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日記

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#高校生

死にたくないなら死んだも同然

2024-03-04
「きみが一番だよ」そう言ってみたけれど、すきに一番も二番もあるわけがない。いろんなすきがあって、どれもそのすきの一番なのだから。なんかずっとなきそうなんだよ、彼に久しぶりに会ってしまったから。なんかずっと夢みたいでさ。ステージの照明の赤や青の丸がいつになっても視界から消えてくれない。親指のささくれを掻き毟っている間だけはその痛みでなんとか夢から覚めることができた。
死にたくな

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生きてるね

17歳がもうすぐ終わる。

4月
ゆめばかりみていた。
夢の中で何回も彼に会って、彼は私の欲しい言葉をかけてくれた。人に嫌われる夢もたくさんみて、嫌われたくない自分自身を初めて認識した。
髪を切って、新しい自分になったゆめをみた。下を向くと顔にかかるボブヘアーが、人との距離を作って、切ったことを少し後悔した。
春のやわらかな過ごしやすい空気の中、ずっと汗をかく日々だった。教室の椅子に座ると、椅子と

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ぼやけた世界の方がすきだから。

コンタクトを買ったけれど、ずっとつけないでいる。ぼやけた世界の方が好きだから。
みたくないもの、ききたくないこと、たくさんあるので五感を1つ鈍らせて歩いている。

夜の雨の街は、車のライトが眩しくて、赤が。電灯の光が縦や横に伸びたり縮んだり、黄色が。水たまりに映る赤と黄色が、溶けて混ざり合いそうだった。

目を少し細めて、そうすると光の筋がもっと伸びて、気づいたら泣いていた。

もともとぼやけてい

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毎日、なんとか、生きれない。

「もうつかれたよ」

今朝、また伝わらなかった。
いつもどおりの朝、いつもどおり母親は私を急かす。なにやってるの、また遅刻かよ、急げよ。またそうやってわざと遅れようとしてるんでしょ。
母親から逃げるように洗面所に行って、電気もつけずにぐしゃぐしゃな髪の毛をブラシで梳かす、となりにある洗濯機が揺れている、学校行きたくないよ
パチッ
電気がついた、リビングから母親が追いかけてきた、そんなんやったって何

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蝋燭の灯でやさしく瞼をとかして

蝋燭の灯でやさしく瞼をとかして

  窓から光が差し込んで床にやさしく映りこんでいる。その光の中に、風で揺れる木々が影となって居る。水面みたいに形を変えていくから、あまりにも綺麗で、その中に入りたいと思った。

 

 

2021-10-26

  満員電車にはもう乗りたくなかった。登校中、漠然とした不安と恐怖で、足がすくんだ。おなかが痛くなって、涙が溢れた。
  そして私は「逃げない!」を聴きながら逃げた。
  もうこうやって

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おとなでもこどもでもなくってよ

おとなでもこどもでもなくってよ

2021-09-12 

 こどもの歯を抜いた。
 私にはまだ乳歯があって、生まれつきその歯の下には大人の歯がないらしい。あってもいずれグラグラして抜けるらしいので、もう抜いてしまおうという話になった。

 抜くときに麻酔をしたのだけれど、それが割と痛くて打ってる間は彼のことをずっと考えていた。あの時の笑顔可愛かったなとか、あの配信の話面白かったなとか、いろいろ思い出そうとしたのに結局何も出てこな

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初めて学校をサボった

2021-05-25

母親と喧嘩した。
私が学校に行こうとしなかったからだ。もう限界だった。

憂鬱な朝。

いつものようにギリギリの時間にシャワーを浴び、洗面所でドライヤーで髪を乾かそうとした。
その瞬間、母親は私のドライヤーを奪った。
「もう学校間に合わないから、そのままで行きなさい」
濡れた髪で学校に行ったら、クラスメイトにどう見られるか、想像するだけで震えた。嫌に決まっている。

私はド

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恋をしなくても頬は染められる

恋をしなくても頬は染められる

2021-04-27

学校帰りに、恋の始まる音をきいた。

「こいつ、お前のこと好きなんだってよ!!」
「え、そんなわけないそんなわけない!!違うから!!違うから!!!」

中学一年生だろうか。まだ丈があっていない制服を着て、その男の子ははしゃぎながら頬を赤らめていた。
初々しくて、甘酸っぱくて、微笑ましかった。

私も恋をして、いつかあの男の子みたいに頬を染めるのかな、と想像してみた。気持ち悪

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「何でみんなと話さないの?」

「何でみんなと話さないの?」

2021-04-26

「何でみんなと話さないの?」

この言葉を言われた瞬間、ぐわん、私の頭が一回転した。
血の巡りが速くなって、代わりに視界がぼんやりと滲んでいった。

話せるもんなら話してるんだよ、と、その時は思った。でも、違った。私はまた甘えていた。

新しい学校、新学期。私は結局、誰かが話しかけてくれるのを待っていた。自分から一度も話しかけようとした事はなかった。
だから、急に投げかけら

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