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「世界の終わり」の地政学 上 ピーター・ゼイハン 著 集英社
原題は、「The End of the World is Just The beginning」です。物騒ですねぇ。
今回は、その上巻についてです。
上巻の目次は、
第1部 一つの時代の終わり(始まりは、いかにして始まったのか?;偶然の超大国アメリカ;流れをがらりと変えたもの ほか)
第2部 輸送(長い道のり;制約からの解放―輸送を工業化する;アメリカナイズされた交易 ほか)
第3部 金融(通貨―
「デジタル生存競争」 ダグラス・ラシュコフ 著 ボイジャー
著者の考えによれば、少数の富裕層やデジタルエリートたちは、世界の富のほとんどを所有しています。彼のマインドセットは、指数関数的な成長を信じ、壁にぶつかったらそれを乗り越える技術が生まれると信じているように見えます。
AIがいろいろな問題を解決してくれるかもしれません。でも、AIには莫大な電力が必要なのです。
しかし、例えば、「電力の大部分を再生可能エネルギーによって賄うためには、風力発電や太陽
「日本史 不適切にもほどがある話」 堀江宏樹 著 王様文庫
安直に流行りに乗ったのかなと思われるようなタイトルだったのですが、意外に?真面目に書かれている本です。
特にお金の面での記述が面白い。
武田信玄は、精強な騎馬軍団を持っていたのですが、その軍団を維持できたのは厳しい税制があったからではないかとのことです。「武田家が人民に課した「棟別銭」の税額は全国平均より約2倍も高かった(p.126)」とのことです。棟別銭とは、今で言う固定資産税のようなものだ
「靖国神社の緑の隊長」半藤一利 著 幻冬舎文庫
2021年1月に亡くなった半藤一利さんの最後の著作になります。
先の戦争でのエピソードが書かれています。
前書きで、半藤さんは次のように書いています。
「兵士(軍属を含めて)の死者はおよそ二百四十万人と言われていますが、そのうち七割は、食べものや飲みものがなく、飢えて亡くなっています。最低限の食料さえ補給されず、日本から遠く離れた山のなかや、聞いたこともない名前の島で見捨てられた、無惨な死で
「エロティック・キャピタル」 キャサリン・ハキム 著 共同通信社
感想を書くのが難しい本です。評価が分かれる本でしょう。
人の個人資産としては、エコノミック・キャピタル(経済的資産)、ヒューマン・キャピタル(人的資産)、ソーシャル・キャピタル(経済的・社会的価値)の3つがこれまで議論されてきました。
社会学者である著者は、それに加え、美しさ、性的魅力、自己演出力、社交スキルを合わせた個人の資産であるエロティック・キャピタルを提案しています(p.11)。
著
「やさしくない国ニッポンの政治経済学」 田中世紀 著 講談社新書メチエ
ずっと日本は協調的な国だと思っていましたが、2000年をすぎたあたりから、「あれっ?」と思うことが多くなり、今や日本はかなり利己的な国民だと思うようになりました。
僕は、1982年から1996年末まで日本の企業で働いていたのですが、当時の会社員の中では、「同じ釜の飯を食った」という身内意識が強かったように思います。
その後アメリカで4年半過ごし日本に帰ってきたのですが、何か日本の空気が変わって