✳︎堕天使 ニース✳︎(8)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
8ページ✳︎
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潤ませた瞳のルイに、
「おいらも病院に付いて行ってもいいか?」
少し遠慮気味に言うと、
「うん、だけど、何を聞いてもがっかりしないでね…」
ルイは、自分に言い聞かせるように、呟き加減で言った。
「何を…?」
「明日になれば分かるよ」
ルイはそう言うと、疲れた様子で布団に潜り込み静かな寝息を立て始めた。
ルイは眠ったようだが、ニースはそこから離れなかった。
心の声を漏らせずに、ずっと一人で寂しい想いをしていたルイと、ずっと孤独を感じていた自分が重なっていたのだ。
やっと、分かってもらえる友が出来た。
心から守りたい友が出来た。
そんな、誇らしげな気がしていた。
消灯の時間が近づくと、3人のルームメイトが部屋に戻って来て布団に入り、ワイワイとお喋りをしているが、ルイはそれにも気が付かない程、ぐっすりと眠っている。
いっとき騒いでいた子供達も、
だんだんと声が小さくなって自然と眠りにつき、
人間の楽しげな子供達の会話を興味津々で聞いていたニースも、
子供達が寝静まると自分もウトウトとし始めた。
時計の針が12時を回った頃、
半分眠りかけていたニースは嫌な気配を感じ、
その方向に意識を集中して気配のする方を見た。
小窓がガタガタと揺れ始めたかと思ったら、その窓からコソコソとした様子の天使が入って来た!
目を凝らしてよく見ると、色はグレーで、短い尻尾が生えている。
天使ではない!!
ニースは全身に力を込め、キッっと睨んだ。
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです^^。
noteで読みやすいように、少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。
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