I want to be a HERO
大好きな漫画「僕のヒーローアカデミア」(以下、ヒロアカ)が完結した。
中学生の頃から、毎週月曜日には教室でジャンプを広げる生粋のジャンプっ子だった私にとって、少年漫画は青春だった。
ONEPIECE、NARUTO、テニスの王子様、アイシールド21、BLEACH、銀魂 …
黄金期の数々の名作がわたしの心の本棚に仕舞われているが、中でもヒロアカは特別だ。
ヒロアカは、夢や憧れのある人にはとても胸に刺さる物語だと思っている。少なくとも私はそうだった。
自分は凡人だと、才能などないと思いつつも、あの人のようになりたい、と憧れ、諦めきれない心に年甲斐もなく自分を重ねてしまったのだと思う。
私が主人公のデクに最も共感したのは、夢を持つ人間のオリジン(原点)は、憧れの人の言葉に救われて、はじまる。という所だった。
デクが、憧れのオールマイトに「君はヒーローになれる」と言ってもらったように。
私も憧れの人から「一緒に芝居やりましょう。楽しいですよ」と言ってもらって、その第一歩を踏み出している。
言葉を貰ったあの瞬間から自分の人生がキラキラと煌めきだしたのを忘れられない。脳裏にこびりついて離れない。貰った言葉がお守りのようで、憧れに近づきたいと、目の前の壁を越えていきたいと、突き進む想いが夢への原動力になるのかもしれない。と思ったのだった。
さらに、ヒロアカの凄いところは共感するキャラクターが数多くいるところである。
たとえば、心操人使。
彼はヒーロー科に入学できず、普通科に入学したヒーロー志望の少年である。
自分の個性がヒーロー向きではない(所謂、パワー系で攻撃的は無い)ため、入試の実技試験ではふるい落されてしまった。
そんな心操人使は、デクに言うのだ。
「指動かすだけでそんな威力か 羨ましいよ」「恵まれた人間にはわからないだろ」「誂え向きの”個性”に生まれて望む場所に行ける奴らにはよ!」と。
かつて無個性だったデクはその気持ちが痛いほどわかるし、彼の心のうちは読者の誰もが一度は持ったことのあるような羨望、嫉妬、劣等感からくる叫びだと思う。
「心操くんはなんでヒーローに」
「憧れちまったもんは、仕方ないだろ」
そんな一人一人が、バックグラウンドを携えて葛藤しながら夢に向かって歩みを進める様子は単なるバトル漫画や青春漫画ではなく、人間ドラマだ。
もちろん、ヴィランも同様である。
彼らには彼らの人生があり、ヴィラン活動をする背景と正当な理由がある。
各々が成長し、障害を乗り越え、また新たな壁にぶつかり、歩みをとめずに1歩踏み出せば、階段は登っていけるとヒロアカが教えてくれた。
だから、私も
「怖い時、不安な時こそ笑っちまって臨むんだ」「更に向こうへ Plus Ultra!」と思うのだった。まだ、全然できてないけど。
さて、
今回のnoteの題名の「 I want to be a HERO 」は、ヒロアカの舞台、ヒロステの曲からとっている。
ヒロステのテーマソングのようなもので、夢を目指す学生達だけではなく、プロヒーロー達も歌っている。これは、学生時代の夢が叶い、プロヒーローになった未来の姿を想起させると同時に、彼らプロヒーローがプロになっても夢に向かって歩みをとめず、進み続けることを指してるのだと思う。
私が2.5次元を知ったのは高校生の頃で、テニミュやブリミュが走り出し盛り上がり始めた頃だったが、漫画からアニメへと飛び出しきたキャラクターが、ついに舞台を介して現実世界まできてしまうのだから、あの衝撃といったら忘れられない。
2.5次元の舞台はすごいのだ。
漫画からアニメになる段階で、おおよその土台が出来ているので、観客側としてもキャラクターのイメージや輪郭がハッキリしており、余計飛び出してきたように見える。アクロバットもこなし、歌い、踊る彼らを見ては、本当に「確かにそこにいた!」と興奮する。2.5次元俳優は凄い。
そして、2.5次元作品を見る度に思うのだが、つくり手の原作リスペクトと愛をものすごく感じる。脚本も、演出も、音楽も、本当に本当にヒロアカの世界そのもので、舞台なのに漫画的表現が存在する。それがとても好きだ。
中でも、ヒロステの歌は、本当に心に染みる。「I want to be a HERO」「ヒーローズノート」「超えていけ」はもう心の支えで、ずっと聞いている。
「足掻いてももがいても超えるんだ」
「夢が叶う日が来なくたって 自分の心捨てられない」
「夢見る心 笑うやつは笑え 自分だけの未来 この心と身体で切り開く」
「迷いも悩みも後悔も新しい自分へのエナジーにして 凍える雨も震える夜も超えてゆけ」
ヒロアカが私の人生にくれた勇気と憧れに向かうパワーは、人生の大きな糧になっている。夢に向かうことは、恥ずかしい事じゃないし、自分の力を信じて、なりたい自分を目指して努力し続けることが大事だ。
私にとってのオールマイト、成河さんと同じ舞台に経つこと、憧れの舞台の「レ・ミゼラブル」に出演すること。
この2つが、今の私の夢だ。
いつか、絶対にそこに行けると信じて
私なら出来る、叶えられると信じて。
更に向こうへ Plus Ultra
堀越先生、素敵な作品をありがとうございました。連載完結おめでとうございます。