美緒

俳優です。思考や経験を言葉にして整理する場。記事の写真は全部自分で撮ってます。

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最近の記事

サカナは友達、エサじゃない

ワークショップに行ってきた。 全部で4日間のワークショップ。 ワクワクして臨んだ初日。 良い手応えがありつつも、何が起きてるのか全く分からないワークもあり、楽しさ半分、首傾げ半分と初日を終えた。 1晩考えても分からないモヤモヤを抱え2日目。ワーク前の質問タイムで意気地がなくて手を挙げられず、フラストレーションが溜まる。でも楽しかった。 とはいえ、やっぱりわからないものはわからない3日目。この違和感を解決したいと心がモゾモゾしたので、エイヤッと質問タイムで手を上げてみた。

    • Harmony

      無事に終演しました。 こんな風に、終演後の想いを綴るのは初めてで、いささか緊張します。 書いた文字はふた晩くらい寝かせろ、と大学時代によく言われたものですが、今日はこの熱量のまま出してしまいます。 さて、1年ぶりの舞台出演でした。 いつもなら、レッスンに行って、自分にない発想をお借りしたり、声を調整したりもするのですが、今回はそうもいかず…。 現場で、たくさんの先輩方に見てもらい、アドバイスを貰い、相談し、なんとか辿り着けました。 本当にこれで大丈夫なのかと考えながら、

      • 感覚と感情の蛇口

        まもなく、本番。 約1年ぶりの舞台出演である。 フィジカル的にはおっかなびっくりドッタンバッタン、メンタル的にはキョドりながらで、相変わらず挙動不審のキモ女として存在しているのだが、前回舞台出演した時と今回とでは内面が全然ちがう。 何が違うのかというと、 ずーーーっと、感覚と感情の蛇口が開きっぱなしなのだ。 この1年くらいひたすら、芝居のワークショップばっかり受けていたのだが(今度初めての有料記事にしてどんなところにいったのかまとめようと思う)、今までずっと相手からなに

        • ゆれる

          いいお芝居は人も空間もゆれている。 そんな話を聞いてから、 ゆれる瞬間を求め続けている。 初めてゆれる実感を得たのは今年の春。 ワークショップで、エチュードをした際、相手役の言葉で涙が溢れた瞬間があった。 あの瞬間、わたしは確かに ゆれて、 相手役も私の涙を見て ゆれた。 泣いたのは役を超えて私だったのに、エチュードを見ていた人から「役の人生が想像できた」と言われたのは、演劇が引き起こすマジックなのだろう。 こうして、あの演劇的「ゆれる」瞬間に取り憑かれて、どうにかあ

          I want to be a HERO

          大好きな漫画「僕のヒーローアカデミア」(以下、ヒロアカ)が完結した。 中学生の頃から、毎週月曜日には教室でジャンプを広げる生粋のジャンプっ子だった私にとって、少年漫画は青春だった。 ONEPIECE、NARUTO、テニスの王子様、アイシールド21、BLEACH、銀魂 … 黄金期の数々の名作がわたしの心の本棚に仕舞われているが、中でもヒロアカは特別だ。 ヒロアカは、夢や憧れのある人にはとても胸に刺さる物語だと思っている。少なくとも私はそうだった。 自分は凡人だと、才能な

          I want to be a HERO

          美の基準

          私の母は、「自分が美しい」と 知っている人間である。 昔の写真が出てきては、私に見せ、 「 見て!ママ、昔とても綺麗だったと思わない? 」と自慢げに言う。羨ましいほど、自己肯定感が高い人間だ。 テレビで芸能人を見ては、 今の子は痩せて目が大きいだけで可愛く見えるだとか、昔の自分のほうが綺麗だったとか、口癖のように言い、まるで世間の美の基準が、若かりし頃の母そのものであるかのように話をするのだった。 一方で、 私は、母とは似ても似つかないほど 自己肯定感が低い人間だ。

          美の基準

          自分を知る作業

          お芝居だけで生きていけるようになりたいと本気で思い始めてから、苦手を克服するべく、あちこちのWSに通っている。 この半年間ほど、数々のワークを通して 自分に向き合う時間が格段に増えたのだが そこで気がついたのは、 「私はいま何を感じているのか?」 と、丁寧に自分自身に聞くことは 日常生活ではあまりない、ということである。 私たちは、日常生活で出来るだけストレスを感じないように鈍くなり、忙しない日常に置いていかれないように必死に走り続け、生きている。見ざる、聞かざる状態

          自分を知る作業

          演劇とわたし

          「君は、心が不感症だ」  これは、私が初めてお芝居の先生に師事した時に言われた言葉である。大学を卒業して、すぐ。どうやってお芝居の勉強を始めたら良いか分からない私が、辿り着いた場所での出来事だった。 もう随分と前のことなのに、 “今、まさに目の前で起こっている事”のように鮮明に思い出せる。 どっしりとした深みのある低い声が、 思い出す度に何度でも、 何度でも、確実に、私を刺す。 胸がヒュッとして、身体が固まる。 台本を持っている手がどんどん冷たくなって、目の前がモノク

          演劇とわたし

          嫌いな言葉

          「わかるよ」という言葉が嫌いだ。 いや、正確には、嫌いだった。 「わかるよ」なんて日常的に使う言葉じゃないかと思うだろうが、ちょっと待ってほしい。私が嫌いなのはそんな相槌程度のものではない。 例えば、身内に不幸があったとか、大失恋をしたとか、大切な形見を無くしたとか、事故にあって入院したとか。どんな理由であれ、すぐには切り替えられないような、重大な、深刻な事態がおきて、失意のどん底にいるとする。 そんな時に言われる 「わかるよ」 いや、何がわかると言うのか。 一体全体

          嫌いな言葉

          自分の輪郭

          AirPodsを買った。 今まで使っていたBOSEのイヤホンが随分と古くなったので、互換性も考えて軽率に乗り換えてみた。 耳にフィットするし、音質もいい。 しかも、今まで使ったことがないノイズキャンセリング機能までついてるらしい。 よし、作業する時に使おう。 そう思い、大好きなスタバへと歩みをすすめる。 アイスコーヒーを片手に着席し、 AirPodsを耳に差し込む。 周りの音が聞こえなくなる。 なるほど、これはすごい。 たしかに集中力がアップする気がする。 でも、作業

          自分の輪郭

          前頭葉を鍛える

          今までみんなが、noteを書いているのを見て、なんて自由だろう、羨ましいと思いながら見ていた。 私は、自意識がものすごく強い人間で、他人に見られることが苦手だ。大体そんなに見られてもないし、他人は私のことを気にしていないことも分かっているのだが、私が気にする。どうしても、そのモゾモゾした心を手元に持っておけない。のだ。 だって、自分が、自分の考えが、見られるのって恥ずかしい。特に文章なんて人間力がそのまま出る気がして、私には無理だなあと早々に諦めていた。 そんな時にXの

          前頭葉を鍛える