✳︎堕天使 ニース✳︎(7)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
7ページ✳︎
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「おいらは、自由だからな」
胸に刺さった言葉を跳ね返すように答えたニースだが、仲間も行き場もない今のニースは不安でいっぱいだった。
そのニースに、ルイは冷静で寂しげに
「僕以外、ニースの事が見える子はいないんだよね。だけど…、ごめんよ、ニース。僕は君の友達にはなれないんだ」
強がりなニースは、不安な心を読まれ哀れみを受けたようで恥ずかしくなり、自分の顔がグングン赤くなっていくのがわかった。
「べっ、別に友達なんて!」
ルイは、下を向いたまま、
「僕は、欲しいよ。だけど、友達は作れない。僕は、長く生きていられない病気なんだ」
そう言うと、そのまま黙りこんだ。
ニースは、はっとした。
天界から来た自分にルイが見えていると言うことは、死が迫っていると言う事なのか?
女神様に聞いていた話が頭の中を過って、急に涙が溢れそうになった。
だが、ニースは叱るように強気な口調でルイに言った。
「お前は俺の友達だ!病気なんかに負けるな!一緒に戦ってやるよ。友達が欲しいんだったら、病気のせいになんてするなよ!」
ニースはもっと優しい言葉で励まさないと、と思いながらもこんな言葉しか出てこない自分がもどかしかった。
「ありがとう、ニース。君は本当に優しいんだね」
ぶっきら坊なニースの優しさは、痛いくらいにルイの胸に届き、
ルイの瞳に、じんわりと浮かび上がるニースの姿が温かく揺らいでいた。
知り合ったばかりの寂しがり屋の二人の心はもう通い会っていた。
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです^^。
noteで読みやすいように、少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。
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✳︎宜しくお願いします(*^^*)
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