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NO,46 お寺と地獄絵図

今年もまたやってきた
ヤツがやってきた
そうお寺からの郵便物だ

秋のお彼岸を今年もやるらしい

我が家がお世話になっているお寺は
春 お盆 秋と毎年3回
合同供養の日がある
そして卒塔婆を頂くのである

これまではずっとお盆の時期に行っていた

今年のお盆は色々あり
お彼岸の日に行く事にしたのだった

お盆の時期は
地獄の窯の蓋が開く日だとか言われるが
いつも地獄絵図が書いた巻物が
飾られていた

20枚ぐらいあっただろうか?
窓の場所に向かって左から右に
天国から地獄の絵が書いてあるらしい

私はよく見ていないのだが
姪と一緒に見た事のある妹が言っていた

私の記憶だと真ん中ぐらいに
閻魔大王と裁きを受ける人が
描いていたはずだ

私が子供の時からあった気がするので
もうかなり長い間お盆の時期には
張り出されている年代物である

本当は時間があれば
ゆっくり見てみたい気もするのだが
それだと1番乗りで行かないといけないので
朝が弱くお寺はそこそこ遠いので
私はまだ全貌を知らないのである

ここのお寺とは祖父が
亡くなった時からお付き合いが始まり
境内墓地の中には
祖父 祖母 父 水子の叔母が納骨されている

その間には色々あった
前の住職が亡くなり今の住職になった

その時にも呼ばれたので父と祖母と
一緒に行った記憶がある

今の住職のお弟子さんは息子さんだ
そして孫もこの道に進むみたいである

私はこのお寺に
ずっとお世話になっているのだ

そして孫が子供用の袈裟を着て
一生懸命に卒塔婆を運ぶ姿を見て

英才教育か?
それとも坊主丸儲けの家族商売か?

などと心の中で思いながら
名前が呼ばれるのを
長い時間ずっと待っていた

その時に順番が回ってきて名前を呼ばれた
順番に焼香をしながらよく聞くと
何かがおかしい気がする

卒塔婆を貰いよくよく見てみると
妹の名前が達筆な字で書かれていた

妹は供養されてしまったみたいだ

では目の前にいる妹は何なのだろうか?
オバケなのだろうか?

後でよくよく聞くと朝に急いで書いたので
間違えて自分の名前を書いてしまったらしい

そーいう事は前の日から用意せんかい!

と私の雷を落とされる妹なのだった