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人工物の屍骸とその先に存在する狂気という名の快楽
人口の光溢れる人工物の谷間。そこはあらゆるモノが住まい、その底には澱のようにを泳げぬ有機物が漂っていた。
その中を、目的地も感情もなく漂う、ひとつの存在がある。いや、存在といえるだけのものが逸れにあるだろうか。姿かたちはヒトのそれをしていようと、その中身に含まれる澱は腐敗臭を放って処分に困る形をしていた。
それの名は、京谷という。昼間は三十に片足を突っ込みはじめたなんということもないサラリー
魅せられたモノへ還る
逃げ水の如く逃げる光。それを追うのは…容易くはなかろうが、それでも追わねばいられず。
薬物の如き酔いは四肢を捕らえて感覚をも浸食する。
眩暈にも似た甘さを与えるその手を求むるは、愚かか……。
否。…それは必然。
必然であるが故に求むるモノ。
必然であるが故に希う。
光は水銀灯か誘蛾灯か。
いずれにせよ、求めずにいられぬこの身を唯一縛るモノは…生。限りある時の中でもがく哀
ただ静かに積もる想いに
人肌が恋しい。
ただそれだけの理由で他者を求めた時期があった。今思えば、それは余りにも幼稚で拙い仮初の情愛。空虚で得るもののない行為は、単純作業にも似た疲れを体に残すだけのものだった。
望んでいた事はただ一つ。嘘でもいい。誰かに求めてもらいたかった。
窒息しそうな程の息苦しさは、意思に関係なく意識を支配し呼吸を乱す。誘発される目眩にも似た飢えが熱を持続させてくれるはずもなく。ただ一人でもが