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記録(エッセイなど)

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記録文まとめ。たまにエッセイや、大学の課題など。
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2023年6月の記事一覧

彼らが食べた鰻の味、静岡(課題)

彼らが食べた鰻の味、静岡(課題)

2年前、2021年の2月。ジャニーズ事務所所属のアイドルグループ、SixTONES(ストーンズ)のライブへ行くために友人と足を運んだ静岡県で、彼らがYouTubeの企画で訪れていた鰻屋さんへ行くことにした。

新横浜から新幹線に乗って静岡へ向かったのだが、車窓から見える大きな富士山にはしっかりと歓声を送った(控えめな声量で)。実物よりも写真や絵などモチーフとしてのそれを見る機会の方が多い私は富士山

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生きる川(課題)

生きる川(課題)

愛犬の豆柴と散歩をするときにいつも歩く川沿いの道。その川には、日々うつろいゆく自然の趣がある。

ある日の朝は、しんと静謐な様子であった。またある日の夕暮れは、空の橙色を映す水面が、柔らかい表情でゆるやかに流れていた。その川にはごつごつとした大きな石、岩場のようになっているところがいくつかあり、そこには鳥たちが佇んでいる。

川の流れに逆らってすいすいと泳いでゆく鴨の群れ。大人の鴨よりもまだひ

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通信制大学1年生。文芸を学問として学ぶこと

通信制大学1年生。文芸を学問として学ぶこと

私はいま、京都芸術大学通信教育学部(通称KUA通信)の文芸コースに所属している1年生だ。いろいろあって年齢は20歳。そのいろいろはまた別の機会に書くとして、今日はこの大学に入って文芸を学ぼうと思った初心に帰ってみようと思う。

突然ですが、私は好きなことが義務になってしまうと好きではいられなくなるタイプです。たとえば高校生のころは、勉強がいくら好きでも、学校から課せられると途端に嫌になってしまうと

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血縁上の彼

私には、父親がいない。縁が切れてしまったという方が正しいかもしれないけれど。それが起きたのは昨年の夏のことだった。私はまだその事実を受け入れることができていないけれど、こうして言語化することで少しでも救われるものがあるのではないかという希望未満の願望によってこの文章を書いている。

私と父の縁が切れた主な原因は私の持病。そして父の精神状態が見方によってはおかしいといえる状態にあったこと。私には双極

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木綿豆腐

味噌汁に木綿豆腐が入っているとほっとする、絹はちょっと他人行儀な感触がする。

これは私が、完全さよりも不完全さに惹かれやすい特質ゆえなのだろうと思う。全体がなめらかでなだらかで完全な人よりも凹凸があってどこかしらが欠けていたり突き抜けていたりする人に惹かれる(コミュニケーションを取る相手ではなく、一方的に憧れたり好意を寄せたりする対象はとくに)。

絹豆腐のことは別にきらいではないけれど、なんと

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殴り書き

好きだから書いている、好きなものを、事象を人物を光景を書いている、だけれど好きなだけでは通用しない。

私が好きだと感じるすべてのもの・ひとは、そのひとの主観的な好きだけで構成されているわけではない。深い知見、思想、その人にしかない積み重ねの上に成り立っている。

だから私が書くものはまだ足りない。自分が好きでいられたならそれでいいと割り切ってしまえれば今のままでもいいのかもしれないけれど、やっぱ

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