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#異世界ファンタジー
✳︎堕天使 ニース✳︎(20)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
20ページ✳︎
ニースが病室に戻り、スヤスヤと眠っているルイの足元で倒れ込むように眠りについたあと、朝日が枕元に差し込みルイが先に目覚めた。
ニースがルイを助ける術を探している事など知らないルイは、ぐっすりというより、ぐったりと眠りについているニースの姿を見て、違う世界に来て疲れているのだろうと、出会って間もないということを忘れるくらい、心が開ける
✳︎堕天使 ニース✳︎(19)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
19ページ✳︎
「寂しかったよ…、ニース。新しい友達ができて、もうここに来ないんじゃないかって…」
いつも感情を抑えていたルイが、初めて泣きながら訴えていた。
「僕は一緒に遊び回ることも出来ないし、いつまで生きていられるかもわからない… だけど、ニースにはずっと友達でいてほしい」
青白いルイの顔だったが、薄っすらと赤みを帯びた目頭浮かんだ涙の奥
✳︎堕天使 ニース✳︎(5)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
5ページ✳︎
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その時、誰かの足音が近づいてきた。
ルームメイトが部屋に戻ってきたのだ。
「隠れて…」ルイが言うと、
「心配するな、他のやつには俺は見えていない」
ニースはそう言ったが、
ルイは心配でドキドキそわそわしていると、
ルームメイトが、3人でドタバタと部屋に入ってきた。
本当に見えていないのだろうか。
と不安そうな顔
✳︎堕天使 ニース✳︎(7)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
7ページ✳︎
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「おいらは、自由だからな」
胸に刺さった言葉を跳ね返すように答えたニースだが、仲間も行き場もない今のニースは不安でいっぱいだった。
そのニースに、ルイは冷静で寂しげに
「僕以外、ニースの事が見える子はいないんだよね。だけど…、ごめんよ、ニース。僕は君の友達にはなれないんだ」
強がりなニースは、不安な心を読まれ哀
✳︎堕天使 ニース✳︎(8)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
8ページ✳︎
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潤ませた瞳のルイに、
「おいらも病院に付いて行ってもいいか?」
少し遠慮気味に言うと、
「うん、だけど、何を聞いてもがっかりしないでね…」
ルイは、自分に言い聞かせるように、呟き加減で言った。
「何を…?」
「明日になれば分かるよ」
ルイはそう言うと、疲れた様子で布団に潜り込み静かな寝息を立て始めた。
ルイは眠
✳︎堕天使 ニース✳︎(9)
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9ページ✳︎
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「お前!悪魔だなっ!何をしに来たっ!」
ニースは眠っているルイの前に立ちはだかり、大きく羽を広げ威嚇した。
「なんだ、お前こそ堕天使じゃないか!?地上に堕ちたてなのか…?」
からかう様に小悪魔は言うと、馴れ馴れしく話しはじめた。
「懐かしいな白い羽、尻尾も生えていないんだな」
その小悪魔が言うには、
もとは自
✳︎堕天使 ニース✳︎(11)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
11ページ✳︎
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小悪魔の言った言葉の意味。
ルイの手術の成功の先には、幸せな未来とたくさんの友達が待っている。
小悪魔の邪魔が解けた事で、手術の成功という運命が開たのなら、仲良くなれたばかりのルイだが、もう自分の事が見えなくなってしまう…
その寂しさは計り知れなかったが、ルイを助けたいその気持ちの方が強かった。
ルイが助かる
✳︎堕天使 ニース✳︎(12)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
12ページ✳︎
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翌朝、大きなベルの音で子供達が目を覚ました。
ルイはルームメイトに気がつかれないようにニースを見て、
声は出さずに「おはよう」とニッコリと笑いかけ、服を着替えて大部屋へ行き朝食をとった。
朝食が終わると、他のみんなは学校へ向かったが、ルイは先生の車に乗り病院へ向かった。
ニースも車に乗り込み、ルイの座る後ろ
✳︎堕天使 ニース✳︎(13)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
13ページ✳︎
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病室に着くと、ルイは用意されていたパジャマに着替えベッドの上にすわった。
案内してくれた看護師が、簡単に入院の説明をして部屋を出ると、ニースはさっきから気になっていた事を聞いた。
「ルイ…、お前何だか嬉しそうに見えるけど…。入院が嬉しいのか?」
待合室で待っていた時の表情とは、まるで違う穏やかな笑みを浮かべる
✳︎堕天使 ニース✳︎(14)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
14ページ✳︎
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「無茶を言うなよ!」
真剣な瞳で攻め寄って来られた小悪魔は、その場にいるのが気まずくなり逃げ腰になった。
「さっ、俺はそろそろ帰らないと!」
パタパタッ!と慌てて羽ばたかせた小悪魔の羽先を、ニースはガスっと握ったかと思うと、無理矢理閉じた。
「待て、待ってくれよ!ルイを助ける方法をどうしても探したいんだ!」
✳︎堕天使 ニース✳︎(15)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
15ページ✳︎
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木の下に降りたニースは、頭を掻きながら小悪魔の方を向き、
「お前の名前…、まだ聞いて無かったよな。おいらの名前はニース、お前は…?」
と、ルイの事を助けたい思いがいっぱいで、頼み事をしていながら名前も伝えていない事に気が付き、申し訳なさそうに小悪魔に聞いた。
小悪魔は少し下を向くと、言いたくなさそうな小声で、
✳︎堕天使 ニース✳︎(16)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
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黙りこんでじっと空を見ているティモシーが気になったニースは声をかけた。
「おい、ティモシー!気分でも悪いのか?」
慌て声のニースに肩を揺さぶられ、ハッとすると、心配そうに顔を覗き込むニースがいた。
「なっ!何でもねーよ!」と、
軽く答えたが、心配そうに声を掛けてくれたニースの言葉がとても心地よく、温かな物に包