「歯科心身症」。歯が痛いのに治療しても治らない…。心因的な要因が潜んでいるかも⁉
こんにちは、翼祈(たすき)です。
「歯が痛いな…」と感じて、歯医者に行くと、「どこも異常はないですよ」と言われた経験、ありませんか?
私にもあります。歯がズキズキして痛み、歯医者に行くとどこも異常なく、「あれ?」って何度も思いました。
それはもしかしたら、「歯科心身症」という病気なのかもしれません。
舌がピリピリする、治療したはずの歯がずっと痛い…。口の中や歯にハッキリとした異常がないのに、こうした味覚障害もなく、鎮痛剤を飲んでも引かない痛みや不快感が続いている人がいます。その病気は、「歯科心身症」と言われていて、一般的な歯科治療では改善しづらいとされています。
今回は、「歯科心身症」の専門家の話に耳を傾けながら、この病気の症状、原因、治療法などを多角的にお知らせしたいと思います。
「歯科心身症」とは?どんな症状や治療法がある?
東京都にある「歯科心身症」の治療を施しているラクシア銀座歯科クリニック院長の男性Aさんによりますと、症状は多岐に渡るといいます。代表的な症状では「原因の分からない痛み」と「口の中の異常な感覚」の2つが挙げられます。
痛みの中で最も多いのが「舌痛症(ぜっつうしょう)」です。舌に火傷した様な感覚や、ピリピリとした痛みが続きます。「舌痛症」以外の症状では、歯の根の抜歯や治療などの後に続く原因不明の歯の痛みを訴える人も多いと言われています。
一方の「口の中の異常な感覚」は、味覚に異変を感じたり、口の中に異物感や口腔乾燥、ネバネバ感、ザラつきがあったりする「口腔内異常感症」などが挙げられます。
また自分の口臭を異常なほど気にし過ぎる、「口臭恐怖症」という症状が出現する場合もあります。
大きな異常ではないものの、矯正治療を受けた後などに、上下の噛み合わせの違和感が続く、「咬合異常感(こうごういじょうかん)」の人もいます。
こうした症状はいずれも、舌や歯自体には歯科的な異常が認められないのが特徴だといいます。
ラクシア銀座歯科クリニック院長の男性Aさんは、「一般的な歯科医院で、矯正や抜歯などの処置をどれだけ繰り返しても改善しないことで悩んでいる患者さんも多くいます」と指摘します。
何が原因で起きるのでしょうか?
ラクシア銀座歯科クリニック院長の男性Aさんは、「明確なメカニズムは明らかになっていませんが、口の中の感覚に関与する脳機能の不調が原因と想定されています」と述べます。
脳の画像を分析すると、「歯科心身症」の患者は普段より広い範囲で血流量に左右差があることなどが判明しました。「性格や気持ちの問題ではありません」と主張しました。
こうした脳の不調が起きる引き金の1つが、口への刺激だと想定されています。特に歯科治療がきっかけで起きることが多いとされてます。それ以外でも、疲労や睡眠不足、ストレスなども要因になると想定されています。もともと頭痛持ちなど、痛みに敏感な人も「歯科心身症」を罹患しやすいと想定されています。
参考サイト
“歯科心身症”とは?~主な種類や症状、治療法について~ 新潟西クリニック(2022年)
東京医科歯科大大学院歯科心身医学分野の教授の男性Bさんによりますと、「歯科心身症」の問題は歯科業界では古くから認知されていて、少しずつ治療の必要性が認識されてきました。1986年には日本歯科心身医学会が設立され、研究が続けられてきました。
その反面、「ほとんどの歯科医師は微かに『歯科心身症』のことを知っていますが、適切な治療に至っているわけではありません」とも言いました。
日本歯科心身医学会が定めた指導医や認定医はおよそ90人いますが、一部の大学病院や都市部のクリニックなどに限定されるとします。
東京医科歯科大大学院歯科心身医学分野の教授の男性Bさんは、「患者さん側の『歯科心身症』の認知度は低く、歯科医側もまだまだ誤解が多い病気です。専門医の育成やメカニズムの研究を進めていきたいです」と課題を懸念しました。
◉治療法
ここからは、「歯科心身症」の治療法について、紹介したいと思います。
治療は、いかに脳の働きを整えるかが最大のポイントとなります。最初に歯科治療を中止して刺激を止めた上で、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗精神病薬を主体とした薬物療法を実施します。抗うつ薬で7~8割の患者が「歯科心身症」の症状が軽減するといいます。漢方薬や鎮痛薬を処方する場合もあります。
内服と並行して生活習慣の改善も効果的だとされています。疲労を蓄積させないこと、7時間を目安にした睡眠、栄養バランスの整った食事に加え、適度な運動をして症状を意識させない時間を増やすことが推奨されます。その上で「『歯科心身症』は、口の中や歯の問題ではなく、脳の問題だと、患者さんの認識を修正することも大切」だといいます。
治療を始めて半年から1年ほどで「歯科心身症」の症状が軽減する人が多いといいますが、「歯科心身症」ではなく、精神疾患の場合もあることで、問診で慎重に見極める必要があるとされています。
この様に、「歯科心身症」には単なる脳の働きの場合だけではなく、精神疾患が隠れている場合もございます。もし歯科医で治療しても痛みが取れない場合は、歯科心身医療科などへの受診も検討して欲しいと思います。
私も同じ様な経験を過去にした
どこかの記事で書いた話ですが、2024年6月が特に今年は今のところ1番忙しい月でした。私はよく障害・病気・難病の新しい治療薬、治療法、研究の記事を積極的に書くのですが、2024年6月はその様な話が、湧き水の様に溢れ出ていました。
どの様な状況かというと、書いても書いても、新しい記事が出て来る時でした。コツコツ、1日2記事書いても、多い日で、2〜3記事出て来ることが、3週間強続きました。
この時は精神的にも身体的にもボロボロで、疲れが溜まりやすくて、ストレスも半端なかったです。確かこの時、歯の食いしばりなどもして痛かったと思います。
最終的には、2024年6月の3週間強の中で、25記事書いて、ひとまず完了したのですが、書き終わった時、ストレスや疲労は勿論、歯の痛みも消えていました。
今思うと、「歯科心身症」の様な症状が出ていたのかもしれませんね。
2024年8月、まだ書いていない、違う新しい治療薬、治療法、研究の記事が出て来ていますが、やはり2024年6月が異常に多かっただけで、今書いていないのは、5、6記事程度で留まっています。
「歯科心身症」は、本題にも書きました通り、脳の働きの場合だけではなく、精神疾患が潜んでいることもある病気だと書きました。もし歯科医で治療しても長引く、治らない歯の痛みなどがございましたら、歯科心身医療科などの受診も検討して頂きたいなと思いました。