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ぼくのポエム

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自分で書いた詩をまとめました。 過去作も含みます。 下書き的な側面もあります。 最後の方にその詩を書いた経緯なども載っています
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#スキしてみて

[詩] 命の球

[詩] 命の球

街は生きる
生かされている

この大きな球の上を
僕らは循環し、停滞し、生産し、破壊し、そして時に争ったりする。

僕らは地上に張り巡らされた複雑な回路を辿り
暗く静かな大陸に姦しい光をもたらす。

僕たちは
冷えた指先を温めることが優しさだと思っている
鮮やかな化粧で彩ることが美しいことだと思っている
静寂を排し、賑わいを求めることが普通だと思っている

街は生きる
生かされている

血は何のた

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【詩】 季節めく、、、

最近日常が崩れている
昨日が今日で,今日が明日。
時計は時を刻む。暦は日々を区画する。
それらの明確な境界が,日常の骨格である。

しかし僕はそれに従わない。
布団に入り,意識を手放すその瞬間までが,僕の「今日」である。
布団から出て,部屋の明かりを点けてからが僕の「明日」である。
時計,暦,ニュースキャスターの声,排気音,日光,
僕はそれらに従わない。

コロナウイルスの流行で僕らの日常は停滞し

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[詩] 野良猫

[詩] 野良猫

朝、鏡を見ると
黒い猫と目が合った。

猫は静かに
僕と僕の間を
何食わぬ顔して通り過ぎた。
余りに警戒しないので
悪戯に水をかけたら
猫は色を失ってしまった

大学に行くため
僕はバイクに乗る
冬場はエンジンのかかりが悪い
時の経過が暖気を奪うためである。

大学に着くまでに
僕は4回
猫を撥ねた。
どの猫もケタケタと嗤っており
縁石を枕にして
そのまま眠りについたようだ。

大学に着いた僕は

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[詩] 柔らかな堆積

[詩] 柔らかな堆積

奔放な光の縁に
流れた涙の軌跡を見た。

背中に春風の圧力を感じ
それを頼りに僕は歩く。

会話を飾り立てることが苦手な僕は
俯瞰で眺めることでどうにかその場に留まろうとした。
湧き出た感情の綺麗な部分だけを掬い上げて
彼等の作品と交換した。
醜い残骸は小さな部屋にしまっておいて、たまにこうして見返したりする。

草木が風に煽られてザワザワと身を寄せ合っている
荒々しく響くその音色は
静寂をより確

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【詩】 黄チャート

【詩】 黄チャート

どうすれば楽に死ねるかな。

そんなことを考えながら、僕は黄チャートをパラパラめくる。
数学は苦手だ。答えがあるから。
僕は賢くないから
曖昧なまま生きていきたいんだ。

どうすれば楽に死ねるかな。

そんなことを考えながら、僕は黄チャートの答えを探す。
数Ⅰと数Aの違いが分からない。
明日は数Aのテスト
僕が今、触っているのはどっち??

どうすれば楽に死ねるかな。

そんなことを考えながら、僕

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