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批評・感想一覧

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#読書感想

【読書感想】汝、星のごとく  叶

【読書感想】汝、星のごとく  叶

友人が貸してくれた一冊。
まずタイトルが素敵『汝、星のごとく』。
あなたは星のように、の続きが気になる。
星のように美しいのかしら、星のように輝いているのかしら、
もしくは星のように届かないのかしら。
 
タイトルからこのような印象を持ち、
ページを開き、一行目。

「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく。」
 
胃もたれがしました。
わたしの記憶が正しければ、
歌野晶午の『葉桜の季節に君を想う

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【読書感想】文豪たちが書いた殺しの名作短編集  叶

【読書感想】文豪たちが書いた殺しの名作短編集  叶

前々から

読書量が少ない

読む作家(好み)が偏る

という自分の傾向からあまり良くないものを感じ、
いわゆる文豪と呼ばれる人たちの作品も触れておきたいなと考えていました。

しかしわたしの地元の書店に並んでいるものはパンを焼いたり占いをしたり、
はたまたNISAや話し方で財を成して異世界に転生することが好きな人に向けた書籍が多くなかなか心惹かれるものが見つかりませんでした。
どうしたものかし

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最近読んだ本あれこれ〜熊楠はイギリスで怪談を回想〜  もりたからす

最近読んだ本あれこれ〜熊楠はイギリスで怪談を回想〜  もりたからす

巷で話題の新書によると、人はどうやら働いていると本が読めなくなるらしい。あまりちゃんと働いていないことで日々の読書が捗っている私が糾弾されているようでやや肩身が狭い。水泳をやっていたせいか、人より肩幅が広いので、狭めると窮屈で仕方ない。

以下、最近読んだ本の中から数冊を選び、感想なぞつらつら書いていく。

(1)南方熊楠/鶴見和子/講談社学術文庫

私は水木しげる『猫楠』を読んで以来、南方熊楠が

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【読書感想】46番目の密室  叶

【読書感想】46番目の密室  叶

わたしにとってはじめて読む有栖川有栖作品でした。

有栖川有栖という、作者と同じ名前の登場人物が出てくる作品には『学生アリスシリーズ』と『作家アリスシリーズ』があり、
今回わたしが読んだ『46番目の密室』は後者の第一作目にあたります。
 
『作家アリスシリーズ』は推理作家の有栖川有栖が語り手兼ワトスン役となり、
探偵役であり友人の犯罪学者火村英生と事件を解決していく作品。
少し前にドラマ化もされま

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