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珠玉集

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心の琴線が震えた記事
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#私の作品紹介

【色】エメラルドグリーンノーバ “みつけたタカラモノの色”

“みつけたタカラモノの色” 『エメラルド』 転がる音感。可愛らしい響き。 やはり先行するのは宝石のイメージです。 ブルーとグリーンが仲よく混じりあった色。 突き抜けない、やさしい色合いに すこし、レトロな懐かしさも感じます。 昭和の家電や台所道具。 よくわからないプラスチックの破片。 おばあちゃんが使っていた畑仕事の水場では、 3色ほどのタイルが張り巡らされていて いちばん好きなのはこんな色でした。 剥がれて落ちて、砂埃にまぎれるタイル。 それでも自然のなかで浮きあが

誰かと、出会うということ。

点と点はいつか線になるっていう言葉は馴染みすぎたぐらいのきらいがあるけれど。 時折、点は点にすぎないのだけど。線につながることもあって。 そう感じたくなる経験も数年に何度かは訪れてくれることがある。 一度出会って今は出会わなくなってしまった人は時々記憶の中の登場人物となって、お茶碗を洗っている水に触れている時やシャンプーしている時など、不意に現れては消えてゆく。 消えてゆくのだけど。 またいつか泡のように記憶が再生する。 10月のはじまり。  不甲斐ない想いをしていた時

【秋ピリカ】わたしを束ねないでください。

ちいさな紙の束をたばねる。 ちいさな会社のちいさな資料だ。 失くしてしまったとして誰も困らないような そんなささやかな紙の束だ。 はじっこを出来るだけあわせて、ばらばらにならないようにカキンとやる。 紙がすこし分厚い時。 あの指にかかる微かなステープラーの圧力の中には、みえないぐらいの罪悪感が潜んでいる気がする。 紙を束ねているのにいつからかじぶんを束ねているように思ってしまう。 紙谷栞は、名の如くもはや紙なのだ。 名も知れぬ紙だから平気で誰かに束ねられてしまう。 佐伯

可愛いものが苦手な方は見ないでください。

🦭💙🦭🩵🦭🤍 いきなり可愛くてごめんなさい。 その昔、羊毛フェルトにはまっていた頃に作ったアザラシちゃんです🦭 作った後に撮影会をしました。 絵本の上に乗せて撮るといい感じになると気づいて、素敵な背景で撮りました。 異常に、可愛いですね。 最近コメントを控えています。 たまに私の中のおしゃべり豆が弾けて色んなところへポップコーン⋆🍿⸝⋆してしまうのですが、そうしているうちに時間が消えていくので控えています。 そんなわけで、コメントは心の中でします。 うたすと2

手紙には | #シロクマ文芸部

手紙には本当のことをひとつも書かなかった。 『みんな元気?! 俺は元気だよ! 仕事も順調で最近給料も上がったんだ。残業が多いけれどなんとかやってるよ!』 仕事を辞めたことも、彼女と別れたことも、借金をしていることも…… 何も書けなかった。 ◇◇◇ 手紙には本当のことがひとつも書かれていなかった。きっと仕事もうまくいってないのだろう。文章を読んだだけで息子の様子はわかってしまう。お金に困っているのだな。 『元気そうでよかったです。こちらも元気でやっていますよ。爺ちゃん

余白の神様 #短編小説

 夏。僕は「豚の警察」という本をお母さんに買ってもらった。読んでいて、僕はだんだん腹が立ってきた。話のすじ自体は面白いのだが、余白があまりにも多すぎるのだ。上下、左右、そして段落の間の余白が。 「なんだよ、これ。1760円もするけど、ぼったくりじゃん。余白をぎゅっと縮めたら、半分になるよ。そしたら880円で買えるのに」  僕は本の最後に印刷されている出版社の電話番号に電話した。 「はい、夏耳社でございます」 「こんにちは。中学一年の近藤貴志といいます。あの。『豚の警察

【ほんのり怪談二本立て】『塩をふらない』『溜めこむ』

第一話『塩を振らない』 大好きだった先輩が亡くなった。 高校三年生、まだ十八才という若さだった。 イケメンで明るくて、ちょっと遊び人の噂もあったが、それもまた魅力であり憧れる女子の多い先輩だった。 先輩は大学生の友人達と車に乗って遊びに行き、事故に遭い、そのままあっけなく亡くなった。 先輩の葬儀にはたくさんの人が訪れた。 同級生だけでなく、後輩も、そして他校の人や知らない大学生たちも来ていた。 生前の先輩は付き合いが広く人気者だったから、それは当然のように思えた。 葬儀に

【創作】隣に越して来たもの【守り猫マモル】

【前回のお話】 興味本位で事故現場を見に行った主人公のOLは、それがきっかけで怪現象と体調不良に悩まされるようになる。 続く怪現象と酷くなる体調不良にとうとう限界を感じた主人公。 何を思ったか「恐ろしい思いをしながら部屋に一人でいたくない」という一心で、ペットショップに駆け込む。 そこで「俺を飼えよ、追い払ってやるから」とテレパシーを伝えてくる一匹の猫と出会う。 何度も生まれ変わり霊格が高く、それ故に波長の合う人間(飼い主)と出会えず売れ残っていた猫は、見事主人公に取り憑く悪

万年筆画3点(2016)

これからランダムに過去の作品を紹介していこうかと思います。 今回は万年筆画。2016年から2017年にかけて万年筆でゴリゴリ描き込んでいくのにハマっていました。そのうちの3点です。 どちらも大きさはA3で、家ではスキャンできないので確かタブレットで撮影したのですが、あまり画質は良くありません。 この後、万年筆からボールペンに移行、2019年くらいまでしつこくゴリゴリやっていました。 以下、「みんなのフォトギャラリー」用です。

【イルカ好きさんに捧ぐ①】noteの記事、賑やかし帯(タイ)。-第225弾-

ご使用前に、コチラのご確認を…⇩m(_ _)m 《《使用するにあたってのお願い。》》✅ご使用方法 ✅今回の賑やかし帯(飾り罫線)

【カテゴリ別】賑やかし帯(タイ)保管庫。

いらっしゃいませ、こんにちは。 はじめての方は、はじめまして! 自分は、いつきと申します。 自身のサイトマップと、自己紹介記事は⇩になりますm(_ _)m どうぞ、よろしくお願いします。 コチラは、これまでに公開してきた賑やかし帯をカテゴリ別にまとめ、眺めていつき自身が悦に浸りたいが為…興味を持っていただいた方が見やすいようにしたものです。(現在、第275弾+αまで収録) 気に入ったものがありましたら、ぜひ使って下さい。 あなたの記事を賑やかに出来たら幸いです♪

索引のようなもの-濡羽色の小夜篇-

この『物語の欠片-濡羽色の小夜篇-』はカリンとレンを主人公にした、十五番目の物語である。 『鳥の歌篇』以外の私の物語のタイトルには二つ法則がある。 ひとつは多くの方の気がついておられる『⚪︎⚪︎色の〜』という形で色が使われていること。さらに言うとポハク=金あるいは黄、ワイ=水色あるいは青、アヒ=赤あるいはオレンジ、アグィーラ=白や黒などモノトーンに近い色、を、メインの舞台によって採用している。そして間に挟まるアンソロジーは、マカニのイメージで、空色(ワイと少しかぶる)〜緑の辺

【なんのはなしですか】

カテゴリ別賑やかし帯>企画参加作品>路地裏ことば>なんのはなしですか ご近所ノーターさんたちの中で、とっても重宝されている… #なんのはなしですか と、いう… どんなしょーもない話でも、 華麗に拾ってくれる、超絶便利な万能タグの存在を知ったいつき⇩ 最近、己の記事やコメント欄でウキウキと使わせていただいております。 この、『#なんのはなしですか』という万能タグを生み出されたのは、 上にご紹介したマガジンの主、コニシ木の子さんです⇧ 気になる方は、コニシ木の子さん

もくじ【マンガ 美大生に明日はない】

~愉快な同級生編~ ■登場人物紹介1 ▶ひっこし ▶新生活は嵐の予感 ▶入学式直前譚 ▶ヨウコソ青春 ▶奇妙奇天烈摩訶不思議サークル勧誘 ▶看護婦のおねえさん ▶少年M ▶印象に残った自己紹介 1人目 ▶印象に残った自己紹介 2人目 ▶印象に残った自己紹介 3人目 ▶牛丼屋童貞 ▶友情のはじまりは ▶はじめて遊ぶ友達には脳みその贈り物を ▶気の合うトモダチ ▶お洒落な友達 ▶風に願うこと ▶ぱのらま奇譚 ▶半地下の教室 ▶新入生研修旅行記 前編 ▶新入生研修旅行記 中編 ▶新