![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158010060/rectangle_large_type_2_df9aaa1d9db5ab3975c4c75f9281cce8.png?width=1200)
すぐに簡単に、水温を維持するプチ工夫
育てるを育てる。AQSimです。
10月になり、少しずつ、あるいは急激に秋の空気となってきました。
夏の服装だと肌寒いと感じるようになった地域もあるかと思います。
空気が冷たくなるということは、水も冷たくなっていくということ。
魚にとって適正な水温が保たれることは死活問題ですから、水温ヒーターの働きも増えていくはず。
ここで気になってくるのが、ヒーターによる電気代です。
できるだけこれを抑える工夫がしたい。
そんなときに、すぐに簡単にできる方法がありますのでご紹介します。
プチプチシートが断熱材に。
結論、
水槽や飼育タンクの周囲に梱包シート(プチプチ)を隙間なく巻くとヒーターの稼働をいくらか抑えることができます。何層にも巻けばより断熱効果が高まります。簡単ですよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1729046435-67BAFNvisrLa5WhmeMKjRzt9.png?width=1200)
知っていた方や、現場で見たことあるな~という方もいるかもしれません。
魚の飼育に限らずみれば、窓にプチプチを貼ると室温が保たれるという話は聞いたことがある人も多いでしょうか。
では、なぜ断熱効果があるかご存じですか?
本記事ではそこを少し深ぼっていきます。
断熱の鍵は空気の層
![](https://assets.st-note.com/img/1728960988-uEJq3gl5sSneAy6p7HwiOb98.png?width=1200)
なぜ、梱包シートが断熱効果を生むのでしょうか。
それは、
梱包シートが空気の層を含んでいる=プチプチの中に空気が閉じ込められていることが断熱に貢献しているからです。
実は、空気は熱を伝えにくい性質を持ちます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728961025-1cNpzfU9dYRDgHLwOTsaey68.png?width=1200)
こちらのグラフを見ると、乾燥した空気が桁違いに熱を伝えにくい性質をもつことがわかりますね。
飼育タンクの壁と外気の間に空気の層を作ることで、外気との熱のやり取り(=侵入・逃げ)が抑えられるのです。また気温の急変に対する、水温の急変も緩やかにもなります。
巻かなくても周りに空気あるけど?
さて、ここで疑問を持たれる方もおられるでしょう。空気が熱を伝えにくいのであれば、タンクに何も巻かなくても空気に接しているから同じなのでは?と。
確かに、飼育タンク自体も空気に触れています。しかし外気と梱包シートの空気層には決定的な違いがあるのです。
梱包シートが特に断熱効果を持つ理由には、空気の「流れ」と「封じ込め」に関する物理的な性質が大きく関係しています。
これを理解するために、いくつかのポイントを説明しましょう。
1. 空気の封じ込めによる断熱
空気自体は熱伝導率が低いのですが、空気が自由に移動できる場合(風が吹いているなど)は、対流によって熱を簡単に運んでしまいます。
扇風機で風を生み出すだけで涼しく感じると言えば、理解しやすいでしょうか。あるいはお風呂より何十度も高い温度でもサウナに入っていられるという例も身近ですね。
飼育タンクがそのまま外気に触れていると、風や温度差による空気の移動が生じやすく、これが「対流」による熱の移動を引き起こします。対流が発生すると、空気は熱を運びやすくなり、タンク内外にある温度差をちぢめてしまうのです=冬は水が冷えやすく、夏は熱せられやすくなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1728961089-gnGye2f6jXIDHE1VqtObiRSF.png?width=1200)
一方、梱包シート(プチプチ)は、空気を「静止した状態」で閉じ込めています。タンク周囲の空気が自由に動くことができないため、対流が起こりにくくなります。結果として、外部の温度の影響が抑えられ、タンク内の水温が安定しやすくなるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1728961108-fWp9P8IE7AuB4ZeFxlL3QTib.png?width=1200)
2. 密閉による風の影響の低減
梱包シートをタンクに隙間なく巻くことで、タンク表面に風が直接当たることを防ぎます。風が吹くと、タンク表面にある空気が流れ、温度差を素早く伝える原因になります。しかし、梱包シートで覆うことで風の影響が抑えられ、タンク内の水温がより安定します。
逆に言えば、梱包シートとタンクの間に隙間が多くなってしまうと、タンク内の水と外気の温度差で空気の対流が起こり、断熱効果は落ちてしまうので注意しましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1728961158-zTupcUb8RSKQ9VNOfhDxAYZi.png?width=1200)
まとめ
・動き回らない空気があること
・タンクに空気の流れを当てないこと
これらが梱包シートが断熱効果を発揮する仕組みなのでした。
一般的な断熱材でもこの仕組みが働くようです。梱包シートでの断熱の魅力は安価に簡単にできること。水温維持にかかるコストを抑えるための参考になれば幸いです。
他にも、簡単にできる断熱の工夫は色々とあるかと思います。ぜひコメントにて教えてください。
育てるを育てる。AQSimがお届けしました。
参考になったらスキを押して応援よろしくお願いします!