アメリカの子どもたちは『アンネの日記』が読めない!?/短編ドキュメンタリー映画賞ノミネート『禁書のイロハ』
アメリカでは現在、今まで存在していた2,000冊以上の本が学校から排除されています。
その本は以下の3つの分類に該当すると判断されたものです。
これを聞くと、日本人であれば成人向けの書籍かな?と想像すると思うのですが、違います。
その代表例が『アンネの日記』です。「どこが?」って思いますよね。
その他の「禁書」とされた本を分類ごとに見てみましょう。
禁書とされた本の例
制限:閲覧に制限があり、親の同意が必要とされる書物
'M.L.K.: The Journey of a King'(マーチン・ルーサー・キングの伝記)、『君のためなら千回でも』、『ホビットの冒険』
問題あり:個人や団体からの反対意見に基づき排除または制限を試みる書物
『ライ麦畑でつかまえて』、『二十日鼠と人間』、『カラーパープル』
禁止:学校の図書館や教室から排除する書物
'The Life of Rosa Parks'(ローザ・パークスの伝記)、『アンネの日記』、『ウィキッド』
短編ドキュメンタリー映画賞にノミネート『禁書のイロハ』
これまでも禁書となかった本はあったようなのですが、これは新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに始まったことだそうで、2,000以上とされている禁書のうち1,835冊が、2022年に禁書とされました。
この実態は保守とリベラルの文化戦争であり、今回の大統領選の争点のひとつとも言われています。
つまり、大人のけんかに子どもたちが巻き込まれ、学ぶ機会を奪われているのです。
これを描いたドキュメンタリーが現在Paramount+(WOWOWオンデマンド)で配信されている『禁書のイロハ』で、第96回アカデミー賞の短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされました。
本作では、禁書とされた本にどのようなものがあるかだけでなく、その内容や作者の声、子どもたちがこの問題についてどう捉えているかを描いています。
アカデミー賞やグラミー賞を見るためにWOWOWに入った方はWOWOWオンデマンドで鑑賞できますので是非ご覧になってください。必見です。
アメリカは自由の国か?
この記事で書いた禁書の例だけでも、かなり驚きなのに、これに準ずるものが2,000冊以上あるなんで驚愕でしかありません。
確かに『ライ麦畑でつかまえて』なんかは眉をひそめる親もいそうな気がしますが、禁書はやりすぎですし、『ホビットの冒険』『ウィキッド』なんかは意味がわからなすぎて理解不能です。
自分のような映画ファンは欧米、特にアメリカに憧れを抱いているひとが多いと思うのですが、このような話を聞くとほんとうにアメリカは自由の国なのか疑問を感じてしまいます。
本日のドレス:エミリー・ブラント
ついに初ノミネートを果たしたエミリー・ブラントが着たドレスはスキャパレリ。
浮いたショルダーのデザインが変すぎてせっかくの晴れ舞台が台無し。
でもフローレンス・ピューもショルダーが浮いてて、このデザイン流行なんでしょうかね。
★☆☆