#映画感想文
『関心領域』は心身ともに万全のときに観よう!
ジョナサン・グレイザーといえば、『ヴァーチャル・インサニティ』です。
自分はラジオっ子だったので、『ヴァーチャル・インサニティ』をはじめて聴いたときはこのMVの存在を知らず、ラジオで「何だこの曲!?」と衝撃を受けたのを覚えてます。
年がバレますが、当時中学生で志望校の合格がわかったタイミングだったので、「何か欲しいものない?」と聞かれて真っ先に答えたのが、「ジャミロクワイっていうアーティ
「悪」は存在しないかもしれないけど、「悪人」は存在する気がする/濱口竜介監督『悪は存在しない』
『ドライブ・マイ・カー』でも音楽を担当した石橋英子さんのライブ映像の製作をきっかけに作られた『悪は存在しない』。
昨年のヴェネチア映画祭で初お披露目となったこの作品は、濱口竜介監督の2年ぶりの新作でしたが、制作されていたこと自体が衝撃のニュース(ほんとに誰も知らなかったのよ!)だった上、銀獅子賞(審査員大賞)と国際映画批評家連盟賞をW受賞したもんですから、本当に驚きました。
アカデミー賞
やっぱりソフィア・コッポラはソフィア・コッポラだった/『プリシラ』
エルヴィス・プレスリーが亡くなったのは1977年のこと。
ギネスブック(いまは正確には「ギネス世界記録」らしい)に最も成功したソロアーティストとして載っているエルヴィスの伝記映画がはじめて作られたのは意外にも2022年とわずか2年前。
(テレビ映画は2作が製作されています。)
セレブリティの伝記映画はハリウッドでは題材として人気があり、存命中に製作されることも少なくありませんので、今まで
世代にはたまらない現代のラブ・ストーリー『パスト ライブス/再会』
第96回アカデミー賞に向けた賞レースで、インディペンデント映画として最後までトップランナーだった作品が『パスト ライブス/再会』です。
毎年1月に開催されるサンダンス映画祭で絶賛されると、その勢いのまま6月に公開され、ほとんど息切れしないまま、アカデミー賞でも2部門でノミネートされました。
作品賞にノミネートされた作品で、個人的一位は『オッペンハイマー』ではなくこの作品でした。
数々の
『オッペンハイマー』をより楽しむために頭に入れておきたい3つのこと
ついに本日公開となったクリストファー・ノーラン監督、『オッペンハイマー』。
「複雑」とも言われる本作ですが、同監督の『メメント』や『インセプション』、特に『TENET テネット』に比べたらそこまで身構える必要はありません。
ただ『メメント』などと比べて、【1】登場人物が桁外れで、セリフもかなり多いこと、【2】(主に核関連の)物理学の用語が出てくることもあり、字幕で追うとちょっと置いてけぼ
【第96回アカデミー賞】短編ドキュメンタリー映画賞候補作ランキング
短編ドキュメンタリー映画部門がアカデミー賞に新設されたのは1941年のことで、衣装デザイン賞(1948年)、メイクアップ&ヘアデザイン賞(1981年)、ドキュメンタリー映画賞(1947年)、アニメーション映画賞(2001年)より歴史のある賞です。
日本ではあまり特集されない部門ですが、今回はじめて授賞式前に候補作を観て、さすがアカデミー賞、侮れないなと改めて感じました。
これはドキュメン
アメリカの子どもたちは『アンネの日記』が読めない!?/短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート『禁書のイロハ』
アメリカでは現在、今まで存在していた2,000冊以上の本が学校から排除されています。
その本は以下の3つの分類に該当すると判断されたものです。
これを聞くと、日本人であれば成人向けの書籍かな?と想像すると思うのですが、違います。
その代表例が『アンネの日記』です。「どこが?」って思いますよね。
その他の「禁書」とされた本を分類ごとに見てみましょう。
禁書とされた本の例制限:閲覧に制
『デューン 砂の惑星PART2』を120%楽しむための基礎知識
まだアカデミー賞の余韻が冷めないですが、来年のアカデミー賞に向けてハリウッドは動き始めています。
そこで見事スタートダッシュを決めた作品が『デューン 砂の惑星PART2』です。
前作は続編制作が決まっていなかったにも関わらず、原題は 'Dune: Part One' の強気なタイトルだったのですが(公開後、続編の制作が無事決定)、邦題は『DUNE/デューン 砂の惑星』でした。
これは
5部門ノミネートの『落下の解剖学』はじわじわくるスルメ映画!
米アカデミー賞の国際映画賞(旧外国語映画賞)は現在以下のプロセスで決定されます。
各国から米アカデミー賞協会(AMPAS)にエントリー
(日本の場合は日本映画製作者連盟が推薦した作品)
委員会によってエントリー作品から15作品を選出
選出されたショートリストから別の委員会が候補作を選出
(2の委員と重複はしていると思われる)
すべてのノミネート作品を指定された方法で鑑賞した会員のみで投票
『ガーディアン・オブ・ギャラクシー:VOLUNE3』を観たらマジでわからんことばっかりだったので調べてみた
日本映画製作者連盟が毎年行っている新年記者発表。
今年の発表によると、2019年にピークを迎えた公開本数が戻りつつあるようです。
毎日4本ペースで鑑賞しないと消化しきれないということで、到底すべてを観ることはできないわけです。
なのでアカデミー賞の授賞式前後は、ノミネート作品を中心に鑑賞し、それ以外の期間はノミネートされそうな作品を鑑賞するというスタイルを取っています。
なので邦画
これだけのためにDisney+に入るべき!/『ラスト・リペア・ショップ』
グラミー賞が94部門あるということは、知ってるのに毎年ビビりますが、アカデミー賞も既に23部門もあり、これは授賞式の長時間化にかなり影響を与えています。
長時間であることは、視聴率にかなり影響があるようで、映画芸術アカデミー(AMPAS: エムパス)はこれを如何に短くするかということに躍起になっています。
ただスタッフ部門の受賞者を壇上に上げなかったり、スピーチを早く切り上げたりする試み
本日公開!映画『カラーパープル』の歴史
『カラーパープル』がミュージカル化されるという話を聞いたとき、「正気か!?」と思ったのは自分だけじゃなかったはず。
1985年にスピルバーグによって映画化された本作は、いまのパプリックイメージとは全く違うウーピー・ゴールドバーグがひたすら耐え忍ぶ女性を演じ、日本で言えばそれは「おしん」でした。
スピルバーグと『カラーパープル』 スピルバーグも今でこそ巨匠ですが、自分が物心つくころはまだそこ