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記事一覧
「――」問題。その真相は?! <小説の書き方(小ネタ)>
二回にわたって、「――」のことをつぶやきましたが、いろんな方から返信、コメントをいただきました(Xでも)
私の勘違いもあったので、ここで整理してまとめたいと思います。
最初は小説の中で「……」と「――」をどう使い分けているか、ということから始まったのです。
そこに、「――」はワープロではどうやって出すのか?というご質問がありまして、
小説を書き始めた頃の私は、この「――」をワープロで出す方法
起承転結の起がつまらない
第28回日本ミステリー文学大賞新人賞、最終選考候補作が発表されました。
予選委員の杉江松恋さんが「起承転結の起がつまらない」作品が多いというコメントをしています。ぜひリンクした全文を読んでほしいのですが、私はやはりこういう基本に立ち返ることが大切なんだと思いました。
いろんな仕掛けやトリックを作っても、物語の冒頭にインパクトをつくらないと読み進めてもらえない。他のことに注力するよりも、まずこの
原稿がめくれなくてイラッとした時に
ダブルクリップなどで留めた分厚い小説の原稿でも
左隅に指を置いて逆回転させると、1ページずつめくれます。
ほかに、
紙の枚数を数えるとき
チラシを配るとき
などに使えます。
札束の枚数を数えたことはありませんが、できると思います。
主人公がその職業である理由
『汚名』五十嵐貴久さん
警察小説が読みたくて手にしたアンソロジーの中の一編。
後半に明らかにされる手掛かりから、何が起きたのかは予想できましたが、それが実現されるための警察組織ならではの「事情」が非常に説得力がありました。
誤解を恐れずに言えば、警察小説が特殊設定もののように感じたのです。
主人公が警察官だからこそ、その設定、舞台だからこそ成立する「動機」。とても冴えています。
小説を書
小説の原点は、自分を描くこと
『物語ること、生きること』上橋菜穂子さん
先日、多崎礼さんの『レーエンデの歩き方』を読みました。
それを読んだら、上橋菜穂子さんの創作の秘密を書いたこの本を無性に再読したくなりました。
あらためて
小説の原点は、自分を描くこと
だと思いました。
上橋さんが子どもの頃のことが書かれていて
ご自身がおっしゃっているのですが
本や学ぶことが好きなところはエリンに
強さに憧れるところはバルサ
リアリティって? <小説の書き方>
「リアリティがありませんね」
この言葉、作家が編集者によく言われるランキングのベスト3に入るのではないでしょうか。特に私がお付き合いしているミステリー作家さんは、みんな経験があるそうです。
飲み会では「そもそもリアリティって何なんだ!」と激しく盛り上がるくらいですから。
私もこれを言われて「そうなのかあ」としゅんとしたことが何度もあります。「展開が遅い」とか「キャラクターの書き分けができてない」
主人公を早く困らせないと <小説の書き方>
(今日は小暮沙優さん「弦月湯からこんにちは」を紹介します)
ミステリーとほかのジャンルの小説の違い
私はミステリーを主に書いていて、ファンタジー小説は今回のnote創作大賞に応募した小説が初めてなので、戸惑うことも多いです。
少し(かなり)単純に書きますが……
ミステリーは、冒頭で事件が起こり、謎が提示されて、容疑者が複数登場して、それらしい推理が紹介されて、トリックが解明されて、真相にたど
noteは異種格闘技戦? <小説の書き方>
(今日は「おはよう、私」さちさん をご紹介します)
メディアミックスすることで想像力は数倍に!
私は読書中に、そこで書かれていたり紹介されているものを調べながら読み進むことがあります。
たとえば
恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』ではピアノコンクールで奏でられた楽曲を聴きながら読みました。
佐藤究さんの『テスカトリポカ』は地図と首っ引きでした。
『ダ・ヴィンチ・コード』はヴィジュアル愛蔵版を入手
初めましての人間関係が難しい <小説の書き方>
先日は、一刻も早く主人公を苦境に突き落とそう、と言う趣旨の記事を書きました。
それと同時に、主人公を取り巻く主要なキャラクターを紹介し、どういう人間関係なのかを上手に説明することがとても大事だと思っています。
ところが、これが難しくて、人物紹介をするとストーリーが停滞しがちです。紹介のためのエピソードが退屈だったり、長すぎたりすると、これはなんの小説なのだろう、と思われてしまいます。
私が今
このラストで本当にいいの?<小説の書き方>
7/7、七夕で完結を予定している『紫に還る』(note創作大賞ファンタジー小説部門応募中)ですが、実はラストはまだ迷っています。本命と思っている締めくくりのほかに何通りものラストがあるのです。
実のところ、どの終わり方が良いのか、自分でもわからなくなっています。
迷っているのは、『ラストに含みを持たせるか』です。
ミステリー作家だからかもしれませんが、謎とその解明にはこだわります。
『紫に還る
主人公を落として上げる 創作大賞感想 <小説の書き方>
以前、『主人公を早く困らせないと』という記事で、主人公を苦境に突き落とすことが大事だと書きました(最後にリンクを張っておきます)。
それから主人公の活躍、成長が始まる、という流れがエンターテイメント小説の定番なのですが、この【落として上げる】という展開をいかに書くかが難しいのです。
【落とす】
私の連載している『紫に還る』でも
二親をなくして、頼りなく、自分に自信の無い主人公が、ある日、
この先、どうなるの? <小説の書き方>
読者に先を読んでもらうためには、いくつかのテクニックがあると思います。魅力的なキャラクター、主人公の苦難、感情を揺さぶる事件……。
私の場合は意外な展開があると(ありそうな気配がすると)読む手が止まらなくなります。
ファンタジーは初めてなので、私が連載している『紫に還る』の場合、どの程度、意外な展開が読者に求められているのだろう、と思いながら改稿を繰り返してきました。
書き始めると長くなる
作者が楽しめば、小説はもっと面白くなる <小説の書き方>
本当の主人公は作者
楽しんで書いていますか?
創作は楽しい、と私も思います。
書くこと、原稿用紙を埋める、キーボードを叩く、それら書くという行為そのものが楽しい。時にはライターズハイのような昂揚した気持ちになることもあります。
でも本当の創作の楽しみは、ほかにあります。
自分が面白いと思うことを小説の中に実現できたとき
これは面白いと確信して書いているとき
それが一番楽しいときではないでしょ