✳︎堕天使 ニース✳︎(5)
✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎
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その時、誰かの足音が近づいてきた。
ルームメイトが部屋に戻ってきたのだ。
「隠れて…」ルイが言うと、
「心配するな、他のやつには俺は見えていない」
ニースはそう言ったが、
ルイは心配でドキドキそわそわしていると、
ルームメイトが、3人でドタバタと部屋に入ってきた。
本当に見えていないのだろうか。
と不安そうな顔をしているルイを見て、
ニースはケラケラと笑いながら、
一番お喋りしている男の子のところに行き、
男の子の目の前でふざけ顔をしたり、
お尻をペンペンしてみたり、頭に乗っかって見せたりした。
ルイは呆気にとられていたが、
ニースには誰も気が付かない様子に安心すると、
ふざけたニースの姿にクスッと笑いが出た。
ルイの洩らした笑い声に気が付いた男の子がおどろいて、ルイの方を見た。
「めずらしいなルイ、今…、笑ったよな?どうしたんだ…」
「いや…、何でもないよ」
と、またルイは下を向いて言った。
「ふーん、もうすぐ夕飯だぞ」
そう言うと男の子たちは、また騒ぎながら部屋を出ていった。
出ていった3人の声が遠のくと、ルイは顔をあげニースを見て言った。
「ニース、天界でも君はそんないたずらばかりしていたのかい?」
ルイはこらえていた分がはじけた様に笑った。
そう言われたニースは、急に静かになった。
ルイはハッとして、自分の口をおさえた。
「ごめんよニース、君はそれで天界にいられなくなったんだったよね」
「別に、気にしなくていいよ…」
「それよりお前、さっきの奴が言ってたけど…、何で笑わないんだ?みんなに嫌な事でもされているのか?」
ニースの問いに、今度はルイが静かにうつむいた。
「みんな、優しいよ。だけど友達になれないんだ…」
「何でだ?」
「いいんだ、別に」
二人は次の言葉が見つからず、もじもじしながら下を向いた。
お互い、誰かに聞いて欲しい事がいっぱいあった。
だけど、自分の気持ちを分かってもらおうとする事なんて面倒に思っていた。
ただ、…。この子には…。
互いにそんな気がした。
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです^^。
noteで読みやすいように、少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。
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✳︎宜しくお願いします(*^^*)
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