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抗コリン薬。胃潰瘍や不整脈などに使われる薬だが、運動・認知機能の低下を生じさせる薬。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは、「抗コリン薬」という薬をご存知でしょうか?

「抗コリン薬」は、咳、花粉症、過活動膀胱、不整脈など多くの疾患に用いられていますが、高齢者を主体に運動・認知機能の低下などの有害事象が生じる恐れがあって、海外ではそれぞれの薬害を総括した評価表が作成されています。

日本でも2024年、日本版が完成し、市販薬にもリスクの高い成分が混じっていることが明らかで、「抗コリン薬」を適切に用いることの助けとなるかと思います。

具体的には、
神経伝達物質・アセチルコリンは副交感神経の機能を活性化し、様々な臓器などに甚大な影響を生じさせます。主な症状は、不整脈を起こしたり、咳や鼻水が異常に出たりなどをします。

そうした機能を抑制するのが「抗コリン薬」で、パーキンソン病、胃潰瘍、下痢、精神疾患などにも用いられていて、非常に用いられている割合が高いと想定されます。

高齢者に大して複数の「抗コリン薬」が用いられていることが多く、さらに薬害のリスクが上がります。世界的に投薬管理の必然性が危惧され、薬物でただ一つ、「リスクスケール」と言われているリスク評価表が作成される運びとなりました。

海外ではアメリカ、ブラジル、ドイツ、韓国など十数ヵ国が作成済みです。

今回は、「抗コリン薬」の副作用と、リスクをスコア化したこの話を述べたいと思います。

「抗コリン薬」の副作用

▽精神神経系症状
目眩、頭痛などが出現する場合も

▽消化器症状
便秘、口渇、吐き気など
が出現する場合も

▽抗コリン作用による眼圧上昇、排尿障害、イレウスなど
起きる頻度は稀ですが、散瞳などによる眼圧上昇、消化管運動抑制による尿閉、イレウスなどの排尿障害など
が出現する場合も

用いられる薬によっては、前立腺肥大やイレウスなどによる排尿障害、緑内障など患者さんなどへ使用できない場合も

参考:抗コリン薬の解説 日経メディカル

2024年5月、日本では、日本老年薬学会が日本版「抗コリン薬」による「リスクスケール」を総括し、学会の公式ホームページで掲載しました。

日本で入手できる薬の中で、漢方薬など一部を除いて薬理評価や文献調査などを行い、リスクの強さを最高3から1までのスコアで判定しました。対象になった薬は158種類。スコア3に該当したのは37種類、スコア2が27種類、スコア1が94種類でした。

専門家はスコア3までになると、
「できることならば、使用を控えたり、スコア2以下の薬物に置き換えるべき水準」
だとし、

胃潰瘍、抗うつ薬などの消化管疾患の治療薬といった副作用が多そうな薬以外に、アレルギー疾患治療薬が多く用いられていますが、
薬店・薬局で販売されている一般薬でも、スコアが付いた薬が36種類(スコア3が15、スコア2が4、スコア1が17種類)がありました。およそ1万の販売品目の中で37.6%に該当するといいます。

販売品目が多い薬としては、アレルギー疾患治療薬のジフェンヒドラミンとクロルフェニラミンが1位と2位で、この2つは風邪薬などにも入っている場合があります。

いずれもスコアは最高の3。リスクと効果のバランスをどう判断するか、購入する際の服薬指導は十分に行われているかなどがこれから先、国などが議論をしていく必要があります。

母も飲んでいたかもしれない

私の母は心配事があると、夜眠れなくなります。そのことで、時々睡眠剤を飲んで、寝ているのですが、

以前手術する前の病院に通院していた時に、睡眠剤を出されていたのですが、後から別の病院で、「この薬は認知症になる薬だ」と言われ、転院した病院からは「この薬だったら、認知症にはなりませんよ」と言われたそうです。

その話を聞いた後、「もしかして…?」とその薬を調べてみましたが、「抗コリン薬」ではありませんでした。

ただ、その薬は、ルネスタといい、その薬で検索すると、母が病院で聞いた通り、認知症になりやすいと書いてありました。

「抗コリン薬」は色んな病気に効く万能薬ですが、それでも広範囲に、甚大な副作用がある。

私も薬を既往歴の関係で飲んでいますが、全て飲み合わせを色々考慮しながら、処方して頂いています。

私がいつも通院する病院では電子カルテが共有され対応ができますが、風邪などを引いて、地元の病院に行く時は、いつも先生が処方に困り、問診だけで終わる時もあります。

私のある頓服薬も実は良くないという記述もあったりします。

それは薬は害にもなるという表れ。

「抗コリン薬」も、色んな病気に使用されている以上、日本でも議論が深まらなければならないことだと思います。


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