AQSim.info

養殖業をはじめとする水産の基礎・最新ニュースをわかりやすく解説していきます。水産業が盛り上がっていくこれからの時代、かゆいところに手が届くような発信を。北海道大学水産学部発スタートアップ「AQSim」を母体とする情報メディアです。読み方は「アクシム」

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養殖業をはじめとする水産の基礎・最新ニュースをわかりやすく解説していきます。水産業が盛り上がっていくこれからの時代、かゆいところに手が届くような発信を。北海道大学水産学部発スタートアップ「AQSim」を母体とする情報メディアです。読み方は「アクシム」

マガジン

  • 「AQSim」のこと。

    株式会社AQSim(アクシム)がやっていること、考えていることを発信します。AQSimのことをもっと知りたい!AQSim.infoって何?という方はこちらをご参照ください。

  • 「売る」を考えたい!

    魚を売りたい、養殖の事業を成功させたい。そんな時に知っておくと役に立つ知識を集めてまとめていきます。持続的な事業にするためのヒントを探している方はぜひ。

  • 「育てる」を知ろう!

    魚を飼育するときに生じる「何これ?なぜ?」を一緒に学んでいきます。魚を育てている方、魚が好きな方、養殖のことを勉強していきたい方が読んで貯め占める発信をまとめます。

最近の記事

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AQSim.infoの自己紹介

このたび、北海道大学水産学部発のスタートアップAQSimを母体とし、noteアカウント「AQSim.info」を開設いたしました。 陸上養殖に関わる方々が知っておくべき基礎的な知識、最新の情報をわかりやすく、すぐにアクセスできる情報として随時提供していきます。 ちょっとした違和感。 AQSim.infoは、昨今の陸上養殖業界にある、ちょっとした違和感をキッカケとして構想されました。 陸上養殖の盛り上がりと、その大義 陸上養殖業界はここ10年ほどで盛り上がりを増してい

    • AQSimが見る課題 CEOに聞いてみた#2

      Q.なぜ、AQSimを起業したのでしょう。インタビュアー: AQSimは北海道大学発の水産ベンチャーですね。 基盤となっている技術を活かすのであれば、大学でも水産業の課題解決に向けた研究はできるのではと思いますが。なぜ起業という決断に至ったのでしょうか。 倉橋CEO: 確かに、私たちは大学の技術を活用しています。 ですが、 その技術と現場の間にはまだまだ乖離があります。 本当に水産業の課題を解決していくためには、架け橋となる存在が不可欠でした。実際のところ、水産業の課

      • 2027年「スマート水産業」までの見えない課題

        育てるを育てる。AQSimです。 「2027年」この年は実は日本の水産業にとって特別な年です。 日本の水産業を、「水産資源の持続的な利用と、水産業の成長産業化を、両立した状態」=スマート水産業に向けるために様々な取組みが進められています。 その一つの目標となる年が2027年なのです。 近年では、データを連携したり、ICT機器を上手く活用して持続的な経営に近づいた事例の報告が増えています。それを導入するためのインフラも徐々に整えられているように見えます。 …ただ、あと

        • 水温を上げるヒーターの仕組み~部品同士の連携作業

          育てるを育てる。AQSimです。 外気が寒くなる季節、水温ヒーターの稼働を抑えることが魚の飼育コストを抑えるポイントになります。 先週の記事では 梱包シートを使って簡単にできる方法を1つご紹介しましたが、 そもそもな話、 水温ヒーターはどんな仕組みで動いているのでしょう?? これを知っておけば、知恵を活かして別の節約の仕組みを思いつくかもしれません。  水温ヒーターの3ポイント一般的に水温ヒーターは、 ・ヒーターエレメント ・温度センサー ・サーモスタット と呼ばれる

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          3本
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        記事

          AQSimって、何の会社?CEOに聞いてみた#1

          育てるを育てるAQSimです。 “CEOに聞いてみた” 普段は水産業や魚の飼育に関する話題を幅広く発信している「AQSim.info」ですが、その母体、「AQSim」って何をしている会社なの?どんなことを考えているの?という疑問に答えていくシリーズ記事を発信していきます。 AQSim.info担当の私が、読者の皆さんの目線にたって倉橋CEOに率直な質問を投げかけていきます! 第一回は、そもそも、気になることから。 Q.AQSimって何をする会社? 倉橋CEO: 養殖

          AQSimって、何の会社?CEOに聞いてみた#1

          すぐに簡単に、水温を維持するプチ工夫

          育てるを育てる。AQSimです。 10月になり、少しずつ、あるいは急激に秋の空気となってきました。 夏の服装だと肌寒いと感じるようになった地域もあるかと思います。 空気が冷たくなるということは、水も冷たくなっていくということ。 魚にとって適正な水温が保たれることは死活問題ですから、水温ヒーターの働きも増えていくはず。 ここで気になってくるのが、ヒーターによる電気代です。 できるだけこれを抑える工夫がしたい。 そんなときに、すぐに簡単にできる方法がありますのでご紹介しま

          すぐに簡単に、水温を維持するプチ工夫

          うまく・はやく・つよく「交雑育種」とは?

          育てるを育てる。AQSimです。 もう6年前になりますが。 こちらの画像をご存じの方はいらっしゃるでしょうか? ブドウの家系図。 あのブドウとあのブドウが掛け合わさってあのブドウが出来ていたんだなぁ、そのブドウとあのブドウがさらに掛け合わさってこのブドウが出来たのかぁ、そのブドウとこのブドウでどのブドウになったんだろう。ブドウとブドウでブドウが作られて、ちがうブドウ同士を掛け合わせると子のブドウはまたちがうブドウになるんだなぁ…と。 ブドウの品種の多さ、家系図の複雑さ

          うまく・はやく・つよく「交雑育種」とは?

          養殖界の希望の光は何色か?

          育てるを育てる。AQSimです。 緑色の光を浴びせると、 ヒラメがグングン成長する! 青色光で、魚の子どもの動きを操れる! そんな話があったら、皆さんは信じますか? まるで魔法のような話ですが、これらは科学的な検証から示されてきています。本記事では近年急速に発展が進んでいる「魚と光」のお話しを紹介していきましょう。 光の色って?私たちが普段目にする光の中には、たくさんの波長をもった光が混ざっています。たとえば太陽光は様々な色の光が重なり合ってできています。 こちら

          養殖界の希望の光は何色か?

          ストレスで食べちゃう人、食べない魚

          育てるを育てる。AQSimです。 「どうにも食べ過ぎてしまう…。」 そんな悩みを抱える人は少なくないでしょう。 では、こちらは? 「魚が餌を食べてくれない…。」 こちらの悩みを抱える人はぐっとニッチになると思いますが…、 魚を飼育する、とくに養殖する人にとっては重たい問題ですね。 ヒトと魚で逆のことが起こっているのに、 実はこの原因には共通部分があるのだとか。 ヒトの「感情食い」人間が食欲を過剰にもってしまったり、あるいは失ってしまうことには様々な理由があります。

          ストレスで食べちゃう人、食べない魚

          ブランド魚、ブランドになってます?ブランド魚、利益になってます?

          育てるを育てる。AQSimです。 『ブランド化』 一次産業に少しでも関わる人で、この言葉を聞いたことが無いという人は殆どいないのではと思われる言葉です。 水産業界、養殖業界でもブランド化された商品は途方もない数あります。 みなと新聞によると、なんとご当地サーモンだけで100ブランドを突破しているそう。 広がるご当地サーモン 全国産地マップ |みなと新聞 (note.com) おおむね、特別な基準をクリアした質の良い商品や、地域の歴史や風土とともにストーリーが付与された商

          ブランド魚、ブランドになってます?ブランド魚、利益になってます?

          目に見えないアンモニアが魚に有毒!?中毒を予防する3つの水質管理を解説

          育てるを育てる。AQSimです。 魚を飼ってしばらくすると目立ってくる水槽の汚れ。 汚れがひどいと魚に悪影響が及び、放っておくと死んでしまう。 だから定期的に水槽を掃除したり、水を交換したりしないといけませんよね。 では、汚れはどうして魚に悪影響を及ぼすのでしょうか?  実は、そこには目に見えない有害物質「アンモニア」が関わっています。 アンモニアはどこからくるのか、どうやって対策していけばいいのか。 とくに陸上養殖では、大規模な水槽を何度も入れ替える作業は手間

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          「陸上養殖でつくった」を売りにするときに考えたいこと

          育てるを育てる。AQSimです。 商品って、 どうすれば売れるのでしょう? 答えは、商品の種類や性質、事業規模、取引先、誰が、いつ、どこで売るのか…などなどなどなど。様々な条件によって異なるでしょう。むしろ誰も明確な答えは見つけられない疑問とも言えます。 ただ、1つシンプルに言えそうなことはあります。 商品が売れるには、 消費者に、「買ってもいいかな」と商品を受け入れてもらうステップがある。 行ってしまえば当たり前。 ですが、そのメカニズムへの理解は深めておいた方が

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          水温を下げるクーラーの仕組み~冷媒ガスは旅をする

          育てるを育てる。AQSimです。 暑い季節。 クーラーが効いた部屋に入ると生き返る心地がします。 魚だって同じです。 気温が高くなれば水槽内の水温も上がっていってしまいます。水温の解説記事で説明したように、魚にとって水温がよき範囲で保たれることは超重要。だからこそ、アクアリウムや陸上養殖では大きな電気代を費やしてヒーターやクーラーで水温を維持する必要があるのでした。 では、ここでみなさんに伺いたい。 電気を使って、なぜ水温を下げることができるのか説明できますか?

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          水質って何?ChatGPTと一緒に整理してみた。

          育てるを育てる。AQSimです。 日本で急拡大中の陸上養殖事業。その事業展開は凄まじいスピードで進んでいます。一方で、さまざまな技術や要素が凝縮されたシステムとしての陸上養殖をしっかり理解するには、基礎の部分もしっかりと理解しておく必要があるでしょう。 さて、魚は水中で生きる動物ですから、水質は重要です。 私たち人間が空気中で生きる動物で、空気の質が重要なのと同じく。 でも、そもそも水質って何ですか…? 様々な種類の水の「質」がありますが、整理できていますか? 本

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          エアレーションの視えない効果?気にするべきは魚の密度!

          育てるを育てる。AQSimです。 水棲生物を飼育するときのおとも、エアレーション。 水槽内にブクブク泡を吹かせるエアレーションの目的が何かと聞かれたら、「魚に酸素を供給するため」と誰でも答えられるはず。 しかし皆さん、視えてますか? 酸素がどうやって供給されているか。エアレーションが他にも果たしている役割とは何か。さらには、適切なエアレーションの量について。 本記事では、実は視えていなかったかもしれないエアレーションのアレコレをお伝えしましょう。 密度を大きくするな

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          「水温」はなぜ魚を育てるときに重要と言われているのか?

          育てるを育てる。AQSimです。 魚を健康に育てていくために、水質を適切に保っていくことは重要です。 この「水質」の中身には、じつに多様なパラメーターがあります。 ただ、漁業でも、陸上養殖でも、ご家庭のアクアリウムでさえも、誰もがモニタリングしているものとなると限られてきます。 そんな普遍的なパラメーターとして、まっ先に思いつくのは「水温」ではないでしょうか? では、なぜ「水温」が魚にとって重要なのか。 そして、なぜ「水温」が魚を育てる人間にとって重要なのか。

          「水温」はなぜ魚を育てるときに重要と言われているのか?