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✳︎堕天使 ニース✳︎(6)

✳︎心が温かくなる堕天使と少年の物語です✳︎

6ページ✳︎

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✳︎気不味い沈黙が続いた後、
ルイが先に何かを言おうと口を開いた時、ドアの向こうから大きな声で呼ばれた。

「ルイ、夕飯よ。下りていらっしゃい」
ルイは「行かなくちゃ」と、ニースに言うと、
言いかけた言葉を飲み込んだまま部屋を出た。

ルイはみんなのいる大部屋に入り、またポツンと浮いた様子で席につき、食事の並んだテーブルの前で手を合わせて食事を始めると、さっき部屋に入ってきて声をかけた男の子がルイに話しかけてきた。

「ルイ…。さっきさぁ、部屋で笑ってたよな!?何か、良い事でもあったのか?」

まわりの子供達が騒ぎ出した。
「えー!ルイが笑っていたの?」
隣に座っている女の子が、ルイの顔を覗き込んできた。

「ルイ、何でどうしたの!?」
また他の女の子も興味津々な顔で聞いてきた。

ルイは顔を真っ赤にして
「何でもないよ」と答えると下を向き食事をする手も止まってしまった。

その様子を見ていた先生が、
「お喋りはやめて、ちゃんと食事をしなさい」
と、困っている様子のルイを気遣い子供達を黙らせた。

食事が終わり、部屋に戻ろうとするルイを先生が呼び止め違う部屋に呼んだ。
「ルイ、明日は病院の日だから…。それと、さっきみんなが言っていた事だけど…、何か良い事でもあったの?」
先生も珍しくルイが笑っていたと聞き、気になっているようだ。
「いえ、別に何も…」
 「そう…。」
困り顔のルイを見て、それ以上は聞かずルイを部屋に戻した。

その様子をニースはずっと見ていた。
そして、ルイに付いて部屋に戻ったニースは
「明日、病院て、お前…。どこか悪いのか?」
ぶっきら坊に聞くと、ルイは言いにくそうに下を向き、ニースに聞き返した。

「ニース、君、ずっとここにいるの?」
 ニースの心にチクリとルイの言葉が刺さった。

(6ページ)
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✳︎ここまでお読み頂きありがとうございます✳︎
堕天使ニースは、2014年頃に執筆をしたものです^^。
noteで読みやすいように、少しづつ校正を加えながら、
アップしていこうと思っています。

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✳︎スキ頂けると続きのアップに向けて励みになります^^✳︎
✳︎宜しくお願いします(*^^*)
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