恋をしなくても頬は染められる
2021-04-27
学校帰りに、恋の始まる音をきいた。
「こいつ、お前のこと好きなんだってよ!!」
「え、そんなわけないそんなわけない!!違うから!!違うから!!!」
中学一年生だろうか。まだ丈があっていない制服を着て、その男の子ははしゃぎながら頬を赤らめていた。
初々しくて、甘酸っぱくて、微笑ましかった。
私も恋をして、いつかあの男の子みたいに頬を染めるのかな、と想像してみた。気持ち悪くなったのでやめた。
人をまっすぐに好きになれない私は、化粧で頬を染めたまま死んでいくのだろう。
でもそれも可愛くていいじゃん!と私の中のギャルが肯定した。
だから、今はギャルでいようと思う。
ばかで居たいよ、痛い。
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