4.大根の簡単レシピ』では、喉の乾燥・イガイガ・咳・痰にとってもよく効く簡単レシピ【大根の水あめ漬】をとりあげています。
では、最後までお楽しみください。

1.大根の由来

大根は、アブラナ科の植物で、原産地は西アジアといわれ、古代エジプトでは今日の「ラディッシュ」に似た小型種が栽培されていたようです。
日本には奈良時代以前に伝えられて栽培されたといわれており、今日までに様々な品種が生み出されています。
代表的なものとしては、「桜島だいこん」や「聖護院だいこん」のような丸大根と、「練馬だいこん」を代表とする長根種があります。

日本の産地では、 全国でも北海道に次いで第2位の収穫量を誇るのは千葉県であり、管内4地区(多古町、香取市小見川地区、佐原地区、成田市大栄地区で出荷がされています。

筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市に所在していますが、あらためて、地元千葉は大根の名産地なのです!

2.栄養学としての効能

この写真はなんだかわかりますか?
これは、大根の皮の部分を使ったお料理『大根の皮のきんぴら』です。

大根には、ジアスターゼやビタミンC、食物繊維を含まれることが、栄養学的な特徴です。
消化酵素であるジアスターゼは、消化を助けて胸やけを抑え、胃腸の働きを整えるとともに、毒素を分解する、といった効果があります。
ビタミンCは、抗酸化作用やアンチエイジングや粘膜細胞を丈夫にして抵抗力を高める作用のほかに、コレステロールを減少して高血圧、糖尿病などにも効果があります。
大根の食物繊維はリグニンと呼ばれ、マクロファージという免疫細胞の働きを高めたり、ガン細胞の発生を抑制したり、胃腸の働きを整える効果があります。

これら、大根の栄養素の上手な取り方ですが、ジアスターゼは皮の部分に、ビタミンCは大根の葉の部分に、それぞれ多く含まれています。

ここで、気が付きましたか?

大根を買ってきても廃棄をしている葉や皮の部分、まさにゴミになってしまっている部分にこそ大事な栄養素が含まれているんです!
今日から、お料理をする際には、大根の皮や葉の部分も廃棄せずに、食卓に取り入れて、ジアスターゼやビタミンCを効果的に摂取してみてはいかがでしょうか。

なお、新鮮でおいしい大根を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
スーパーなどで大根を選ぶ時には、ぜひ参考にしてみて下さい。

  • 肌が色白滑らか、ぴかぴかしたツヤとハリがある

  • ずっしりとした重量感がある

  • できれば葉付き、葉が新鮮でピンとしている

  • ヒゲ根があまりたくさん出ていない

3.東洋医学的な効能

東洋医学的な、大根の属性と効能についてご紹介をします。
大根は『生』と『熟(加熱する)』では効能が異なります。

生で食べる場合には、上昇発散させて冷やす作用が強く、加熱して食べる場合は、補養・下降させて温める働きが強く作用します。
また、生・加熱のどちらとも、解毒・生津解渇・下気消食・止血・止咳化痰の効能をもちます。

【性質と味】 生:辛・甘、涼  熟:甘、温、平
【関連する臓腑経絡】 脾・胃・肺・大腸経

【生】
①清熱(せいねつ) 
肺の熱を冷まして、痰を出しやすくするととともに、気を引き下げます。
咳、痰、声が出ない、などの風邪症状、風邪予防に果的です。
②消食
消化不良を解消します。
③外用の効能
清熱解毒の作用を持ち、皮膚病、口内炎などに効果的です。

【熱】
①化痰
胸のあたりのつまりをとる作用を持つことから、咳と痰に効果的です。
②解毒
体内の毒素を分解する作用を持つことから、風邪、喉の痛みに効果的です。
③消食
整腸、胃腸の働きを高めす作用を持つことから、腹部膨満感、下痢に効果的です。
④その他の効果
そのほかにも、補虚、瀉下、収渋、燥湿、外用の効能を持ちます。

※注意事項
もともと胃腸が弱く内臓が冷えがちの人は、一度にたくさんの大根を生食すると下痢をしやすくなることから、気を付けたほうが良いでしょう。

4.だいこんの簡単レシピ

今回は食事というよりも、とっさの時に簡単にできる家庭療法として、大根の簡単レシピをひとつご紹介します。

なんとなく風邪をひいたような感じで、喉がイガイガ、咳と痰が気になる。
さて、手元に風邪薬の常備がない、なにか薬以外で代用できるものはないだろうか?と困った時、ぜひ【大根の水あめ漬】を試してみてください!

【大根の水あめ漬】

1.準備と下ごしらえ
大根と水あめ。
大根はきれいに洗い、薄くスライスします。
スライスにはスライサーを使ってもよいでしょう。
次に、スライスした大根を皿などの容器に並べ、水あめをかけます。
水あめの量は好みによりますが、スライスした大根の表面がおおわれる程度の量でかまいません。

2.大根エキスが出るのを待つ
1.で下ごしらえしたものを常温で数分おいておくと、大根から水分が出てきます。
この水分には、大根エキスがたっぷり含まれています。

3.飲む
この上澄みの部分を、スプーンなどですくって数回にわけて少量ずつ飲みます。

すぐに飲み切らない時はラップをして、冷蔵庫で数日間は保管ができます。

なお、水あめは蜂蜜でも代用が可能です。

わたしがまだ幼いころ、風邪をひいた時にはいつも祖母が作ってくれた、この自家製の大根の水あめ漬。
当時の記憶ですが、これを飲むと喉の痛みと咳が不思議と柔らぎました。

ぜひ一度簡単レシピをお試しくださいね。

そのほか、インターネット上には、だいこんを使ったたくさんのレシピが出回っています。
それらを活用して、だいこんを上手に食生活にとりいれて、寒い冬を元気にのりきりましょう!

いかがでしたでしょうか?
『大根は冬の強い味方!?』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』


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