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書道のこと

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書道教室で、書くを伝える身として、いろんな角度から見つめるあしあと。
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記事一覧

じゃあ、手で書くはいらないか

じゃあ、手で書くはいらないか

「いまどき習字なんて。会社に行っても手で書くことなんてほとんどないのに。と言われたの」

このようなことを最近聞いた。

うん、この価値観もあるでしょうね。

そして、もちろん、あっていいとおもいます。

でも、わたしはそうはおもわないので、書の道を大切にしています。

たしかに文明の利器により、書く機会は減りました。だからといって、切り捨てるのは蛮勇ではないかと。それに、世の中から完全になくなる

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夢を叶えるって、なんだ

夢を叶えるって、なんだ

先日、ひとつの記事がわたしを射抜いた。

夢を叶えるって、なんだ。

ひきたさんもばななさんも言う。

夢を叶えるとは、細かいことにひたすら追われているだけだ。コツコツやるしかない、と。

たしかに、そう言葉を発してきた活躍者は少なくない。

共感しつつ、ためしに書道を例に考えてみる。ひたすらに、ちまちまと微修正を繰り返すだけで一体どれほどの年月が経っただろう。教室では生徒さんにそれをやってもらっ

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急いだって、心が豊かになるわけじゃない

急いだって、心が豊かになるわけじゃない

武田双雲先生は、わたしにとって(勝手に)心の師としている方だ。先日、欧州初の個展が開催された際のインタビュー記事を読み、号泣した。涙のワケはわからない。ただ、言葉のすべてが響いてきて、気づけばボロボロこぼれ落ちていた。

デジタルの時代こそ「無駄」が必要 書道家・武田双雲さんがスイスで個展

「世界がどんどんスピード重視、効率化重視の時代になってきている中で、書道は墨をすって書くとか、すごく非効率

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自由って、コントロールって

自由って、コントロールって

より柔らかい筆に、変わった。

自由自在な動きを望み、力任せにコントロールしようとすれば、反対に不自由さが生まれる。

でも、もし、筆の性質に自身を委ね流れの中に身を投じることができれば、より自由度の高い表現が現れてくる気がする。

筆から滴り落ちる墨で、紙の上をもっとしなやかに渡り歩くことができたら。

つまり、一体感をもって「流れから生まれる美」を表現できれば、きっとそこには優美さや壮大さが浮

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癖からの脱却|教室

癖からの脱却|教室

う〜ん、癖からの脱却(脱皮)を、尊重しつつどう導いていくかがほんと難しい。地道で根気のいる伴走だあ。(書道の話だけど他に通ずる)



癖を整えるための段階的なプロセスを考えていたら、ふと「脱皮」という言葉が脳裏に浮かんだ。
仮に、その様が脱皮であるとするならば、相応のアプローチが必要となる。
それはたとえば、力づくで変えるというよりも、自らが殻を破っていけるような伝達や支援ができるというもの。

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自分と場の役割とは|教室

自分と場の役割とは|教室

2021.8.15(記)

書けば分かるのだよ。

何がって、思い通りに書けないってことが、分かるのだ。

それが自分との向き合いでもあるし、
力が試される瞬間である。

そんな時、教室という場があるからこそ、それでも書くというところに力強く落ちる。(ここがオンラインなどの一方通行なものではなく、対話的場所の為せる技であり、価値の部分。)
この過程全てが醍醐味であり、感性の育みにはものすごく大切。

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オリジナルを目指して|教室

オリジナルを目指して|教室

2021.5.12(記)

教室「 表現の探求室 」覚書
- 頭の中を書き出してみる -

本当にそれぞれなのだ。
性質もその日のコンディションも。

最初に、枠を与える。(自由すぎると互いにやりづらい。)
プロセスの枠は、基本でウォーミングアップした後に、今日の作品を一枚仕上げるというフロー。そして、家に帰ってから作品を親御さんに見てもらうこと。(親御さんには、子どもの作品に関心を寄せてほしい旨

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お稽古を通して届けたいもの|教室

お稽古を通して届けたいもの|教室

2020.12.28(記)

今日が本当の仕事納め。年内最後の書道教室でした。

子どもたちと書道を通してダイナミックに戯れて、本当に楽しかった。途中休憩しながらも、2時間とか通しで書いちゃう。
それぞれにペースがあるから、自分で納得できる作品ができたらやめていいよ、短くても長くても私はそこに付き合うからと伝えて。
(今日はお楽しみ会もあったので、書道作品作ってそこから2時間以上プラ板づくりやって

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